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天使姉妹の異世界旅  作者: kaito
一章、王国編
90/101

九十 ドミニカ、マリアちゃんと飛竜 編 10〈マリアちゃん側のお話〉

引き続き、レイミィ視点

はぁ…はぁ…はぁ…

「これで…最後ぉー…!!」

痺れて感覚が無くなりつつある右手を強く握り締め、ボロボロになったレイピアを思いっきり振るう。

空から落ちてくる最後の聖剣の刀身に、レイピアが直撃する。

キュィィィ…ィィン…

聖剣はレイピアの刃に当たると、まるで悲鳴の様な音を響かせる

…パキィィ…ィィン…

そして…聖剣は反発の衝撃で刀身が砕け、弾け散りながら吹き飛んで行く


はぁ…はぁ……ふぅ…終わったー

すっごい消耗したよー。

ゴロンっと飛竜さんの上で寝転ぶ。…疲れたし少し位なら良いよねぇー

…なんか最後の方、聖剣と魔剣の反発も押し負ける所か押し勝ってた様な気もしたし…

けど…ぼくのレイピア…かなりボロボロになっ…

「って、なにこれー!?」

また形が変わってるー!?

…なんか、全体的にやや黒くなった?…黒銀?

柄の部分、銀色の狼?犬?が彫られてるし…

後、レイピアじゃなくて細剣に変化してるー

かなり変わったね…これぇ


「なんじゃぁぁぁこれはぁぁぁぁ!?!?」

うおっ!?ビックリした…って、ドミニカ様?

「あらあら~、無事に~全て~弾く事が~できた様~ですね~」

…どちら様?ん…?そのメイド服…

「はい~。サキュバスさん~ですよ~。」

…はい?確かに、サキュバスさんと一緒のメイド服だけど…姿違いすぎるよ?


「ぁぁぁ…。わ…儂の…聖剣…聖剣が…」

って、ドミニカ様ーどうしましたー?

膝から崩れ落ちてるドミニカ様の様子を、横から覗きこむ

ドミニカ様の前には、ぼくが最後の方に弾いた聖剣が6本

全部、刀身が砕けてる。

…ぼくが、これやったの?

最後の方、確かに音が弾くって言うよりも、砕けるような感じだったけど…


「あらら~聖剣を~魔剣が~食らってしまった~ようですね~。なら~魔剣が~進化してますね~?」

ぼくの腰から細剣を勝手に抜き、じーっと見て確認するサキュバス?さん

「…ふむふむ~なるほど~。これは~…聖剣食らいの~魔剣って所ですか~。名付けるなら~聖食の銀狼ですかね~」

聖食の銀狼…?銀狼…って、あのフェンリル?

銀狼って確か、幻獣フェンリルの事じゃなかったっけ?

幻獣の由来通り、存在事態が幻の神狼。

獣人族の始祖だとか言われてるけど…真実は知らない。

そんな存在の名前使って平気なのかな…?


「こんな奴にー、進化した魔剣なんてぇーまだ早いですよー。アスモ様ー」

サキュバス?さんの隣にいる、赤青の派手な頭した奴が何か言ってるんだけど…。何なの…こいつ?すっごいムカつく…

「なに…この派手な頭の奴は…?」

「あぁんっ?なんか言ったかー!糞犬ー。」

「糞い…!!?おいこら、やんのかー!?!?」

「おおん?やったんぞー!!いぬっころぉー!!」

赤青の派手頭、すっごい睨んでくる。

しかもこいつ…なんか敵意剥き出しなんだけどー。…ぼくもこいつの事気に食わないけど…。

犬扱いは許せん…やる気なら、やってやんよ?


「その派手頭、目立たなくしてやる」

「出来るもんなら、やってみなー。いぬっころー。」

「よし、殺す。絶対殺す!!」

ぼく達が、一触即発状態でバチバチしてると、すぐに二つの人影がぼく達の後ろに…

「止めんか!」

「喧嘩は~駄目ですよ~!」

そして、ほぼ同時に頭に拳が降り注ぐ。ゴッチンッ!と…

「「…あだぁ!?!?…あぁぁ頭がぁ…」」

二人同時に、拳骨された頭を押さえてしゃがみ込む

痛い…うぅ…。こいつのせいだ…

あっちも、涙目でこっち睨んでるー。でも、ぼくは悪くない


「ったく…馬鹿者が…。…はぁ…聖剣、六本も…犠牲に…。集めるの大変じゃったのになぁ…」

やっと諦めたのか、ドミニカ様は砕けてる聖剣を異空間にしまう。

「…所で、レイミィ。お主、いつの間に魔剣なんぞ手に入れた?儂のコレクションのやつではないじゃろ?それ」

サキュバス?さんが持つぼくの魔剣をちらっと見て、ドミニカ様が聞いてくる

「あ…」

「これ~ですか~?ワタシが~差し上げ~ました~」

ぼくが答える前に、サキュバス?さんが割り込んでくる。あっ…こっそり、鞘に細剣を戻されてる…

これって、詳しくは話すなって事かな?

