六十一 左目
やっとお部屋の入口に辿り着いた。
魔物残骸が多過ぎて一苦労だよ
さて…ラヴィさんは…
「ちょっと!?放しなさいよぉ!!」
ふむ…オークジェネラルに小さい少女…妖精さんかな?
妖精さんは必死にオークジェネラルの手を叩いてる
「姉さん!あれまずい」
恵が先に駆け出す
オークジェネラルの手の中…虚ろな目のラヴィさんが握られてる…
えぇ…早く助けないと…!?…ん?
ラヴィさん…何か…警告してる?
「ヒ……リ…さん…駄…です…オー…ジェ…ラル…なに…おか…グゥッ!?」
ラヴィさん何か伝えようとしてたけど…オークジェネラルに握り締められて止められた
「ラヴィさんを放せ!」
すぐさま、恵が黒刀でラヴィさんを握ってる右腕を狙って斬りつける
…え?
「なっ!?」
左腕で受け止めるって…
そのまま、左腕でなぎ払らわれる恵
「ぐっ!?…がふっ」
吹き飛ばされてそのまま、壁にぶつかり恵は倒れた
恵っ!?な…なにあれ?強すぎない…
「ちょっと!?あんた大丈夫!?」
オークジェネラルの手を叩いてた精霊さん、恵の方に飛んで行く
待って…オークキングでも私達倒せたのに
オークジェネラルがなんでこんなに強いの?
恵が起き上がらない…気絶したのかな?
心配だけど…オークジェネラルと距離があるし…まだ大丈夫
今はラヴィさん優先!
オークジェネラルに握り締められて意識が無くなったみたいだし
早く助けないと…
でも…なんだろう…
何か嫌な感じが…
そうだ…オークジェネラルのステータスまず観よう
「…あれ?」
天使の瞳が発動しない…?
…なんで!?
今まで発動しない事はなかったのに!?!?
ちょっと待って…冷静になろう
恵を吹き飛ばせるって事は、能力が私達に近いって事?
そして、右手の中にはラヴィさん…
うん、魔法は駄目だ。ラヴィさんに当たる可能性がある
近接…恵より劣ってる私でなんとかなる?
無理だよねぇ…
「グガァァァ!」
ちょっ!?まだ考えてるのに!
オークジェネラルが痺れを切らしたっぽい
左手で落ちてる鉄柱を拾い、私に向かって振り回し始める
待って待って!危ないから!!
「ちょっ、振り回さないでー!?」
私は受け流しとか出来ないんだからー。
でも、ラヴィさんは手放さないんだね…
右手にラヴィさんをずっと握ってるまま
んー…避けるので精一杯、攻撃なんて出来ないよ
このままだと、じり貧だー…
誰か助けてー。私じゃどうしようもないよぅ
“手を貸しましょうか?”
ふぇ?誰!?
いや、誰でも良いや。助けてくれるならお願い!
“じゃあ体借りますね。少し痛みあると思いますが、我慢してください”
…え?
ズキンッ…
痛っ!?なに…?急に…左目が…
えっ!?左目から血が流れてる…
ちょ…左目が焼けるように痛い!!めっちゃ痛い!!
しかも片目この状態で、オークジェネラルは攻撃止めてくれるわけもないし…
余計に辛くなった!?
あ…左目の痛み無くなっ…あ…れ…?
感…覚…なく…な…
「やっと適合しましたか…。ふむ…天使の体とやらも中々ですね」
あれー?なんかぼんやりしながら自分自身を見てる?
ここどこ?私確か…
「なるほど…確かにこれなら少しは耐えられますね。**が気にいるのも納得です」
**って誰ー?
駄目だ…夢心地で認識が曖昧になってるみたい
「さて…約束通りに助けますか。あの兎さん」
おお…すたすたとオークジェネラルに歩いて行く私
自分を見てるってなんか新鮮な気分
「その子は返してくださいね。豚さん」
「グガァァァァァァ!?!?」
うわぁ…私がオークジェネラルの右腕をと引き千切った…
あれ本当に私?
