六十八 大きくなったきゅう
きゅうはリーナさんに撫でられて嬉しそうにしてる
大きくなってもきゅうの人懐っこいのは健在だね
ん?…胸元に一段と目立つ白銀の鱗がある…。あれ…逆立ってるし、逆鱗かな?
近くまで、見に行こっと!
「がぅ?」
きゅうがなあに?ってこっち見てるけど…私はこの鱗が気になるの
近くで見ると、光輝いてる…綺麗な白銀色の逆鱗だね。
凄く綺麗だねぇ…つんつん。
指先でつんつんしてるけど、きゅうは最初にチラッと見ただけで特になにも反応しなかったよ?
あっ!そうだ。この状態のきゅうはステータス変わってるのかな?
とりあえず、観てみよっと
きゅう
上位古白龍
古龍(幼体)種
ヒカリの従魔
Lv5〈成体化状態〉
ステータス
HP 88000 MP 35000
力 6600 魔力 4000
素早さ 3700 知力 800
運 150
スキル
〔ヒカリの従魔〕大天使の加護(中) 古龍の覇気 龍の守護 龍の本能 白龍の逆鱗 魔力操作 肉体強化 成体化
魔法
光魔法Lv8 火魔法Lv7 水魔法Lv3 風魔法Lv1
龍スキル
ドラゴンブレスLv5 龍の爪Lv5 龍の牙Lv4 龍の咆哮Lv8 龍の威圧Lv10 龍の守りLv8
E従魔リング
大きくなったのって…成体化ってスキルの効果かぁ…
魔力を消費し続ける代わりに、一時的に成体の龍になれるんだねぇ
で、ステータスはっと…
…HPすっごく高くない?私達より高いよこれ
他のステータスもかなり高いね。力なんて、私じゃ勝てないレベルだよー
そっかぁ。私達と同じ位まで強くなれるんだねぇ…
後…従魔リング。メアがきゅうを連れていったのは従魔リング買いに行ったからか、私と一緒だと買いに行けないと判断したんだろうな…。しょぼん…
…って、あれ?…待って、この素早さなら猿にすぐ追い付いたよね?
なんで、あんなに時間かかってたの?もしかして…遊んでた?
後、気になるのは…白龍の逆鱗?
…逆鱗?胸元にある逆立ってる白銀の鱗だよね?私さっき気になって軽く触ってたよ?
えーっと…。なになに…?
白龍の逆鱗…白龍の胸元にある逆立った白銀の鱗。龍種が他者に触れる事を極端に嫌がる逆鱗、それは白龍も変わらない。
他者に触れられると怒り狂い、手当たり次第全てを破壊するだろう
仮に逆鱗に触れられるとしたら…最も信頼している相手のみ許される
スキルとしての逆鱗は…逆鱗に溜め込まれた魔力を解放し、理性を犠牲に全ての力を解放する奥の手。
…え?私…さっき触っちゃったよ?きゅうも、特に気にしてなかったみたいだったけど…怒ってないよね?
チラッときゅうを見てみる
「あっ!逆鱗!」
「がぅ!?」
「やっぱり逆鱗だ!見せて!!」
「ぎゃぅ!!」
「触んないから!」
「ぎゃぅぅぅぅぅ!!!!」
…きゅうはエヴァさんとバトってる。逆鱗を見たいエヴァさんと逆鱗を必死に隠すきゅうの攻防。
そっか…見られるのも嫌なんだ…。気軽く触ってごめんね…
「白龍…龍種…しかも…変異個体って…あはは…夢か…痛い…」
ベテランさん、頬をつねってる
残念だけど、夢じゃない現実です
後、きゅうはいい子だから。無差別に襲ったりしないから大丈夫だよ
「ウッキィー!!」
あっ…血色猿!ごめん忘れてた
「キィー!!ウッキィー!!!!」
木の上でめっちゃプンプンしてる
大層にご立腹だよ。ごめんね
「…がぅ?」
きゅう、冷たい目で見ないであげて…
地面に尻尾をベシンベシンってしてる…。きゅうちゃん…もしかして、ちょっと不機嫌になった?
