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天使姉妹の異世界旅  作者: kaito
一章、王国編
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七十八 小さな洞窟

集中し、魔法をかけ続けて数分…

そろそろ…うん、もう大丈夫ぽいかな?

リルューさんの石化を含む治療は、ほぼ終わったね

でも、この魔法は軽い気持ちで使えない。治療中、ずっと魔力を消費し続けるのはやっぱり辛い…


「…?ん…痛み…が…?」

リルューさんはゆっくり背を起こし、石化していた所を触って確かめる

その後、呆然としたお顔で私を見る

「治療は終わったよ。」

「…ありがとう」

私がにこりと笑うと、呆然としてたリルューさんは大粒の涙を流した後、私に笑顔を返す。


…さて、後ろがざわざわ騒がしくなってきたねぇ。

私が退くと、その場に居た全員がリルューさんの前に …

いや、他を押し退けて厳ついリザードマンさんが一番最初に前に現れた。


「リルュー姉!良かった…」

あっ…厳ついお顔のリザードマンさん、涙流してる。

これは、兄弟説確定だねぇ。

「リリュー…。心配…かけたな…」

リルュー族長さんもうれしそうにしてる。

んじゃぁ、私はこの場に居てもあれだし…

少しこの場から離れて、お散歩でもしてようかな?


そーっと、お部屋から抜け出して…っと

誰も…気付いてないよね?

「…ふむ…」

…あれ?リルューさん…今、チラッてこっち見てなかった?

…気のせいだよね!うん。


って、このままだと目立ちゃうよね

人化しないとー…って、人族の姿でも目立つか…。

でも、本来の天使の姿より人族の姿の方が目立たないよね…?

…よし、人化したし。それじゃ、村の中でも探検しよーっと


さて…色々と見て回ろうと思ったけど…。

よくよく考えたら、担がれたまま連れ回されてたんだよね

うん、つまり…私が歩いててもそこまで警戒されないし、見て回る場所も特に無い

まぁ見た目が小娘だから、ぶっちゃけ最初から危険と思われてないかもしれないけど…


んー…とりあえず、村の中はお祭り騒ぎ

村の中央でコカトリスの体を捌いて、肉を焼いてる。

見た目、鶏だからやっぱり鶏肉なのかな?

すごく気になる…。


…おや?

ふらふらと村の中を歩き回ってると、壁沿いに小さな洞窟を見つけた

…あれ?こんな洞窟あったっけ?

あー、族長の大きな建物が、大きな壁みたいになって見えなくなってるのか…。

私、見逃したのかな?んー…?

まぁいいや、入ってみよーっと


んあっ!?入った瞬間ぴりっと何か抜けた…何か張られてた!?

…なんともない。

とりあえず、先に行ってみよう…


少し進むと、次第に周りが魔力溜まりの瘴気で包まれる

私の体に瘴気が触れると瘴気の方が消滅してるけど…。

人族とかなら耐えられない位の魔力瘴気だね、これ

とりあえず、私は大丈夫だし無視して進もう


しばらく歩き…

やっと、瘴気の無い場所に着いた。

ここまで、洞窟自体は一本道で複雑ではなかった

まぁ、瘴気のせいで普通は入れないとは思うけど…


さて、この先にはなにがあるのかな?

…ふむ、少し広い空間だね…。中央に台座がある。

ん?台座の上に赤い玉が置かれてる


…あれ?なんでだろう…

あの玉…凄く気になる…

ふらふらと、私は中央の台座に引き寄せられる


台座の上には、赤い玉…宝玉?が置かれている

この宝玉、中で黒赤い魔力が渦を巻いてる…


そっと手を伸ばして取ろうとした瞬間、私の頭の中でバチンッと何かが弾かれた

…痛ったぁ。咄嗟に両手で頭をおさえる


…あれ?さっきまで、あの宝玉凄く気になってたのに…そうでもなくなった…?

