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天使姉妹の異世界旅  作者: kaito
一章、王国編
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八十八 ドミニカ、マリアちゃんと飛竜 編 8〈マリアちゃん側のお話〉

ドミニカ視点

マリアに注意されて、殺気を引っ込めた儂。ついでに放出してる魔力も抑えとく。

ふむ…威嚇のつもりで放出したままにしといたんじゃが、飛竜の女王は内なる魔力を見ること出来るみたいじゃし

いらんお世話じゃったか?


まぁ、殺気と魔力で周りの高台に居る飛竜達も怖じ気づいたようじゃし…結果的に良し。じゃな

…さて、周りの飛竜をざっと数えて見たが…幼体も含めて数千は居そうじゃ…。

儂を警戒に来た飛竜達だけでも、数百匹…だったんじゃろうな

普通に殺り合ってたら、流石に骨が折れるわい。


とりあえず、話し合いで解決出来れば良いが…

「お主らは何故そんなに気が立っておるんじゃ?儂を警戒に来た時、キングを含むほぼ全ての飛竜が一触即発状態じゃったろ?」

龍神教の亡骸が関係しとるのは予想出来るが…

“それは…ですね…”

飛竜の女王が横目で、飛竜王に合図する

飛竜王は頷き、先ほどの亡骸を儂の前に放り投げる


…うむ。ボロボロの亡骸じゃ。

急所を狙ったり燃やしたりせず、あえて苦しませて殺した…と分かる。余りにも亡骸の表情が苦悶に満ちておる…。

“こやつらは、我が子達を連れ去った!!ただ迷いこんだだけならば、我とて命まではとらん!!”

「「「ガァァァァァァ!!」」」

“我らに敵対し、まして我が子達を連れ去るなど我らの逆鱗に触れると同義!!”

「「「ギガァァァァ!!」」」

“我が子達を拐った愚か者には、死をもって償わせねばならん!!”

「「「グガァァァァ!!」」」

飛竜王は怒りに任せて叫ぶ

周りの飛竜達も、飛竜王の叫びに合わせ騒ぐ

…まるで合唱じゃ…うるさいのぅ


じゃが、理由は分かった。

飛竜は全て、王と女王の子。それゆえ、拐われれば怒るのも道理じゃ。

怒り狂ってる理由も分かる。


“妾としては…他の子も心配ですが、なにより姫が拐われた事が心配なのです。あの子は妾の跡を継ぐ子。あの子に何かあると困るのです…”

飛竜王の怒りの叫びを黙って聞いていた、飛竜の女王が呟きながら涙を流す


「だから…悲しいお顔してたんだね」

マリアは、そんな飛竜の女王の頭を撫でる

…マリアは恐怖とか感じんのか?…飛竜の女王にも、それなりに恐ろしさがあると思うんじゃが…

まぁ、儂の殺気に怯まない時点で効果は無い…か。


撫でるマリアと撫でられる女王の隣で、叫び終わった飛竜王がマリアを睨んでるんじゃが…なぁ


さて、儂の調査自体は終わりじゃな。

飛竜達は、拐われた飛竜を探すために大群を動かそうとしてたらしい。

この数で移動なぞすれば、魔物大行進と言われても違和感無いぞ?

流石に…飛竜達には、ここで大人しくしてて貰いたい。

これは儂も一肌脱ぐ…

…ぬ?


なんじゃ…?

儂の索敵範囲に数匹ほど侵入した…?

数匹は飛竜っぽいが…

な…!?先頭の…なんじゃ、この魔力は…これは、まるで…

“…っ!?これは…?”

飛竜の女王が、急に空を見上る

どうやら、飛竜の女王もこの魔力に反応したらしい

“…他のは…妾の子達…?”

飛竜の女王の呟きと、同時に先頭以外の侵入者達が降りてくる。


「おふー。やっと着いたー…遠いよーここー。」

空で停止してる人影が、気怠さを出しながら空から儂達を見下ろしている

「ほへー?ドミニカっちー?なんでここにー」

儂を見るや、不自然に顔を傾げる

赤青に分かれた髪色のツインテールが目立つ少女

しかし…その肌は黒く、背中には黒い竜の様な翼がある。

瞳は左は紅、もう右は真っ黒で魔法陣の様な模様の中心に十字の模様が瞳の様に浮かび上がっている

なんじゃ…この赤青ツインテールは…。…待て、その姿はっ…

しかも、その目は…まるで…

「魔眼…だよー。これは思考読みの魔眼。…て、言うかぁー!なんでアタシっちの事、皆して赤青ツインテールって呼ぶのー!!ぷんぷん」

…なんか、空中でぷりぷり怒っておる…

「その飛ぶトカゲ共もー、ここまで来る間にーどさくさに紛れてアタシっちの事を噛もうとするしー!!ここまで連れてきてあげたのにー!!感謝とかないのー?」

ぬぅ…。飛竜達を馬鹿にしとるな…あれ

“……”

