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第一王子が多忙でも婚約者との仲が深まり乙女ゲーム的なものがはじまることはなかった

作者: さとう あか

きっと、王族という人たちはかなり忙しいんだろうな。

そんな想像から書いてみました。

それは、婚約者である第一王子とのお茶会での会話でした。


「ローズはこの間学園に特待生で入ってきた女の子を知っているかい?」


「ええ、確か明るい茶髪のマリアという名前の方でしたか?」


「そう、その子。

なんだか最近僕によく声をかけてくるんだ。」


専攻している学科も受けている授業も違うはずなのに?

密偵を通してそんなことを知っている私は疑問に思うが、殿下は力なく会話を続ける。


「私はあなたのことを理解しています。とか、今度カフェに行きませんかとか。」


そんなことを殿下の口から聞き、密偵の報告は嘘偽りではないことを確信した。

今後、その小娘をどうしようかと考えをめぐらせる。


「僕学園の仕事や勉強だけじゃなくて、公務とかもあってローズに会う時間をつくるのにも苦労しているのにその子は僕にどこかに行こうとか、息抜きも必要だって言うんだ。」


相変わらず力ない殿下の言葉に少しばかり嬉しくなる。

ありがとうございます。

分かっています。私とのお茶会のためにスケジュールの調整を心がけているのは。

そして、お茶会には私の好きなお茶や茶菓子を用意し、珍しいものや美味しいものがあったら用意していただけているのも。

このお茶会だけでも、殿下が私のことを気遣っていることは充分に伝わっております。

そして、殿下に息抜きが必要なのはわかりますが、どうしてそのマリアとやらと息抜きしなくてはいけないのかは謎ですね。


「もう、しつこくて…

それに僕一応王子だからそんな簡単にカフェに行ったり、遊びに行ったりとかできないのにしつこいんだ。」


そうですわね。

護衛やお店側の連絡なども必要になりますしね。


「なんだろう、あの子には僕はそんなにヒマに見えるのかな?」


私は、思ったことを殿下に伝えるしかありませんでした。


「私からみても殿下はお忙しいと思います。

しかし、そのマリアさん?はきっと学園での殿下しかしらないのでしょう。

だから、カフェに行きましょうという話になるのではないのでしょうか。

殿下が行っているような公務も一般の方々が知っているような大々的なものからそうではないものまで多岐にわたります。

政治に関わりのない一般の方がそれら全てを把握しているとは考えにくいのではないしょうか?」


「そっか…そういうものかな…

ごめんね。君とのお茶会の時にこんな湿っぽい話題になってしまって。」


「いいえ、そんなことを仰らないでください。

殿下が何に悩んでいるのか、それを共有できるのは婚約者である私の特権です。

解決できることなら一緒に解決しましょう。できないのなら共に悩みましょう。

私たちは、その、婚約者で、その、いずれふ、夫婦に、なるのですから。」


最後の方が少し声が小さくなってしまったのはご愛嬌ということにしておいてください。

殿下が笑っているのをみるとなんだか気恥ずかしくなってしまい私は少し、熱くなってしまった顔を背けた。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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