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天使姉妹の異世界旅  作者: kaito
一章、王国編
99/101

九十九 キマイラ戦

恵視点。

「それじゃぁ、いくよぅー」

大鎌を引きずりながらキマイラに向かって飛び出すベル

それと同時に、姉さん?は両手を前に構える


この構え…本来の姉さんが使う構えじゃないのだけは見れば分かる

と言うか、姉さんは受けの戦いは基本やらない。

待ち構える位なら攻撃するのが姉さんだし…基本は空中に魔法を複数展開して戦う。

つまり、あれは間違いなく別人

多分、以前の剣舞祭時の時の状態と同じ


私が、そんな姉さん?の様子を観察していると

「…妹、お手伝いお願いします……」

正面を向いたまま、姉さん?は横目で私を見ている…銀色の瞳で…。

…つい、目を合わせしまう。

「…うぇっ!?」

反射的に、びっくりして変な声が出た…。

「……。」

すっごい呆れた表情してるよ、この姉さん?

いやいや、いきなり話しかけられたら普通びっくりするし、雰囲気違いすぎるんだよ!!


そんな状態の私を、呆れた表情のまま放置する姉さん?は続けて口を開く

「…少々…状態が悪いのです。……全力は出せないので…」

とか言いつつも、キマイラの尻尾の蛇が吐き飛ばす毒液を軽く風刃で相殺するように弾いている…。…あれ?姉さんって、風刃使えたっけ?…まぁいいか。


で…弾き逸らされた毒液はべちゃっ、べちゃっ、と地面や壁に当たる。そして、周りを巻き込みながら変色する

…真っ黒く


「…あれは、侵食してます…触れない様に……」

侵食…?。一体どういう…

「…この体でも、耐えられないでしょう」

と、とりあえず触れなければ良いんだ

姉さん?の言葉通りに、私はすぐに変色した場所から離れる。

私の様子を見て、姉さん?は静かに頷く

…頷きながらも姉さん?は、視界に入れてない最後の毒液も風刃で弾き落としてる


…牽制?威嚇だった蛇の毒液を姉さん?は全て逸らしてきってしまった。…私に手伝えとは?


さて、周りを見る余裕ができた

飛び出したベルは…


「ほっほいっほいっ…てやぁ!」

大鎌を軸に、ベルはステップを踏みつつ獅子の爪を避ける

そして、その勢いを利用し、鎌を大きく振るう。

獅子は避けれずに、大鎌が獅子の横腹へと突き刺ささる

「ギィアァァァァァァ!!」

獅子が悲鳴を上げる

すると、反射的に尻尾の蛇がベルの方に向く。そして、即座に噛み付こうと動く

そして、残った山羊がこちらに…。

「メェェェェェ!!」

山羊が雄叫びを上げる。

魔法…。山羊の周りに大きな氷の槍が二本出現し、こちらに放たれた。…狙いは、姉さんの様だ

「…妹お願いします。」

姉さん?は動かず呟く。目も閉じてる。

ええっと…私に斬り捨てろって事?

まぁ、姉さん?狙いの氷槍だし斬り捨てるけど…。


私は、氷槍に向かって飛び出す。

…綺麗な氷の槍…。魔法は汚染されてないみたい

…って、見とれてないで早く斬らないと。

黒刀を抜き、構える。

迫り来る氷槍を一振りで、縦に真っ二つにする。二振り目で、二本目も横に真っ二つに斬り捨てる。

そして、着地する。…ふぅ。

一息、してから正面を見る…って、蛇…私見てない?……やっぱり見てる!?!?

あっ…やばっ毒液吐い


私が反応するよりも速く、風刃により弾き逸らされる毒液。た…助かった

「……油断しない。」

…ありがと姉さん?。って…えぇ、また呆れてる!?

けど、本当に助かった…。


「よっとっとっ…っとぉ。ごめんねぇ。毒液吐かせない様にしたかったんだけどぉ…余裕なかったよぉ」

私の横にステップしながら、ベルが苦笑いしながら戻って来る。

大鎌は相変わらず、引きずってる。肩に柄を乗っけても刃が地面に…って、これ大きすぎるんじゃない?

ベルの身長の五倍以上の大きさ…でか過ぎ

それを軽々と振り回してる本人も大概だけど…


そして、ベルが離れると警戒して攻撃してこないキマイラ。獅子は威嚇はしてるけど…

あと、蛇と山羊は威嚇のつもりで睨んでいる。魔法も毒液も飛んでは来ないが…。


それにしても…黒い。真っ黒だ…あの蛇


私が、尻尾の蛇をじーっ見ていると

「んー。ベルだと尻尾は狙えないねぇ…。常に狙われてるしぃ」

渋い顔で、ベルが呟く。

…確かに、一番危険と判断されてるのはベル。次点で多分、姉さん?。次に私。ベルには狙う余裕はない


「…神器ならいけます……」

「神器、ねぇ…。」

姉さん?、ベル…二人の視線が私へと向く。

……んん?なぜ私見られてる?

「聖剣やら魔剣なら最悪侵食されるけどぉ、神剣なら大丈夫だねぇ」

…二人の視線…私の…刀…?