まぁ…くれた本人が言ってるんだし、ぼくが言う事は全く無いよねー。

「ふふ~。後で~、ご褒美~あげますね~」

ぼくを撫でてから、耳元で囁くサキュバス?さん


「…そうか。詳しくは聞かん事にする。どの道、儂一人では何も出来ん…。」

「ふふふ~」

鋭い目でサキュバス?さんを睨むドミニカ様。

しかし、その視線を笑顔で受け流すサキュバス?さん

…凄く強者同士の掛け合いっぽい


「ん~……。」

急に、誰も居ない崖の方を向き少しの間、真顔になるサキュバス?さん

再び、こちらに向くと何事もなかったかのように笑顔に戻る。

「…了解です~。ふぅ~…次の~お仕事ですか~。さてさて~、ワタシ達は~お先に~失礼しますね~」

「うえ!?…もう行くんですかぁー!?少しやす…あっちょっ…待っ…しょぇぇぇぇー」

派手頭の手を掴むと、サキュバス?さんは上空に高く飛び上がり、そのまま飛んで行ってしまった…。

…派手頭、凄い顔したまま連れていかれたね…


“…どうやら、妾達はとんでもない方々に手を出そうとしてた様ですね”

二人が居なくなったのを、確認して飛竜の女王が丸めてた体を解く。

同時に、マリアちゃんと桃色の飛竜も懐から出てくる

「わたし、なにもしてない…。わたしは必要なかった様な…」

出てきたマリアちゃん、少ししょんぼりしてる


「…ん?んー…あれー?」

マリアちゃん、サキュバス?さんが少しの間見ていた方向をじっと見てる

「どうしたのー?」

「んんー?誰か見てた様な…。気のせいかな?」

そっちには、誰も居ないよー。

…ん?あれ?マリアちゃんの杖の青い玉が、中で小さく渦巻いてる。

けど、マリアちゃんは気が付いてない。


「さて…。儂らも帰るとするか…」

ドミニカ様、ちらっとマリアちゃんの杖を見てから呟く。

多分、現状は保留することにしたっぽい。まだ何も分からないからね


ドミニカ様は目を閉じて集中し、自身の残り魔力を確認する

「…ぬぅ。予想より、魔力が回復しとらん…。久しぶりに、使い過ぎてしまったからか…?」

少し疲労した様子のドミニカ様。

魔力が足りなくなるほど、消費したみたい

「これでは…飛んで行くとなると途中で堕ちるのぅ…。」

腕を組み、うーむ…と悩みだすドミニカ様。

流石に、徒歩は辛いよ?

魔銀鉱山の麓のドワーフ村から飛竜の谷まで、歩いて進むの結構大変だったし…。

それに、マリアちゃんには間違いなく無理だよ。


「徒歩の場合…マリアは、また儂の異空間に…」

「…えっ!?……いや!!」

マリアちゃん、まさかの拒否!?

「じゃが…安ぜ」

「やだー!!あそこはもう嫌ー!!」

凄い…拒否反応…。

「…ぬぅん…。」

ドミニカ様ー!?想像以上に落ち込んでるー!?!?

これは、マリアちゃんの勝ち。だねぇ


でも、どうするの?

徒歩だと、結構危ないよ?マリアちゃん守りながらだと厳しいと思う

ぼくはともかく、マリアちゃんは睡眠とか食事とか休憩とか必要だろうし…。

…ん?ぼく?ぼくは、一週間飲食無しで休まずに動けるから大丈夫。…一週間後、全く動けなくなるけどね…。


ぼく達の様子を見て、桃色の飛竜さんが決心した様に赤い飛竜さんの方に向き、口を開く

「ギャウ、ギャウルン。」

“えっ?”


「ギャルン!」

“…本気なの?…そう…。”

“いや、我は反た…”


「ギャルル!!」

“あなたは黙ってて!!”