「キィー!!」
血色猿が木の上から飛び降りて、きゅうに鋭い爪で引っ掻く
しかし…鱗に阻まれて、きゅうには傷一つ出来てない。
「…。」
きゅうは変わらず冷たい目で見てる。まるで、虫けらを見てるみたい。
…って、周り見たら灰色猿一匹も居ないんだけど…
あれ?何処行った?血色猿のお供じゃないの?もしかして…逃げた?
「きゅうちゃん…この姿だとランクS++位ありそうね。討伐隊組むとしたら大隊でも、えらいことになりそう…」
リーナさん…きゅうを討伐対象として見ないで…
「あっ…ヒカリさん、悲しい顔しないで。例えばの話よ」
例えば、でも嫌だなぁ…きゅうは私の従魔だもん…
「…いや、SS以上はありそう。まず鱗が生半可な物だと貫けない。…それに、きゅうはまだ反撃を一切してない」
エヴァさん、鱗に興味津々。そう言えば、きゅう全く反撃してないね
「きゅうー、反撃しないの?」
試しに、私から言ってみる
「…がぅ?」
「うん。良いよー!やっちゃってー!!」
きゅうはこくんと頷くと、きゅうの体を引っ掻いてる血色猿に向きなおす
そして、右手で血色猿をおもむろに掴むと…じっと見る。…あれって、もしかして威圧与えてる?血色猿がすっごく怯えてるんだけど…
そして、怯えてる血色猿に飽きたのかきゅうは、捨てるように勢い良く放り投げる!
うわぁ…きゅうちゃん、容赦ない…
投げられた血色猿…かなり遠くまで、ぶっ飛んだよ…。木々をまとめて薙ぎ倒してやっと止まった
うへっ…ピクピクしてるよ…。辛うじて、生きてる?
「…がぅ!」
血色猿の前まで行ったきゅうは、少し考えてから血色猿を爪で挟み持ち上げる
…血色猿、もう虫の息だよ…どうするのそれ?
「がぅん」
…え?私の前に血色猿を持って来た?
私にくれるの?ありがと。お顔撫でてあげるね
「手柄あげる従魔って…きゅうちゃん、いい子過ぎない?」
「従魔が…手柄あげるなんて聞いたことない…」
「…。」
リーナさん、エヴァさん驚いてるね。って…ベテランさんはもう思考放棄してない…?
「…おー。…大きく…なってる」
森の奥から、メアがとことこ歩いてやって来る
どうやら…逃げた灰色猿を追いかけて、さらに森の奥に入っていたらしい
「がぅん」
「…でも…次は…勝手に…追い…かけちゃ…駄目!」
「ぎゃぅ…」
メアに怒られたきゅうが、しょんぼりしてる
でも、勝手に追いかけたんだから怒れて当然だよー
「うわ!?白いドラゴン!?!?」
「…馬鹿野郎…声大きい」
「わぁー…綺麗…」
三人…木々の隙間からこっち見てる。…ってミリアちゃん?
なんで、ミリアちゃんは怖がる事なくきゅうに向かって歩いて行くの?
「…ねぇ…なに…してるの?」
メアからしても、そうだよね
「…鱗…剥がしちゃ…駄目…だよ?」
メアが、ミリアちゃんときゅうの間に入る
うん、メアが心配する理由分かるよ…雰囲気がエヴァさんにそっくりだったもん…
「白くて綺麗…」
ミリアちゃんはメアを相手にせず、夢中できゅうの鱗を触ってる
きゅうが少し涙目でこっち見てる…。だ…大丈夫。剥がさないよ!…多分…
「ミ…ミリア大丈夫?」
「…ミリア…お前凄い…」
その様子を少年二人が距離を維持しながら見てる
で、この血色猿どうしよ?ピクピクしてるから死んでないよね
それに、私には解体なんて無理だよー…
「ヒカリさん、早く止め刺さないと起きちゃうわよ?」
「あっ…」
リーナさん、素早く短剣で一撃入れる
すると、血色猿がビクッと大きく痙攣した後動かなくなる
止め刺されちゃった…解体…どうしよ…
「…はぁ…もぅ…。解体もやってあげるわよ。」
血色猿の亡骸の前で呆然としてる私に、リーナさんため息吐いてるし…
だってー。そんな事やったことないもん
仮にやってたとしても、絶対に恵がやってるし…。ポンコツで悪かったねぇ!