黒刀を触る。

「気を付ける事はぁ、爪と牙は受けない事とぉ黒い所は触れない事ぉ」

それって、つまり攻撃を受けるなって事だよね…

むちゃくちゃな…。


「まぁ、ベルが正面を陣取るからぁ横や裏から狙ってねぇ…っとぉぉぉぉ!?」

キマイラが、再びベルへと狙いを定めたらしい。

尻尾の蛇が、毒液を飛ばしてくる。ベルだけに


「ちょっ、ちょっとぉ…ベルはぁ守ってくれないのぉっ!?ひどぉー」

「……。」

キマイラの毒液をぴょんぴょんと避けるベル

そして、無視する姉さん?

なにこれ、漫才?


そろそろ、本格的に私も動くとしよう。

…ちなみに、ラフィーは姉さん?の背後に寝かせてある

姉さん?の背後なら毒液の心配はない


…正直、この二人の邪魔にならなければ良いけど…。


「よーしぃ、討伐するぞぅ」

ベルは、大鎌を引きずりながら直進する

「グルル」

「メェェェ!」

キマイラはベルに狙いを定め

氷槍、毒液と一斉に放つ

「ほっほっい、ほいっとぉー」

毒液はぴょんぴょんと避け、氷槍は鎌の柄の部分で叩き割るベル。

あれは、真似できる…か?……いや、無理だな。

複数の毒液の位置を的確に判断しないと踏みかねない

私だと、氷槍に気を取られる。か、毒液を警戒しすぎる。から


さて、次は私…

とは言っても、獅子と山羊はベルの方に敵意が向いてる

毒液は姉さん?が多少逸らしてくれる。問題はない


私が駆け出すと、反応する尻尾の蛇

すぐさま、毒液を乱射する。今までとは比べ物にならないほどの数。

かなりの数だ…全ては避けれない。

姉さん?も風刃で逸らしてくれるが、全ては無理だ

なら避けるしかない

…正面四つ、…右斜めに六つ、…左側三つ…

まだまだ飛んで来る…多いな、ちくしょう




(…ふぅん。まだまだ厳しいかなぁと思ったけどねぇ…。)

横目でメグミを見つつ、獅子の引っ掻こうとする爪を鎌で弾く

(ベルちゃんは、今の所は中立だけどぉ…賛成派に肩入れしてもいいかなぁ…。…とは言ってもぉ、二人だけじゃ、まだまだ厳しいねぇ)

余所見しつつも、山羊の魔法の氷矢の乱れ射ちを、鎌を回転させて全て防ぎきる

(まぁ現状はぁ、ベルちゃんを含めて中立、反対が五。まだ様子見かなぁ…。)

ベルは自問自答で納得すると、キマイラへと視線を戻した




……なんとか、キマイラの近くまで来れたけれども…。

キマイラでかい。そして黒い所がなんか蠢いてる…キモイ

なにこれ…キモすぎ…。なんなのこれ…


正直、触りたくない。いや、触ったらヤバイらしいけど…

で、問題は…

チラッと蛇を見る。

この蛇…。真っ黒なんだけど…。なんか寄生してる…?めちゃくちゃ蠢いてる…

遠くだと分かんなかったけど…蛇の部分完全に侵食されてる

…あれ、斬るの?



ベルは真正面で、獅子の部分と山羊の部分を相手取って見事に捌いてる。

私へと向かないように適度に挑発を兼ねた攻撃をけしかけながら…

正直凄い。たまーに、こっちを見てるくらい余裕まである

「それじゃあねぇ、連携しよっかぁー」

大鎌を構え直したベルは、今までの弾く動作とは違う動きをする

「ここぉっ!!」

獅子が左前足で、ベルを引っ掻く動きをする。

ベルはその動作に合わせて動くと、獅子の右前足を鎌の先端で突き刺す。

そして、そのまま力を込めて底深くまで、刃を思いっきりぶっ刺す。……地面深くに突き刺さってる。抜けないなあれ

「ガ、グルルルルル」

右前足を動かそうと足掻く獅子。

でも、深く突き刺さってる大鎌は抜けない。

「…ガァオォォォォォ!!」

獅子の部分が怒ったらしく、キマイラ全ての視界がベルへと向く


…この隙、届く!!

黒刀を鞘へ戻し、尻尾の蛇へと飛翔する

少し遅れて、私が近くにいる事に気が付いた蛇が反応…だが

「…遅い!!はぁぁぁぁぁ」

抜刀する。黒刀を鞘から一気に振り抜く

抜刀術、居合い斬り。私の中で一番威力があるはずの技

これなら行けるはず!


勢いのある刃が当たる…。蛇の汚染された蠢く黒い皮膚に…。

私の全力の一撃!!……ん?なんか可笑しい?

刃が止まってる…?

…斬り裂けなかった?私はまだ力を入れているけど…

くっ…全然、刃が通らない…

……くそっ硬ったい…。なっ、なんだこれ!?!?

硬い、硬すぎる…


………違う。よく見たら、黒い蠢いてるのが集まって私の黒刀を受け止めてる


…駄目だ。全く斬れない

悔しいけど…一旦、離れて体制を立て直すか…


…ん?……あれ?………えっ!?!?

か、刀が動かない…?

く、くそっ!

…力を込めても、ビクともしない


……はっ!?

黒刀の刀身に、黒い蠢く物がまとわり付いてる…

受け止めた上に、黒刀にまとわり付くなんて……


どうする…?黒刀を手放す……?



「………あ」

やばっ…蛇の頭、私目掛けて口開いてる…。

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