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天使姉妹の異世界旅  作者: kaito
一章、王国編
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九十四 ポテチ...

まだ、恵の視点...

「さてとー…で、結局どうするの?」

姉さんはラヴィさんの奴隷の首輪を回収して、ぽふっと私の膝の上に座る。


「…うー…ん…。」

「どうしましょうか…」

メアとラヴィさんが、深く考えてる。

けど、結論はでない。私も考え…

…あっ駄目だ。頭では理解してても、ラヴィさんと離れると思うと涙が…。頭働かない…。

…諦めて、姉さんを抱き締めよう…。

「ん?…よしよし」

抱き締められた姉さんが、チラッと私の様子を見て頭を撫でる

「大丈夫だよー。最後って訳じゃないからねー。」

「うん…。」

姉さんに優しく頭を撫でられてる…。

うん、分かってる…。ラヴィさんも、申し訳なさそうな表情してるし…

でも…やっぱり寂しい…。


そんな私達を、尻目に

黒猫人のミィは、窓から外をしばらく見る

すでに外は暗くなり、真っ暗になっている…。

「…やれるかミ?。…これならミィ達にお任せですミ」

窓から、外に向かって手を動かし指示するミィ

「ミ!行け。」

そして、再び私達の前に歩いてくる

…この黒猫本当に何者…?


「ミ、この宿屋の周りに居る不穏分子は排除させましたミ。この後は、ミィ達が囮になりますミ。」

なるほど、囮か。でも、ラヴィさんは安全なの?

「ラヴィさんは安全?」

「大丈夫ですミ。命に代えても守りますミ」

…なら、大丈夫かな?


「…ミィ様、準備できました。」

いきなり、窓の方から声が聞こえ全員で振り向く

窓の裏に黒猫人族が一人…。いつの間にか居る。ここ二階…

…それにしても、気配しなかった…。本当に何者…!?

「ミ。ご苦労」

さも当たり前の様に、返事をするミィも…。


宿屋から全員で、出る。…女将が、不思議な表情してたけど…。仕方ない

宿屋の前に、商品を運ぶ商人用の馬車が…一台…。

「ミィ達は、これで大通りから正門を抜けますミ。皆様は裏門からこっそり…」

分かった。でも、この荷物は何?…これお酒だし…

凄い積まれてる…。

「こ…これは、偽装ですミ!。必要なんですミ!!」

「……。」

あれは…嘘だな。汗たらたらだし

…後は、護衛代わり…数人。

皆、長いマントに深く被ったフード。

チラッと見てみても、顔すら見えない。かろうじて、尻尾が見えるから、獣人だと理解出来るくらいで…。

…もしかして、アサシンとかだったりする?


それから、ミィとラヴィさんを乗せた馬車は大通りから、堂々と帝国方面の正門に向かい

私達は、こっそりと裏門から抜ける。


囮は成功したみたい…。

私達を、追って来てる者は一人もいない。

皆、あちらについていったらしい…。

…ラヴィさん大丈夫かな?


「ラヴィさんなら、大丈夫だよー。私の加護もあるし」

姉さんは、特に気にした様子もない。

でも、姉さんが心配してないんだし大丈夫か…?

「…加護は…繋がり…」

続けてメアも、意味深な事言ってる

繋がり…繋がりか…

私が、姉さんの気配やら魔力感じれんのもその繋がりのおかげなのかな…。


それから…街道を歩き

途中で街道から、分かれ小道へ進み

木々の合間を抜ける…。

すでに、街道からはかなり離れた。


この小道、多少なりとも人通りはあるらしく、補強はされてないけど人が通る道になっている

まぁ凸凹してて、歩き辛いけど…


「疲れたー。恵ぅおんぶー」

…何か言ってる。無視しよう。

「ん…しょ…よぃ…しょっ……」

って、メアもかなり疲労してる…

………はぁ。

「…休憩する?」

「する!!」

「…したい…。」

先が、思いやられるなぁ…もぅ…。



…しまった。

私、わりと面倒な事に気が付いた…。

今…姉さん達がテントを準備していたから、私は手軽な間食でも作ろうと思ったんだけど…。

お料理関連の補佐は、ラヴィさんの仕事だった…。

ラヴィさんは料理する時、だいたい予測して動いてくれてたから色々と余裕があったんだけど…手間かかるやつだと、一人だと正直厳しい。

じゃあ、補佐させる?