リーナさんが解体やってくれてる合間、周りの様子でも観察してるかな。
んーっと、きゅうの周りに四人…いや、五人か…
ミリアちゃんはきゅうの鱗を触ってる。それをメアが監視してる
その様子を心配そうに少年二人が見てる。
残りの一人は、エヴァさん。いつの間にか、尻尾を触ってるよ
そして、きゅうが助けて…って私を見つめてる。
…で、ベテランさん。いつまで私の横で呆けてるの…?
さて、用事も済んだ事だし。そろそろ街に戻ろう
辺りも、だいぶ暗くなってきた。真っ暗になる前に、森から出た方がよさそう
リーナさん、解体そろそろ終わりそうだし。終わったら帰ろうか
「…ん。…そろそろ…帰る?」
ん?メアこっち来てたの?
「…あれ。」
メアの指した先を見る
…エヴァさんがまた逆鱗見せろ攻撃やってる。懲りないね
「ぎゃう!!」
「ちょっとだけ!」
「ぎゃーう!!!」
「逆鱗見せてよーきゅうちゃん!」
「!?ぎゃうん!!」
まさかの、ミリアちゃん…参戦
きゅう、二対一で絶対絶命か…!?…って、メアそんな呆れた顔しないで…
「…きゅうの逆鱗…綺麗だね」
あっ、メアには見せてくれたんだね。…基準がわかんないなぁ
まぁ触らないなら見せてくれるのかな?
エヴァさんとミリアちゃんは…うん。
「ふぅ…終わったわ」
おっ?解体終わったらしい
「はい。これ」
解体した素材…皮はわかるけど…。この袋の…これ内臓?
「魔物の内臓は錬金術の素材なんかになるから高く売れるわよ?」
ほぅ…。そうなのか。
「んー、じゃあ…。リーナさんの分ね。はい」
そのまま、そっくり返します。気持ち悪いから…いらない
「えぇ…。かなり良い値段するわよこれ…」
でも、いらないかなー。気持ち悪いし
「そう…。なら貰うわね」
リーナさん、やっと受け取ってくれたよ。
「お…おう、そろそろ帰還するぞ…。」
ベテランさんやっと動き出した。
「合格ですか!?」
「…グレイモンキーなら…だいぶ狩った」
「メアちゃん居なかったら詰んでたの忘れてない…?」
この三人合格するの…?これで良いの?大丈夫?
『ヒカリさん、この三人どう思います?』
リーナさん…うーん、そうだねぇ…
『まだ駄目、未熟すぎ』
エヴァさんは容赦なしのお答え
『準備不足、警戒不足、判断遅い、他人に頼りすぎ…不満点は沢山あるね。』
私が思うのはこれくらいかな?…え?全部、私に当てはまる?…しーらない
『そうよね…。私も今回は不合格だと思うわ。まず、準備不足は論外。』
『後、戦い方学び直せ』
エヴァさんの一言の一撃が凄く重い…
『確かにあれはないわね…』
剣士組と斥候のやってる事が、逆になるとか普通なら無いもんねぇ…
「…でも…遠距離…いれれば…少し良くなる」
おん?今回組んだメア的にはありだったの?
「…剣士組は…遠距離…守るから…割りと…あり」
あっ…そっか!そう言えば、盗賊の砦の時もしっかり私の前で盾の役割してたね。少年達
彼らに足りないのは遠距離のメンバーか…。でも、メアはあげないからね?




