五十七 女の子達を救出する
次は、恵の視点
姉さん達と別れてから少し後…
砦の入口付近の見張りをしてる盗賊達が反応する前に、容赦無く首を斬り落とす
斬られた盗賊達は一瞬で絶命する。…当たり前だけど
刀の血を払ってから鞘に戻す。その後にちらっと盗賊の亡骸を見る…
このままにしても、後で処理すればいいでしょ…今は急ぐから
「あっちか…」
姉さん達が中央に行く前に、三階の東側の部屋に行かなければいけない…
捕虜の女の子達が犯される前に、なんとか辿り着く必要がある
さっき見た感じでは、犯されそうになってる女の子達はまだ拐われてすぐの子みたいだった
つまり、汚されてない
あんな奴らに汚されたら…一生のトラウマだ…
私は走る速度をさらに上げ、警備してる盗賊をすれ違いに斬り捨てながら進む
進むにつれ、警備の数が少し多くなってきた?…
部屋にいる盗賊は頭クラスのやつかな?
二階…三階…と階段を駆け上がり、目的の部屋の前まで辿り着く
「こ、こないで…!」
ぎりぎり間に合った?
ドアノブを握る…
鍵かかってる…面倒だな…
私はドアに向かって黒刀を、構えて振り下ろす
ズバッと、ドアは二つに分かれ落ちる
中の様子…
女の子四人に、盗賊数人が追い詰めてる…
ん?他の女の子達から一人だけ前に出て両手で庇うようにしながら後退ってる
ボロボロだけど、身に付けてる物的にあれが冒険者の子か
中に入る私に女の子達、盗賊…六人が同時に振り向く
それに合わせて、私が女の子達に目でこちらに来るように合図を送る
女の子達はすぐさま、私の方に駆け寄る
盗賊達は呆けてその様子を見ていた。が、すぐに正気に戻って私を睨む
「貴方達だけ?それともまだ囚われてる人いる?」
睨む盗賊達を無視して、私に隠れる女の子達に聞く
まだ居るなら、助ける必要あるし
場所知ってるなら教えてほしい
「まだ五人ほど居ます…」
冒険者の女の子が怯えてる子の代わりに答える
なるほど…まだ居るのか…
「場所分かる?」
冒険者の女の子はこくりと頷く
んー…冒険者の子以外、怯えてる…
…まぁこんな状態じゃまだ怖いか
とりあえず、冒険者の子に身に付けてた短剣を渡す
「他の子と自分を守る事に専念して」
「…はい!」
短剣を受けとると、私を見て頷く
諦めてない。良い目してる
さて、放置された盗賊達は顔が真っ赤になってる
でも、不用意に攻撃してこなかったのは褒めてあげる
攻撃してきたら斬り捨ててるから
…盗賊、副頭らしき男一人、幹部の男が五人か
て、ことは…頭は姉さんの方か
に、してもなかなか装備良いな…
この盗賊団は規模がかなり大きいみたい
報償金でそうだな…副頭、頭あたりは捕らえるのも良いかな?
「相手は所詮、小娘一人だ!魔法で弱らせろ!!」
副頭…いや、軍師か?まぁ相手との力量も分からないならその程度だけど
幹部の男三人が魔法を詠唱してる…。それ低級の魔法…しかも遅い…
「面倒。〈飛び雀〉」
魔力を纏わせた刀を三回振り、斬撃を放つ
斬撃は小さな雀の姿になり詠唱してる男達に飛んで行く
…烏に比べると、速度も鋭さも無い
そのかわり、連続で出せる
想定通り、手軽な遠距離の技
威力は…
詠唱してて、避けない男達の頭に直撃して爆発…。…おぅ…グロい…
頭パーンってしちゃった…。三人全員…
加減なしだとこの威力か…。結構威力やばいな…。
烏の時は、かなり加減したからな…加減なしだとこれ以上にヤバそう…
と…とりあえず、女の子達には見せないようにしないと…
「「「う…ぇ…うぇぇぇぇぇ…」」」
あ…。遅かった…
「あぅ…うぷ…」
冒険者の子も慣れてないの…か…
このままだとこの子達ろくに動けないし、女の子達を休める必要できたな。これは
はい、私のせいですね。ごめん
じゃ、早く終わらせるか
副頭は生かすけど、幹部は要らないな
「〈転移〉」
短距離転移で幹部の一人から裏を取って斬り捨てる
そのまま、即座にもう一人も斬り伏せる
これで、残りは副頭だけ
「まっ待て」
長引かせるつもり無いし
お前の言い分を聞く気も無い
寝てろ!
