六十七 グレイモンキー討伐戦
恵へのお話は、今は置いておいて
これから、どうするのか…だよね
私としては、ワンピース探したい所なんだけど…迷惑かける訳にはいかないよね
とりあえず、探索魔法で探してみようかな…
んー…私の天使のワンピース…。ん?…赤い点と青い点が、もの凄い速さで追いかけっこしてる…
この赤い点が私のワンピース持ってる…?
…え?私のワンピース…魔物に盗まれてたのぉ!?!?
青い点って…もしかして、きゅう?
私のワンピースに気付いて、怒って追いかけてるのかな?
うーん…だけど、あの速度だと私達じゃ追い付けないね。
天使の姿なら追い付けるけど。
仕方ない…ワンピースはきゅうに任せておこうかな…
皆で灰色猿の縄張りまで、歩きながら話してる
「で…貴方達、結局どうするの?一応、私とエヴァは即席でもベテランと判断されるから、このまま試験続けても問題ないわよ?」
それ、私は入ってないんだね
え?試験官は私には無理?ですよねー
「僕はやります!」
「…やる」
「師匠のお姉さんの前で、恥ずかしい姿は見せれません!」
ミリアちゃんだけ意気込みが少し違うよ?
「…けど…グレイモンキー…相手だと…相性悪い?」
メアの指摘…。確かに…長剣の剣士、両手半剣の剣士、短剣の斥候
あっ!…あげた鋼鉄の両手半剣ちゃんと使ってるねぇ。うんうん
しかし…このメンバーだと遠距離が居ないね。
灰色猿は先制攻撃が必要なんだし…
まず、編成失敗してないこれ?
「そうね…なんで遠距離が一人もいないかしら?」
「すまん…。装備は個々に任せた…」
「つまり、試験官の不届き」
ベテランさん、小さくなってる。二人共容赦ないねぇ
「でも、これどうするの?このままだと私達の二の舞になるしかないよ?」
私達は不意討ちみたいな感じだったけどね
「…はい。」
メア、考えあるの?
「メアちゃん、なにか考えがあるのかしら?」
「…ん。…メア…協力する。…代わりに…ギルドカード…ください」
あー。そう言えば、メアは年齢的にまだ持てないのか
「…駄目?」
メアがうるうる目で、見つめてくる。…って、なんで私!?
「あー…そうだなぁ…」
「そうねぇ…」
「うーん…」
これは答えられないよね。そんな権利ないもんね冒険者には…
あっ!?だから…私なのか…!!
ドミニカさんに連絡すれば簡単に許可取れるもん。私達なら
「んー…わかった。手紙で、ドミニカさんに聞いてみるよ。」
メア、私のお答えで目がきらきらになる
そんなにギルドカード欲しかったの…?
て、訳で
グレイモンキーを討伐するメンバーは…
少年二人…ルイン、アルディ
少女二人…ミリア、メア
に決定。
ちなみに、ブラックモンキーがいた場合
ベテラン勢も戦闘に参加するんだって
…私?私は見てるだけ。そんなに速く動けないよ…。マントが脱げちゃうから。このマント、すっごいぶかぶかなの。リーナさんと私じゃ背丈が違いすぎるからね
ん?固定砲台ならやれる?ソウダネー
後ね…さっきから、地味に男三人の視線がウザイ。
ちらっちらって、見て来るなし…
見せたくてこんな格好してる訳じゃないんだよー…くそぅ…
リーナさんとエヴァさんが背で私を隠してくれてるけど、あんまり意味なかったよ
「…。ブラッドモンキーじゃ無ければ良いけど…」
…エヴァさんがポツリと呟く。ブラッドモンキー?血色猿…?
「突然変異したブラックモンキーの特殊個体。血のように赤い体、赤い目をしてる。凄く危険でランクがBまであがる。正直、私達でも部が悪い…。」
ほう…。あの熊さんと同じ種類のユニーク個体なのかな?突然変異かぁ…
「エヴァ…それは心配しすぎよ。突然変異個体がそんな簡単に生まれるはずが無いわ」
「物事は常に最悪を想定する。冒険者の基本」
「そうだけど…」
ふむ…エヴァさんは血色猿の事が不安、リーナさんは心配しすぎだと思うと…
さて、そんな二人の予想はひとまず置いておいて
どうやら、灰色猿の縄張りに侵入したらしい。
探索魔法で索敵してたら、赤い点が一杯…
「…〈ウォーターボール〉」
…メアも索敵してたのかな?すでに魔法の展開してる。姿を見せたら放つつもりらしい
…ん?なんか嫌な魔力感じる…。灰色猿の群れの奥からだ…
もしかして…血色猿いるの…?
いたら、私サボってる訳にはいかないよね…。もしかしたら、本気出さないといけなくなる…かもしれないし
おや?メアが木の上をじっと見てる…?
