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天使姉妹の異世界旅  作者: kaito
一章、王国編
83/101

八十三 ドミニカ、マリアちゃんと飛竜 編3〈マリアちゃん側のお話〉

ドミニカの視点

マリアを宿に残し、儂はフールの冒険者ギルドへ向かう

ふむ。王都の冒険者ギルドに比べるとやはり小さい

まぁ、支部なんじゃから当たり前じゃな


とりあえず、入るか

扉を開き、中へ入る。

中は、基本的に作りは同じ。受付に依頼ボード、椅子とテーブル。酒場としても使える作りになっておる

冒険者達が依頼から戻り、中で話合いなどができる様に作られておるからな

…騒ぐ馬鹿も、必ず現れるのじゃがな…


とりあえず、受付に進む

そんな儂の様子を、その場に居る冒険者達が一斉に見る

半分は、子供が何の用だ?って顔。残りは、ドミニカ!?って顔じゃな。

半数が儂を知らんって…

まあ、今は…気にする必要もないか。


さて、受付嬢にギルドマスターがおるか聞くかのぅ

「スーの奴はおるか?」

…ん?受付嬢が冷や汗を…?

「ドミニカ様…申し訳ありません。マスターは今不在です…」

「…は?」

いや、待て…なぜギルドマスターが不在?

留守にする場合は、サブマスターが居るはず…ここのサブマスターは確か…

「…ならば、レイミィは?」

更に、受付嬢の額の冷や汗が増える

「その…すいません…。多分、お二人ともレイミィ様のご自宅だと思います…」

…レイミィ

あやつ…

儂が呆れていると、同時にギルドの扉が勢い良く開く

「やだー!。放せー!!」

「コラッ!暴れんな!!」

凄く良いタイミングで、ギルドに入って来たのぅ…こやつら…


左目が前髪で隠れた女性が、騒ぐ少女を担いだままギルドの中に入ってくる。結構、騒がしいな…

誰も反応しないのは、これ何時もの事なのか…

儂?自分に呆れておるよ

忘れておったわ…。レイミィはサボり魔だと言う事を…


働き者のスーと、サボり魔のレイミィがここの担当じゃったな…

スーは、見た目が濃い緑髪で左目が前髪で隠れてる女性。凄く真面目な良い子じゃ。

レイミィは、銀色の髪と耳に前髪だけ金のメッシュが入った基本的にやる気の無い獣人族…狼人族の少女。

その狼人族の中でも、銀狼種と言うとても珍しい種類らしい。

そして、レイミィは何故か儂に異様になついておる。


ふむ…てっきり、スーならばレイミィのサボり癖をどうにかできると思っておったんじゃが…

スーでも駄目じゃったか…


「あれ?…ドミニカ様?」

スーが受付の前に居る儂に気が付いた様じゃ

「…えっ!?ドミニカ様!?」

レイミィも慌てて周りをキョロキョロ見回し、儂を発見すると目を輝かせる

「ドミニカ様ぁ!!」

すぐにレイミィはスーの腕から抜け出し、儂に抱き付く

「…すぅー…はぁー…すぅー…はぁー…」

そして、抱き付いたまま大きく深呼吸しておる

…って、おい

「やめんかっ!!」

即座に、レイミィの腹にドスッ!!っと拳を叩き込む

「おっ!?ぐっ…ぅ…おぉぉ…」

いきなり匂いを嗅ぐんじゃない!!