「峰打ち」
ゴスッ!って首に刀の背を叩き込む
なんか、うげぇ…とか唸って倒れた
あっ気絶した
とりあえず、部屋にロープあるし縛っておく。ついでに吊るしとこうか
さて、こいつはこのまま置いておいて
とりあえず、場所を変えないと…
女の子達休ませるにしろ、血みどろな場所じゃ気分優れないだろうし
「場所変えるけど。付いて来れる?」
頷く女の子達、四人全員が顔色青い…本当にごめん
血みどろ部屋から少し歩いて、空き部屋らしき場所を見付ける
ここで、落ち着くまで休むか…
ちょうど、椅子も四つほどあるし
女の子達を椅子に座らせ、私はポーチから水のボトルとコップを取り出す
コップに水を注ぎ、四人に渡す
…まず、水のボトルとコップがポーチから出てくる事に驚いて、水が冷たい事にも驚く。…この魔法のポーチは中の時間止まってるからね。
さて、水をちびちび飲んでる女の子達…
少し落ち着いてきたかな?
「落ち着いた?」
女の子達一斉にこちらを見る
うん、さっきみたいに怯えた様子はもうないね
「助けていただいて、ありがとうございます」
「「「ありがとうございます」」」
冒険者の子がこの中でリーダー的になってる…
まぁこの子、周りを励ましたりしてそうだし。必然かな
「他の女の子が捕まってる場所教えてくれる?」
私の言葉にさっきまでずっと怯えていた女の子が、近くに来た
「えっと…三階の南側の隅にある部屋に隠し部屋があります。そこが牢になってて、閉じ込められてます。中からは出る方法は無かったはずです」
南側の隠し部屋…反対側か。聞いといて正解だった
後、この子達の話を少し聞いた。
まず、怯えてた青髪ショートの女の子。名前はサラ
あの亡くなってた商人の娘らしい。この中で一番年下、十三歳…盗賊ロリコン?
次は、隣の金髪縦ドリル髪の女の子。名前はエリル・ブランソワージュ、十五歳
…言わなくても分かるよね。貴族の子。姉と街に戻る途中に襲われ、姉に逃がされて、一時は逃げられたけど結局…捕まってしまったらしい。ちなみに護衛は全滅したそう
その隣、黒髪の大人しい無口な女の子。名前はメア、十四歳
旅の途中で捕まったらしい
最後に、冒険者見習いの女の子。名前はルミア、十六歳
赤い髪を横に纏めてるサイドテール
商人の女の子…サラを人質にされて捕まったらしい
他の冒険者見習い二人も同様に捕まったそう
割と皆、歳が近い…冒険者の子は当然か…
…誰だ!ぱっと見、私が一番年下に見えるって言ったのは!!…原因は胸か!…うぅ…泣くぞ…
なんで…なんで…サラの方が胸大きいの…?
背は小さいし、胸もない…。姉さんの胸は…あんなにでかいのに…
くそぅ…。後で、姉さんのもみくちゃにしてやる…
そんなことより、話しを聞くか…
「あたし…が捕まったせいで…」
「あれはどうしようもなかったから。それに…守れなかったわたし達の責任だし…」
泣きそうなサラを励ますルミア…あっルミアも涙目
つまり、商人の護衛してた冒険者パーティーはサラを人質にされて崩壊したと…
商人は殺され商品は略奪、冒険者パーティーは一人死亡し、残りは捕虜。かなり最悪な状態だな…これ
しかも、姉さんが助けに行くって言いださなければ、女の子達は心に深い傷を負ってたし、姉さんが救出に向かってる二人は死んでただろうから、もっと酷いことになってたな
結局、姉さんの行動は正しいんだよね…
さて、残りの女の子達の救出に向かいますか
「そろそろ…残りの子救出しに行くよ」
女の子達はちびちび飲んでた水を一気に飲み干し、コップを返し立ち上がる
皆…だいぶ元気になったみたいだ
目的の部屋まで、真っ直ぐ向かう
道中、盗賊連中が何人か居たけどほとんど斬り捨てた
女の子達も慣れた様で、そこまで反応しない…頭パーンは相当堪えたみたいだけど。…反省してます
時たまに、冒険者のルミアが短剣で盗賊を相手に苦戦してた。
まだ未熟だけど筋は良い…。道中、少しコツを教えてあげたら
最初は短剣の間合いが分からず、盗賊の剣を避けるので精一杯だったルミアだけど、今は短剣で剣を受け流し反撃で急所に一撃入れられるまでになってる
うん、動き凄く良くなった。覚えも良い。この子強くなる
目的の部屋…なるほど、元々兵士の仮眠部屋か…
ここに、隠し部屋を作ったのか?…それとも、元から作られていたのか?
なんにしろ、常に監視できるようになってる訳か…
とりあえず、中で寝てる盗賊達はそのまま永眠してもらう
私とルミアで盗賊達が起きないように息の根を止める
ルミアは少し抵抗あるかな?って思ったけど躊躇なしで急所に一刺し…本当に大物になりそうだ
さて、何処かに隠し部屋を開くボタンがあるはず…
「ここ…」
メアが戸惑う様子もなくとことこ歩いて、壁を触る
微かに出っ張りがある…メアが押すと、近くの壁がギギ…ガコンっと動いて開き、一人分の通り道ができる
「メア覚えてた…」
少しドヤ顔してるメア
記憶力に自信があるんだろうか。まぁ良く覚えてたとは思うけど…
まさか、中に盗賊の監視は居ないだろうけど…
一応、私が先頭に中に入る
さて…隠し部屋の中はどんな状態だろう…