まず、姉さんは論外。あれは調理させない。

理由は、典型的な料理下手。塩と砂糖間違えるなんてまだマシなレベル。電子レンジで生卵温めたりするからね…あれ

で、お次はメア。多少なら出来るけど、なんと言うか…お手伝いレベル…?

頼まないと動けない。頼むと何とかやってくれるレベル。

つまり、補佐はまだ無理。


実は、ラヴィさんかなり有能だった…!?

…いや、普通に考えても有能だったよ


うーん…どうするかな…。

手間隙かかるやつは、ほぼ無理だ。

とりあえず…考えながら、薄切りにしたじゃが芋の山

これだけでも揚げるかな?

ポテチだけだと、あれかなーって追加作ろうと思ってたけど正直無理だし

とりあえず、さっさと揚げちゃうか…。


……私が揚げたポテチ…。量が多いから、一旦最初に揚げたやつテーブルに置いといたんだけど…

「んふふ…ポテトチップス。凄く久しぶりねぇ」

…なんか釣れた。出来立てのポテチを、ひょいひょいと摘まんでる…。

「何千年…いや、何億…年ぶり?…まぁいいわ。それにしても、この世界の住民は…なんで、じゃが芋を捨てるのかしらねぇ?…もぐもぐ」

…まるで、いつも食べていた様に…食べてる。

と、言うか…。食い過ぎ!!もう半分も無くなってる!?!?

そのペースで食われると本当に無くなる!!!!


慌てて、私はポテチを奪い取る。

「あっ…。ケチぃ…ぷぅ」

…って、頬を膨らませて拗ねるな

「まぁ…もう十分食べたから良いわ。ご馳走さま」

いや、別にお前に用意したわけじゃないんだけど…。


と言うか…

「何しに来たんだ、ルーファ」

全然、姿見せないと思ってたら…急に来るな

「んー…ポテトチップス食べに…?」

…冗談言うな。

ジト目で睨む私。食べに来ただけなら、流石に怒るぞ?

「…じょ、冗談よ。その…半分位は……。」

「残り半分は、本当に食べに来た…と?」

「……。」

ぷいっと、視線を私から逸らすルーファ。

…目を背けるなー!!


「さて…と、冗談はこれくらいにして…。」

ルーファが、私の目の前まで歩いてくる

そして、私の目をじーっと見つめる。

「…大丈夫そうね。」

「?」

私の目を一通り見てから、軽く頷くルーファ

「…えいっ。」

「……え?」

いきなりルーファは、私の右目に指を突き刺した

あまりの出来事に、私の思考が停止する

「んー、少し我慢しててね」

そんな私の事を、気にもせず

そのままルーファは、突き刺した指をぐちゅぐちゅと…こねくり回す

余りの痛みに、すぐに私の思考が稼働する。

「いだっ…いだぁぁぁぁぁあぁぁぁ」

「我慢よー。ほら、逃げないで」

痛みで反射的に逃げようとする私を、ルーファが逃がす訳もなく

残ってる手で体を掴まれ、動きを封じられる


しばらく、じたばたと足掻いていたけれど

逃げれるはずもなく…

「…完成。っと…」

「…ぃぐっ」

ぐったりした私の右目から、指を引き抜くルーファ

「これで、よしっ…と。」

私の血で、血塗れの指を舐めとり

ルーファは、涙目の左目だけで睨む私の頭を撫でる

「もう痛みは無いでしょ。そんなに睨まない」

「……っ!?」

…確かに、もう痛みが無い。

それ所か、右目から血も流れてない…。

…あれ?潰されたはずの眼球もある…?