まったく…なぜ、こやつは必ず儂の匂いを嗅ぎに来るのじゃ…


「ドミニカ様、なにか用事ですか?」

腹を押さえて唸ってるレイミィを放置し、スーが代わりに聞いてくる

「うむ、少々気になる事があるんじゃ…」

「分かりました。マスター部屋でお話しましょう」

儂とスーは、そのまま二階のギルドマスターの部屋に歩いていく

もちろん、レイミィは放置

「…ぉぉぉ…待っ…てぇ…置いて…かないでぇ…」



…ギルドマスターの部屋でスーとレイミィの協力を受けつつ、ここ最近の書類を確認している。

ふむ…やはり、盗賊関連が多発しておるな…

しかも、小規模だったり大規模だったり…規模はバラバラじゃ

細かに書きまとめた書類から一旦、目を離す。


この盗賊関連の書類は纏めた後、本部に送るつもりだったらしい

珍しくレイミィが、直々に調べた書類でかなり詳細にまとめられておる。

「レイミィは真面目にやれば、評価高いのになぁ…はぁ…」

スーが呆れ顔で儂の隣で嬉しそうにしているレイミィを見て、ため息を吐く

「だって、めんどーだもん。あと、これはドミニカ様が気にしそうだったからやっただけー。」

レイミィが再び儂に抱き付きながら、スーに言い返す

…儂の前でこの話は無いと思うぞ…。でも、仕事は真面目にやってほしいのぅ…


「それにしても…レイミィはドミニカ様の事、本当に好きだよねぇ…」

「当たり前だよー!!」

書類を整理しつつ、呆れてるスーが呟くと

儂に抱き付いたまま、動かないレイミィが答える。

まぁ、好かれとるのは悪くはないのじゃが…


ちなみに、レイミィは儂の側だとしっかり働く。

問題はぶっ倒れるまで止まらない事

故に、儂の側から離した訳なのじゃが…もしかしてサボり具合あがった…?

このまま、放置は良くないのう…

「うーぬ…やはり、レイミィはリーンと同じ場所のが良かったか…?」

儂がポツリと呟くと、抱き付いているレイミィが固まる

「どっ…どみにか様?それは…だめ…」

ラミィが凄く怯えておる。リーンはレイミィの教育担当したからのぅ

徹底的に恐怖を植え付けて、言う事を聞かせておったからな。

さらに、追撃の一言与えるか

「レイミィよ。余りサボってばっかりじゃと、リーンに報告がするぞ?あやつならこの場所まで喜んで来ると思う」

…あっ。レイミィの目から光が消えた

「おしごとちゃんとやります。だから、ほうこくしないでください。おねがいします…」

少し脅しすぎたか…?


さて、気になった事…。

盗賊関連は、この付近だけでも十件以上。しかも、ここ最近だけで。

頻度が多い…多すぎる…。これは異常じゃな

そして、問題の飛竜関連の報告書。何故か、このギルドに一枚も無い…

普通なら、報告書が本部まで運ばれる過程で複製した書類が必ずあるはずなのじゃが…

本当にあの書類は、誰が提出したのじゃ…?


こうなると、やはり儂が確認に行くしかないようじゃな

まぁ、もしかしたら…と思ってギルドに確認しに来たわけなんじゃけど…。

無い物は無い。しょうがないのじゃ!

「…さて、儂はそろそろ宿に戻るとするかのぅ」

長居するつもりは元々なかったし

マリアが宿で待っておる


「ドミニカ様は今回どちらに行かれるのですか?」

スーが残りの書類を片付けつつ、聞いてくる

まぁ話しても問題ないか…

「飛竜の谷に確認しに行くのじゃ。少し気になる報告書があってのぅ…」

…ん?レイミィがキラキラした目で見ておる…?

「ぼくも行く!」

いきなり何言っとるんじゃ!?

お主一応サブマスターじゃろ!!まして…


「お主には、まだ仕事があるじゃろ!!」

ほれ、スーも何か言わんか!!

儂とレイミィが、同時にスーの方に振り向く

「あー…これは駄目って言っても無理ですね…。聞く耳持ちませんよ…」

スーがすでに諦めておるんじゃけど!?!?

「まぁ、居なくても対して変わらないですし。連れてってあげてください。」

…これ、厄介者押し付けられてない?

はぁ…わかったわかった…

「行き先は、飛竜の谷じゃ。ちゃんと準備して来るんじゃぞ…。儂は宿に居」

「分かりましたー!」

儂の言葉を最後まで聞かず、即座に部屋を飛び出して消えるレイミィ

「あはは…レイミィをよろしくお願いします。ドミニカ様」

「…はぁ…。出発は明日じゃぞ…」

苦笑いのスーと、ため息を吐く儂

これじゃ…気が重いのじゃぁ…



翌朝…

日が上る前に、目が覚める

これは習慣じゃな。気配や物音に敏感にもなるし、自分の安全の為必然的に夜が明ける前に目が覚める様になったのじゃ。…決して、年寄りだからじゃないぞ!!