“うっ…はい…。”

おっふ。青い飛竜さん、会話に参加すらさせてもらえない。尻に敷かれてるー


“…はぁ、分かったわ。マリア様、ドミニカ様…妾の子達をお使いください。姫もそれを望んでますから…”

「ギャルン!」

赤い飛竜さんの声に合わせて、桃色の飛竜さんがマリアちゃんの前にやってくる

「ギャウンー」

「乗ってもいいのー?」

桃色の飛竜さんはこくりと頷き、マリアちゃんの隣で背を低く下げる

その様子を見ていた茶色の飛竜達が四匹が、ぼくとドミニカ様の前にやってくると、同じ様に背を下げる

桃色の飛竜と茶色の飛竜が四匹。

“あなた達、姫を任せましたよ”

「「「「ガウ!」」」」

赤い飛竜さんの指示に、一斉に声を上げる

四匹の茶色の飛竜さん達からしたら、名誉な事なのかな?すっごい生き生きしてる。

…って、放置されてる青い飛竜さん。

まだしょんぼりしてるんだけどー。


「…うぅむ…。これは王国に着いたら、少しゴタゴタするかもしれんのぅ…」

ドミニカ様、遠い目してるー。

あれは、現実逃避してる奴だー

まぁ、飛竜五匹も連れ帰ったら騒ぎにもなるよねー


けど、ぼくは王都暮らしじゃないしー。ぼくには、関係ない話しかなー


「さて、そろそろ儂らも行くとするか!」

ドミニカ様の掛け声に合わせて、ぼく達を乗せた飛竜達が一斉に飛び立つ。

乗ってるのは三人だけどねー。残り二匹は護衛らしい。

ふふー、飛竜の背に乗って帰るとか凄い体験だよー




とある空間…

「…報告は以上です。母様」

私は報告を終えると、口を閉じる

「………。なるほど…ね」

背を向けたまま、そう呟く母様。

「…あまり、下界で姿を見せないようになさい。あなた達は、その見た目故に私の使いだってすぐバレるんだから…」

こちらに振り返り、私の隣まで来ると私の髪を優しく撫でる母様。

「…メアは良いのですか?」

ふと…疑問に思い、ポツリと呟く

「あの子は、むしろ目立つ様にさせてるのよ。あの子が近く居たら、むやみに襲ったりはしないでしょ?少なからず理解してるなら、私に喧嘩売ってるようなものだもの」

「…はぁ。」

確かに、女神に喧嘩売る奴なんて…いないと思いますが…。

「それにしても、各地に眠らせてある古龍の魔核…。回収したのは…まだ二つなのね…?」

母様の手の中に、緑の宝玉と黄色の宝玉が収まっている


「そうねー。でも、短期間で二つなら上出来よ?」

母様の隣に、フレアリード様が空間を割り現れる

「青い宝玉は、私が杖にしちゃったし。赤い宝玉は多分、シャールがなんかやっちゃったみたいだ……あっ」

フレアリード様の発言に、母様がピクッと反応する

「…ねえ、私の…古龍王の魔核に手ぇ…出したの?」

母様の纏っていた魔力の雰囲気が変質する…。そして、真っ黒い魔力が、母様の体から放出される

フレアリード様も、これは…やばいっ…と冷や汗を足らしながら慌ててます

「お、おち、落ち着いて…ね?」

フレアリード様が、母様を慌てて落ち着かせようとしてます

「……。シャールは?」

母様は黒い魔力を引っ込めると、鋭い視線でフレアリード様を睨みつけてますね…。

「あー…。うん、いつもの…下界で音信不通。はは…」

フレアリード様は、母様から視線を反らし苦笑い…。


(…ふぅ…。母様がここまで怒る…。古龍王関連は母様には駄目って話は本当なんですね…)

母様の黒い魔力に、かなり怯んでしまいましたが…なんとか耐え切れました…。私では、ぎりぎり…ですね…


「お母様ー。指示通りに…あら?皆さん、どうかしたんですの?」

私の隣に、同じく黒髪で貴族の様な縦巻きの髪型をした女性が現れる…妹です。

「…お母様の機嫌悪そうですわね。お姉様何かやらかしましたの?」

「やらかしてません。」

「ですわよね。お姉様に限って…ミスとかするわけないですわよねぇー。他に尖った能力あるわけでもないですしー」

…相変わらず、私の事舐めてますね…。この愚妹は…


「リアム、報告。」

「はいはい。お姉様、いつもの冗談ですわー真に受けないでねー。」

私に手を振りながら、母様に歩み寄る妹。

そして、母様に報告してから戻ってくる


「お姉様、次の件は色欲、強欲、怠惰の三体がやるそうですわ。」

「…怠惰も?あの怠け者が、良く賛同しましたね?」


「お母様に、動けって指示出されてましたの。サボり過ぎて、ダンジョンは放置。あげく…吸血鬼の担当なのに怠けて、管理を疎かにしたせいで低級の吸血鬼が、お母様に迷惑かけたらしいので…お母様がお怒りですわ…と。」

「あー…そうですか。それは動かないと駄目ですね」


「お顔真っ青にしてましたのよー。ぷふっ」

「…はぁ。」

相変わらず、他者を見下す…傲慢ですね…

…さて、私も次の準備にかかりますか…。

色欲に任せた天使の件はまだ終わってませんからね。

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