飛竜王が尻尾を地面に叩きだした…。イライラし始めとる

しかし…飛竜の女王だけは冷や汗をかきながら、その様子を伺ってる


「…もう頭きた。少し八つ当たりさせろ」

ぷりぷりしてた赤青ツインテールが、冷めた目で睨み急に冷たく言葉を吐き出す

場に一瞬で冷たい空気が漂い、その様変わりに飛竜達は全員が怯み固まる


飛竜の女王だけは、目の前に居るマリアと桃色の飛竜を護るように自分の懐に覆い被って身を丸めている。

完全に護る体制じゃ。


…あの赤青ツインテールの視線は、完全に儂だけを見ておる。

あの悪魔…。儂を見てから暴れる事決めたようじゃ

仕方ない…。儂も本気でやってやろう

あの様子じゃと手加減は不味そうじゃ


即座に、儂は奴と同じ高さまで飛び上がる

「さてさて、ドミニカっちはアタシっちの速さについてこれるかなー?」

儂がハンマーを取り出すと、笑みを浮かべる赤青ツインテール。

そして、ぶれる様に揺れると高速で動き出す

「っ!?…ぐぅ」

速っ…。いきなり視界から消えられ、不意討ちで左脇腹に拳で打撃された…

なんちゅう…速さじゃ…。儂の目をでも捉えきれん


「あれぇー予想より遅い?まだ、これ使ってないよー。」

一旦、距離を取って停止する赤青ツインテール。

その手には、赤黒い禍々しい短剣を持っている

「これねー、絶苦剣ダブルペインって魔短剣なんだー。」

魔短剣をクルクルと手のひらで回す赤青ツインテール

「アタシっちはねー、速さしか取り柄がないのー。攻撃力なんかはゴミ並みに無いんだー。だから…」

ふっ…と再び視界から、ぶれる様に消える赤青ツインテール


しまっ…

「えいっ!一発目」

儂の背後で、黒い笑みを浮かべる赤青ツインテール

そのまま、魔短剣で儂の腕を斬りつける

…ズキンッ!

一瞬の痛みに、儂は顔を歪める

…ズキンッ…ズキンッ…

…っ!?痛みが引かんっ!?…なんじゃ、これは…

「ぐっ!?ぐぅぁぁぁぁぁ!?!?」

斬られた腕から、全身にかけて物凄い激痛が走る

余りの痛みに手に持つハンマーが手から離れ、するりと落下する

いや違う…ハンマーを持てぬほどの痛み…。危うく儂が落下する所だった…


「これ良いでしょー?攻撃力無くても、相手を痛めつけられるしー。アタシっちとしてもー、苦しんでる相手を眺めるの楽しいんだー」

再び距離を再び取った上で、赤青ツインテールは楽しそうに笑ってる


はぁ…はぁ…

斬られた腕は治る所か、未だに激痛が走っている

悪趣味な…根っからの悪魔か…こやつ…


「次は、何処が良ーい?足?それともー反対の腕?」

ニヤニヤしながら、苦悶な表情の儂に話しかける赤青ツインテール

「…はぁ…はぁ…もういい!!」

儂は目を閉じて、魔力を練る

「あれー?諦めた?」

ニヤニヤしてる赤青ツインテールも、不思議そうに顔を傾げてる


見せてやろう…儂の奥の手を…!!。

儂は異空間から聖剣をまとめて取り出す

…儂は離れた相手を攻撃する魔法もスキルも無い。

しかし、儂には複数に分けた魔力を自在に操れる<多重魔力操作>と

魔力で物質を掴む事のできる<魔力手腕>がある

つまり…聖剣を魔力で遠隔操作する!儂専用の技〈魔力操剣〉

儂のコレクションはただの趣味ではない!!