うーん…改めて見てみると、この宝玉…凄く不気味だね。なんでこれ気になったのかな?

ん?…中の黒赤い魔力が少し弱まった様な気がする…?

さっきまで激しく渦巻いてたのに、弱々しくなってる


とりあえず、この宝玉どうしようか…?

なんか触りたくない。

さっきまでの感じ的にも、触ったらやばそうだし

でも、このまま置いとくのもなんか…ねぇ


“ちょっと…体少し借りるね…”

…ん?あれ…右手が…

勝手に動く…。って、待って!?勝手に宝玉触んないで!?!?

…あれ?…なん…ともない…?

右手が宝玉を掴んでるけど…。


“…これは…私が預かるね…”

そして…右手は宝玉を、掴んだまま消滅させた

うん、きえた。私の右手が勝手に何かした。

宝玉…無くなっちゃった…けど、大丈夫だよね?


と…とりあえず、もう何も無いし

も、戻ろっとー。


来た道を戻り、小さな洞窟を出る…

いやぁ、瘴気も消えてて戻るのは楽だったねぇ…

…んあ!?洞窟から出たら、洞窟の入口が消えてる!?!?

…どうなってんの?これ


「こんな所でなにしてる?」

私が洞窟の消失に驚いてると、後ろから声かけられた

振り向き、声の主を見る

「リルューさんだ、…もう歩いて平気なの?」

「見ての通り、妾はだいぶ良くなった。」

リルューさん、もう動いて平気なのか…

竜人ってすごいね。もう全然弱々しくないし、最初の雰囲気は何処に行ったの?

「…で、なにしてる?」

おっと、若干圧を感じる

「んー…お散歩?」

とりあえず、誤魔化しとこう。そうしよう

「…嘘」

あっ、すぐにバレた。

「まぁ、良い。…ちょっと用があるから、ついてきなさい」

あっ。深くは詮索しないんですね

ついていきます。はい


って、訳で

リルューさんに連れられて、村から出る。…出る?


しばらく、沼地を歩き…急に止まる。

リルューさん、周りをキョロキョロと見回してる

…何か探してるの?

「…む、見つけた」

リルューさん、呟くと同時に消える。おお、速い

ん?私は勿論、目で追えてるよ?


凄い速度で、木々の合間に飛び込むリルューさん

「うおっ!?」

…ん?聞き覚えがある声…

木々の合間から、リルューさんが出てくる

うん、担がれてるのおじさん冒険者。

なんで、ここにいるの?


「捕まえた…が、…知り合いか?」

「うん。一応、知り合いです」

一緒に沼地に来たんだから、知り合いだよね?

「そうか。…そう言えば、コカトリスが現れてから人族を何人か保護していたな。」

…保護?

「元々、妾が族長になってからは人族を襲う事はしてない。襲われたら撃退してただけで、妾も別に他種を嫌ってる訳ではないし。…あの爺どもは知らんが…」

リルューさん、私に言いながらおじさんを下ろす

…おじさん、目が点だよ?

多分…私を助ける為にリザードマンを追い掛けてたら、竜人に捕まるとか想定外だよね。うん

「ふむ、人族の言葉で話しているが…通じてるか?」

おん?私からすると、全部同じ様に感じるから分かんないね

「…あ、あぁ」

…おじさん、頷いてる。逆らえないと判断したね


「通じてるか。なら、保護している他の人族を連れて帰ってくれ。ずっとは置いとけんし、爺どもがうるさくて…たまらん」

リルューさんはおじさんに言うと、何故か私を抱き上げる

うん、想定外。いきなり抱き上げられたよ

私はぬいぐるみか何かですか?