私にあんな力ないよ。絶対無理だよー
「兎さん、弱ってますね。癒しときますか」
オークジェネラルの手の中からラヴィさんを取り出して、抱えてから呟いてる
ん?なにやら念じ始めた
ふえ!?!?ラヴィさんの傷が治ってる!?
「こんな感じですかね。後は…とりあえず寝かしときます」
少し、離れた場所に歩いていきラヴィさんを置く
…歩いてるんだけど、異様に速い様な?
「それにしても、この豚さんは…凄い手を加えられてますね。殺すの勿体無いですけど…。多分見てますよね?殺っちゃいますよー」
何か言ってる?…駄目だ…集中しようとすると余計にふわふわする…
「さて、終わりにしましょうか。」
オークジェネラルの目の前まで歩いて行く
なんか、オークジェネラル少し遅れてから反応してる
まるで…いきなり現れてる様な反応
そして、オークジェネラルの首に手刀でトンッと打ち付ける
すると…ピクッと一瞬反応した後、オークジェネラルの首がコロリと落ちた
「終わりました。後は…」
周りを見回して、歩き出す
どうやら、弱ってる低級の風精霊さん達が一ヶ所に集まってる所に向かうらしい
私も少し気になってた
「なるほど。隠していたんですね」
深い傷があるエレーナさんがその中心で寝かされている
精霊さん達が身を挺して守っていたみたい
「治しときますか。」
エレーナさんに触れて念じる
すると、ラヴィさんの時と同じ様に傷が癒える
なんだろう…もはや魔法とかじゃないよねこれ…
そして、無言で恵の方へと進む
「うわ!?あんた、行きなり現れないでよ!?ビックリするでしょ!!」
精霊さんが喚いてる。無視されてるけど
倒れて眠ってる恵をじーっと見てる私
なにやら少し考えてるらしい
「うーん…少し弄りますかね…?」
…へ?なに言ってるの?
いきなり、恵の胸に手を突き刺す私
なにしてんの!?まじで!?!?
そして、心核を取り出す。
恵の姿が天使に戻る…ぴくりとも動かない
その天使の姿に精霊さん大騒ぎしてる…もちろん無視されてるけども
その心核を少し眺めて、両手で包み目を閉じる私
その様子を見てるしか出来ない私はただ呆然と眺めてる…
ねぇ…恵死んでないよね?
「これで…良いでしょう。核も少し混ぜてみましたけど…。後は適合すれば問題は無いはずです」
目を開けた私が呟いてる
手の中の心核は光を放ってるけど…
その心核を再び、恵の胸の中に入れる
良く見たら、傷口らしきものも無い…
どうなってんのこれ!?
あ…核を戻された後、恵が寝息を立て始めた
生きてる…よかった…
「ふぅ…終わりましたね。そろそろ私は戻りますか…。あ、一つアドバイスしときます。今の貴方は心核を取り出して弄る事ができます…。例えば、この剣とか…」
…え?私も心核弄れんの?
「それでは、私は戻ります。おやすみなさい」
どゆこと?待って!?詳しく教えて!?!?
「あ…戻ってる…。」
特に、変わった様子はないけど…
「あんた!?いきなりなにしてんのよー!!人の胸に手を突き刺すとか殺す気ー!?!?」
精霊さんからいきなり言い詰められてる…
そんな事言われても…私もわけわかんないよぅ
「…あんた、左の瞳は銀色なのね?」
え?私は両方青いはずだけど?
…聖杖剣の刃で左目を見る
瞳が…銀色になってる!?!?
なんで!?どういうことこれ?
原因…あるとすると、あの焼ける痛みだよねぇ…
うーん、まぁ特に問題ないし別に良っか
ふぁ~…
あれ…?…なんか凄く眠くなってきた…
皆、寝てるし私も寝ても良いかな…?…駄目?
ふぁ…駄目だ…眠い…
「なに、うとうとしてるのよ!?寝る気?」
精霊さんが隣で喚いてる…
とりあえず、恵の隣に座る
瞼重い…もう無理…
おやすみぃ…
「マジで寝るの!?ちょっと!!」
精霊さんごめん…
あとお願い…ね…