儂は、自分の周りに聖剣三十本を空中で展開する

本来ならば魔力が適合しなければ使えない聖剣じゃが、それでも儂の様な使い方でも十分な威力を出せる

聖剣や魔剣は存在自体が強力な武器なのだから…


「ほへ…?」

赤青ツインテールが間抜けな顔で、儂の展開した聖剣を眺めてる

「あっ…待って、それ死んじゃう!その数は避けれないからー!死んじゃうからー!!許してぇー」

正気に戻った赤青ツインテールが、真っ青な表情で涙目になりながら必死に止めようとあたふたし始める


だが、もう遅い。

儂ぶっちゃけ怒っておる。

無理矢理、腕の痛みを抑えて込んでおるのじゃ

不利になったからって謝っても許すか!!


儂は涙目であたふたしてる赤青ツインテールに、聖剣を向けて放つ

「あわわわ…これ…死ぬ…。」

真っ青で狼狽えてる赤青ツインテールは避ける動作すら取ろうとしない

まぁ、避けられる場所などないのじゃがな


「あらあら~。その短剣は~今回は~使ったら~駄目って~言ったで~しょう?~。それは~相手の~怒りも~増やすん~ですから~」

…ぬ?誰かが…儂の聖剣よりも速く、赤青ツインテールと聖剣の間に割って入ってきた!?

そして、片手に持つ剣で迫り来る聖剣を次々と叩き落とす


儂…生半可な操作はしとらんぞ…。

全ての聖剣を容易く叩き落とされてしまった…

何者だ…?…儂の操る三十本の聖剣を、片手で全て叩き落とす事なぞ普通は出来ん…化け物か!?

この魔力操剣は、儂のほぼ全ての魔力を使った奥の手なんじゃ…。もうなにも出来ん…


「ぐすっ…ぐすん…だずがりまじだー。あだじっち…本気で…じぬがど…」

赤青ツインテール、助けに入った人物に抱きついて泣いてる。涙で顔がぐしゃぐしゃになっておる

「ドミニカ様~。この子も~まだ未熟者~ですから~これくらいで~許して~あげて~くださいね~?。」

割って入った人物が儂にニコリと笑う

…見覚えがある。

そのメイド服には、見覚えがあるぞ!!

「貴様も…悪魔じゃったんか!!デューナァァァ!!!!」

儂の怒りの怒号に、デューナは変わらず笑顔のまま

「あら~?ワタシは~貴女様には~隠して~ませんよ~?」

デューナは笑顔のまま、困った顔をする

「ぐす…。アスモ様ー、色欲の効果弱めないとーサキュバスの見た目のままですよー」

赤青ツインテールの一言で、デューナが…はっ!?とした表情をする


デューナは自分の魔力を操作し始める

そして、デューナの纏っていた魔力が消滅する

「改め~まして~。デューナ・アスモデウス~です~。悪魔名は~色欲の~アスモデウス。七つの大罪の~一つを持つ~悪魔で~ございます。」

スカートの端を両手で、軽く掴み会釈するデューナ。

な…なんじゃこやつは…さっきの姿と魔力が段違いじゃ…。

なんて…圧倒的な…。儂…一人では勝ち目なぞ…


「後~ですね~。ドミニカ様が~ワタシを~悪魔と~視認~出来なかったのは~ワタシの~スキル【色欲】の能力~です~。ワタシの~能力の~根本は~魅了~。能力の~使い方~次第で~ワタシを~サキュバスだと~誤認させる事も~可能なの~です~。」

再び、能力を使い先ほどのサキュバス姿に戻る

「能力も~、使い方~次第で~多様な~使い道~できますよ~。例えば~魅了の効果を~薄く範囲を~広げれば~王国中で~ワタシが~何処に居ても~違和感が無い~なんて事も~」

儂を見て、ニコリと笑うデューナ


儂の近くに…そんな悪魔が居ったんか…

しかも、大罪持ち…

なんて…儂は無力…


「ああ~でも~、ご安心を~。ワタシ達~大罪持ちは~基本的に~戦闘とかには~極力参加しません~ので~。…大罪……振り…かね……ですから~」

そうなのか…。…うん?最後…声が小さくて良く聞こえんな…?

「ですので~。これで~戦闘は~終わりですよ~。」

笑顔でデューナが、儂を見る

もう以上はやらせないと、表情は笑顔のままじゃが瞳は冷たく儂を見ている

…まぁ、儂も満身創痍じゃ。これ以上続けるのは儂も無理じゃ。大人しく従おう

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