「…えい。」
メアが誰よりも早く水玉を偵察に来ていた灰色猿にぶち当てる
「ウキャ!?」
衝撃で木の上から落ちてくる灰色猿
「てやぁー!」
「キィ…」
そして、すぐさま止めを刺すルイン
「ウッキー!?」
「ウッキーキー!」
「ウキー!!」
周りに集まり騒ぐ灰色猿達…でも私達の時と様子が違うね
手に腐った物持ってない
ただ、逃げる様子も無い
「な…なんだ!?」
「…やる気みたいだ」
「うわぁ…凄い沢山いるね…」
ミリアちゃんが少し弱気になってる…
無理もない…索敵で数えても、ざっと三十匹近くいる
そんな数に囲まれてるんだもん怖いよね
でも、私の近くには一匹も居ない。…なんで?
ベテランさん、リーナさん、エヴァさんにはそれなりに警戒されてるのに…
まぁ私は楽だし、良っかー
んー、それにしても…黒色猿が居ないね…?
まだ嫌な魔力は感じるけど…てか、この魔力の感じ…私を警戒でもしてるの?
おっと、考え事より戦闘見てないとね
四人が戦ってるんだし
とは、言っても木の上にいる灰色猿はメアに水玉で撃ち落とされてから、剣士組に止め刺されてるし
そのまま向かってくる灰色猿には、短剣のミリアちゃんが素早く処理してる…。
あれ?これ剣士組とミリアちゃん、やってる事逆じゃない?
なんで、剣士組が正面から来る灰色猿を相手しないの?後、ミリアちゃんはどちらかと言えば、止め担当じゃないの?
どうなってんの?この三人…
「なんで…剣士と斥候のやる事が逆になるのよ…?」
「なにあれ…ふざけてる?」
「…はぁ。またか…」
ベテランさん…また?もしかして…
「こいつら、剣士組は臆病で慎重。それに比べて、斥候のミリアはなぜか優先して全線に立ちたがる…真逆な事するんだよ…」
あぁ…そう言えば、盗賊の砦の時にそんな違和感少し感じてた
少年達は私が居たら、前に出たけど…。それまでずっと防戦してたし
ミリアちゃんは、恵を師匠にしたがる位だもんね…
「うわぁ…。なにそれ…」
「バランス悪い」
「頭脳派の遠距離が欲しいね。メアみたいなの。…でも、メアはあげないよ?」
三人共にうんうんと頷いてる
だって、メアは…木の上から落とす。ミリアの援護。剣士組に近付く灰色猿に牽制。とほぼ全てやってる
むしろ、完璧すぎるよ?本来なら数人いなきゃ出来ないからね?
「メアちゃんは、流石にヒカリさんのお供なだけあるわね」
「あれ位、出来ないと存在が霞む」
「えぇ…私の仲間は凄腕しかだめなの…?」
普通枠のラヴィさんは霞まないよ!むしろ目立ってる!
…え?ラヴィさんも割りと普通じゃない…?
…って!?なんか木の上に居る!?
なにあれ…赤い体で赤い目の猿が遠くの木の上からこっち見てる
目が赤く光ってて不気味…
「私をガン見してる?」
灰色猿居なかったのって、これが原因?
「う…うそ…」
「最悪の展開」
「…生き延びる事を優先するぞ…」
すでに、ベテラン勢は敗北の雰囲気を晒してます
まぁ血色猿だもんね、どう見ても。
めっちゃ私をガン見してる…でも、オークキングの時とは雰囲気が違う。私を警戒してるっぽいんだよねぇ
「がうぅぅぅぅぅぅん」
…おや?急に空が暗く…え?ちょっ!?な…
「わぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
真上から白い巨体が降ってきた!?
そして、ドッシーンって地面揺れる。
「がぅ」
「あっ…生きてる…?」
ビックリした…潰されると思って、尻餅ついちゃったよ…
って、なにこの白い龍…?
「がぅぅん」
めっちゃ頬すりすりしてくる。もしかして…
「きゅうなの?」
「がぅん」
やっぱり…!!なんで大きくなってるの!?!?
「がぅ?」
あっ…うん、知らないよね
「がぅぅん」
きゅうが口を私の前に持ってくる。なにか咥えてる?それって…
「私のワンピース!!」
取り返してくれたんだねぇ
「ありがとぅ…」
「がぅ!」
きゅうのお顔を撫でてから、急いでワンピースを着ようっと…
翼まで使って私を隠してくれてるから安心だよぅ
めっちゃくちゃ良い子だよ…この子…
「ヒカリさーん!?大丈夫!!」
「白龍…」
「なんだ…これは…」
ベテラン勢が困惑してる…。いや、エヴァさんは多分、気付いてる…。
でも…とりあえず、無事なのは言っとかないとね
「大丈夫。この子従魔。」
「えっ…あの白龍なの!?」
「やっぱり」
「……。」
リーナさん、エヴァさんは予想通り。ベテランさん…貴方、魂抜けてない?
「がぅん!」
「凄く…大きくなったわね」
リーナさんはきゅうのお顔を撫でて、エヴァさんは黙って鱗を触ってる…剥がさないでよ?
それにしても…なんで大きくなったんだろうね…?