「どうなって…」

「貴方の元々の目は、これ。」

ルーファは、指で挟む様にして丸い物体を見せる。

…あれ、目玉だ…。

真ん中に穴の開いた赤い瞳の眼球。多分、私のだ…

「やっぱり、無傷で作り替えるのは私には難しいわね。…創造神の力が羨ましいわ」

ルーファは呟くと、指の合間の目玉をふっ…と黒い炎で包み消滅させる

せめて、何かするなら一言先に…


って、そう言えば…、なんで姉さん達一切反応しないんだ?

私の悲鳴なんて聞けば、飛んできそうなものなのに…

「周りには、音すら伝わってないわよ?」

周りをキョロキョロ見回す私に、ルーファが呟く

「…は?」

待って…どういう事?

「だって…ねぇ?間違いなく邪魔されちゃうでしょ?」

まぁ、姉さんなら確実に妨害するだろうね

「そうなると面倒でしょ?だから、周りから認識されないように工夫してみました。ふふ。」

…ふふ。じゃない

とりあえず、殴る!!殴らせろ!!!!

「お、大掛かりな事する余裕あるなら…先に一言くらい言えやぁぁぁ!!」

「あ、まっ、ちょっ…痛っ!?。ごめんなさい…謝るから、殴らないでぇ」

許さん!めちゃくちゃ痛かったんだぞー!!


…ん?…あれ?

ルーファをぽこぽこと殴る私、一旦殴るのを止める。

「…あら?どうしたの?」

殴るのを止めると、ルーファは不思議そうな表情で私を見てる

…いや、ルーファの後ろの空間に…亀裂が…。

空間の亀裂から、にゅっと二つの腕が出てくる

そして、ルーファの両肩をがっしりと掴む

「ひぅ!?」

「捕・ま・え・ま・し・た・!!」

驚き、変な声を出すルーファ。

そして、二つの腕の主の声?が聞こえると同時に、ルーファを亀裂へと引っ張る

「まだ、お仕事残ってます!サボるのは、ダメです」

「あっ…ちょっ…待って…。…まだ眼のつか」

…抵抗しながら喋ってたルーファが、強引に亀裂に飲み込まれた…。

そして、亀裂は塞がり消える…。


結局、なんだったんだ…



「恵ー。オヤツはー?」

呑気な姉さんの声が、近付いてくる

ルーファが消えたからか、認識を妨害する効果が切れた?…妨害って言うか、時間停止に近いような気もしたけど…。

「めぐぅー…うぉえっ!?」

私を見た瞬間、姉さんが変な声を出した。

あっ、そうだった。私、血塗れだったわ


「め、めめめ…恵ぅー!?!?」

凄い勢いで突っ込んでくる姉さん

「どうしたのー!?大丈夫!?!?…ぷにぷに」

私のお顔を、姉さんは両手で挟むように掴む。…ぷにぷにするな

「血だらけ…って、あれ?…恵、右目どうしたの?なんか瞳に模様が…魔法陣?」

私の目をじーっと見て、首を傾げる姉さん

魔方陣…?

どれどれ?

えーっと…とりあえず近くに調理用の包丁あるから、これで確認しよう。


…瞳の色は赤。これはいつもと変わらない

瞳孔の大きさ…これも変わらない。

んで、問題の瞳の模様。これ、どうやら瞳に直接模様があるみたい…。五芒星の…魔法陣?

視覚的には影響は無い。けど、これ結構目立ちそうかな?


けど、まぁ…姉さんの銀の瞳よりは目立たないか。


「お母…さん…の残り…魔力…感じた…。…もぐもぐ」

後から、ゆっくりと歩きながら現れるメア

その手には、ルーファから奪い返したポテチの残りを持ってる。

しかも、それを食べながら現れた。

「あっ…。」

「…あっー!ずるい!!」

私の反応の後、遅れて反応する姉さん。

慌てて、メアからポテチの入れ物を奪う

「…からっぽ。」

一言呟き、がくんと膝から崩れ落ちる姉さん。

「…ごくん。…ごちそう…さま…でした?」

満足げな表情のメア。対照的に絶望してる表情の姉さん


「…また作るよ。姉さん」

膝から崩れ落ちてる姉さんに、呟く

…どの道、うす塩だけじゃ物足んないし

できたら、コンソメ味なんかも作りたい。けどコンソメは面倒なんだよねぇ…

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