そのまま、村に向かって歩きだすリルューさん

おじさんも後に続く

私?もう抵抗する気もないです。


そのまま、村に戻り

私が最初に入れられた建物の隣へ向かう…

一応、あの建物は保護した人族用の建物らしい

私は一時的に案内されただけか…。族長の為に連れてきたっぽいし


流石に、人族用の建物にはリザードマンの戦士達が監視をしてるね

「お前達、人族の様子は?」

リルューさん、気にせず戦士達に話しかける

「っ!?族長、体の具合は!?」

「と、言うか…その人族の娘は?」

あー、ずっと監視してるから私を知らないのか

「この娘は気にするな。それで、中の人族は?」

私の事は置いとくんですか…

「十人全員います。怪我や病人もいません」

「まだ、我々の事は警戒されてますが…」

十人もいるの?多いね

「十人全員居るのか!?」

黙ってたおじさんが反応する


「ん?確かに、保護したの十人だったな」

リルューさん、おじさんをチラッと見てから呟く

「…行方不明の冒険者…全員…はぁ…」

おじさん?どしたのー?…ため息吐いてる

「とりあえず…入るか」

扉を開けるリルューさん

全く警戒してない。まぁ…リルューさんのステータスなら人族の不意討ちなんて、大したこと無いだろうけど


さて、中は…

四人、三人、三人で固まってる

皆、冒険者だね。…一人も武器持ってない。武器は取り上げられてるのかな?けど、防具でわかるね

そして、一斉にこっちを見る

訂正、私見てる

まぁ、ぬいぐるみ扱いの私を見ればそういう反応するよね


とりあえず、冒険者達を観察しよ

まず四人は男二人、女二人のパーティー。

次は三人の男二人、女一人のパーティー。

最後は女だけの三人パーティー

で、最後のパーティーだけ割りと若い子だけ


「お前ら…」

おじさん皆を見て…呆れ半分、安心半分の複雑なお顔してる

「「「ゾイさん!?!?」」」

若い子のパーティーが最初に反応する

その声に、他のパーティーの視線が一斉におじさんに向く

…おじさんって有名な人だったの?

全員でおじさんに集まってるけど、全員がおじさんの事を尊敬してるっぽいね

んー、私からしたらおじさんはおじさんなんだけど…


「これで、人族は問題ないだろうな。」

リルューさんが呟いてる

このまま解放する気なのかな?

「このまま解放は、割りと危険だと思うよ?」

十人近くで沼地は危ないよ

「そうか?なら、護衛…リザードマンだと怖がるか…」

「私は無理だよ。帰んないと怒られる」

暗くなる前に戻んないと、絶対に恵が怒る。

「そうなると…。妾しか居ないか…」

リルューさんしか護衛できる人は居ないね


「…はぁ…妾は…あんまり沼地とか行きたくないの…汚れちゃうし…。っと、何でもない!!」

ん?今のは…リルューさん?

「…。」

顔そらしてもバレてるよ

「…はぁ…妾は、元々戦士じゃ無かったの。雌だし…。たまたま、竜人になっちゃったから流れで族長やってるだけ…。一応、頭が継承する双槍術は妾が継承したけど…。妾はどっちかって言うと、静かに暮らしていたい」

リルューさん、ぼそぼそと私に呟いてる

こっちの方がリルューさんの素みたいだね


「…まぁ、族長はやらないといけないから仕方ないけど。一番強いの妾だから…。そう、だから弱気なのは不味い」

再び、キリッと表情を変えるリルューさん

「あんまり、無理しちゃ駄目だよ?」

私がリルューさんを心配すると、リルューさんは優しい笑顔を見せる


「…この件は、あのハイエルフに報告しないといけないか…」

ん?ハイエルフ?

こっちは、素で呟いただけ見たい


と、まぁそんなこんな

人族の護衛にリルューさんがついていく事が決定した

リザードマン達が反対するかなー?って思ったけど、リルューさんの強さを一番知ってるから反対は誰一人出なかった


さて…おじさんに率いられて、人族全員とリルューさんがリザードマンの村を離れたし…

私も、そろそろ戻んないとやばいかなー。

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