まぁ、こんなに早く起きてもマリアがまだ寝てるから意味は無いのじゃが…。


さて…マリアだけなら、抱き抱えて飛べば良かったんじゃが…

レイミィが一緒に来るとなると…儂でも二人同時は流石に無理じゃ。

こうなると…とりあえず、儂の異空間の中にでも入れるしかないか…

多少、整理はしとったはず…。でも、しばらく中見てなかったのぅ…

ちょっと、確認する必要あるか…


目を閉じて、魔力を纏う…そして、再び目を開く。

すると…周り一面が平原になり、儂の目の前には巨大な建物だけがある。

相変わらず巨大な屋敷じゃな…。一人で、この大きさは必要ないだろうよ…

とりあえず、中に入るか。


ふむ…。しばらく放置しとったが、埃とかは無いようじゃな。

確か…使用者の魔力が中を循環する為、常に綺麗な状態に保たれるんじゃったか?

儂自体は、倉庫の代わりにしかしとらんから詳しく知らん。

儂が長い間、ギルドから離れるとギルド内が大変になるからのぅ

まぁ武器や防具の倉庫にはぴったりじゃよ。沢山入るし、部屋で分ければ管理も楽じゃしな。


さて、使ってない部屋…

一時的に使えれば良いか。

内装は…簡易的で、テーブルと椅子を用意した即席の客室。

紅茶と菓子でも置いとけば、大人しく待っててくれるはずじゃ。…いや、大人しくしておれよ…。

…あまり、探検とか中漁ったりされると困る。

割りと、武器の中には危ない物とかあるんじゃ…。魔剣とか…


さて、とりあえず準備はできたし戻るかのぅ

再び…目を閉じ、魔力を操る

「ほぇー…急にドミニカさん現れたぁ…!?」

目を開けると、今起きたであろうマリアが目の前で呆然としてる

多分、ルーファが現れる時みたいな感じで儂が現れたんじゃろうか…?

って、マリアはそんな事知らんか。

まだ、マリアはぽけーっと儂を見てるし

とりあえず、頭を撫でて誤魔化しとくかの。説明面倒じゃし


「ドミニカ様ぁー!ここですかぁー?」

うん?ドタドタと部屋の前が騒がしいな?

…ん?この声は…

部屋の扉が勢い良く開く。…いや、まだ入って良いと言っとらんぞ…この駄犬

「…まだ許可しとらんぞ?レイミィ」

気にせず部屋に入ってくるレイミィが儂の言葉で、あっ…しまった!?っとした顔をする

「親しき中にも礼儀あり…。儂、散々教えたはずじゃよな?」

儂、笑顔でレイミィを見る

「あわわ…ご、ごめんなさーい!?」

…なんで、そんな怯えるんじゃ?まだ何もしとらんぞ…?

はぁ…もう怒る気も失せたわい


儂の顔色を伺いつつ、レイミィは儂の隣に来る

顔色伺うんなら、無理矢理部屋にはいるな!と言うか、鍵どうやって開けたんじゃ!?全く…。

「…ドミニカさん、この人は?」

一部始終黙って見ていたマリアがやっと喋る。

「んー?…すんすん…。この子も良い匂いする…?ドミニカ様に近い様な…でも違う…?…すんすん…」

隣に居たレイミィが、マリアの近くに行くと体中の匂いを嗅ぎだす

「…え?あの…ちょ…」

流石に、マリアも困惑した表情で儂に助けを求めてる

これは、流石に止めるか


「初対面で、それは駄目じゃっ!!」

レイミィの脳天にチョップを叩き込む

「…すんす…あだっ!?」

頭を抱えて丸くなるレイミィ

「…あの…大丈夫ですか?」

マリアが丸くなってるレイミィを優しく撫でてる

優しいのう…マリア

でも、ほっといても大丈夫じゃよ。こやつは…

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