五十二 もう一人はダークエルフ?
西門に向かってる途中、キディンさんに目的地までのルートを簡易的に教えてもらってた
まず、王都の西門から出発し、途中の街二つを越えると帝国との関所がある。そこが国境
関所を越えるとそこから帝国領になるみたい
まぁ関所は越えないから、気にしない
二つ目の街を出てから、街道を少し進んでから横道にそれて進むと山道に出る
そこから先は馬車では行けない。近くに集落があるからそこに馬車を預けて、徒歩で山道を進むらしい
「帝国は王国よりも魔族の扱いが酷くてな…帝都では奴隷以下の扱いを受けるだろう」
ふむふむ…王国は魔族寄りの人いても問題なかったけど、帝国ではそうも言えないんだね
「だが、教国より帝国の方がまだましだがな」
ん?教国はどうなの?言い方からしてあれだけど…
私が興味津々で聞いてるので、キディンさんが少し言いにくそうにしてから話しだす
「…教国は絶対人族主義などと言い、他の種族を下等生物扱いしている。奴らそれを当たり前だと思ってるからな」
そ…想像以上にあれな内容です…
そっか…それなら天使をペット扱いしても違和感ないねぇ…
うん、教国には行きたくないね
まぁ行く必要無いし、今は放置で良いよね
おっと、西門が見えた
結構、並んでるね…帝都と物資が流通してるからかな?
「面倒…」
きゅうと遊んでた恵が馬車の中から周りを見て呟いてる
このまま、列に並ぶと時間かかりそうだねぇ…
おや?門番さん達が慌ててこっちに来るよ?
「聖女様の馬車で間違いありません!」
「やはり…」
「優先だ。貴族用の検問所に案内せよ」
門番さん達に誘導され、並んでない検問所に案内される
これ、お姫様の声かかってるよね?
とりあえず、門番長さんに金貨大を一枚渡しといた
めっちゃテンパってたけど。独り占めは駄目だよー皆で分けてね
さて、西門を出た。もう一人の方は何処でしょう?
周りを見渡す…うーん、人が多いねぇ
「奴は人族嫌いだから、通行多い所にはいないはずだ」
人の居ない場所…
…お?人気の無い所の城壁に寄り掛かってる人が居るね
あれかな?
私がキディンさんに教えると、馬車から飛び出して行ったよ
私達も馬車で後を追う
おう…キディンさんが話しかけた瞬間、高速の拳が顔面にめりこんでる
「当たり前」
恵…分かってて行かせたんだね…
まぁ数日も放置されたら、誰でも怒るか…
「で?わたし、あんたが行く前に散々場所教えたよね?」
キディンさん目の前で正座させられてる
めっちゃ激おこですね
「あ…その…すまん…」
キディンさん縮こまってる
「はぁ~…わたしは、ルーファ様の指示だから仕方なく待ってたんだからね!
…後、数日経っても戻らなかったら探しに行こうとか全然思ってなかったんだから」
ツンデレさん?これツンデレだよね
リーナさんは少しツンデレ風味だったけど、こっちは本物だ
「ツンデレ」
恵ちゃん…それは心の中で呟いてね…
ほらー、こっちにお顔真っ赤で近付いてくるよー
「なんなのよ!あんた」
「別に…。あれの心配してたんでしょ?」
「わ、わたしは別に心配なんてしてないわよ///」
「ツンデレ」
恵、からかうのはその辺で…
このツンデレさんは女性だね
フード深く被ってるけど、体付きでその辺は分かる
ん?こっちじーっと見てる
あぁ、きゅうの事見てるのか
今は私が抱っこしてるからね
「きゅ?きゅーう」
「きゃあ!?」
きゅうが私の腕から飛びだしてツンデレさんに抱き付いた。そのせいで、ツンデレさん尻餅をついちゃてる
あっ…フードが…
「なんなのよ…もう…」
「きゅーう」
きゅうはお腹に顔を擦り付けてる。なついたみたいだね
「あっ…」
ツンデレさん、フードが捲れてるのに気が付いた。目を丸くしてこっち見てる
お顔が真っ青変化した…凄い絶望顔だよ…
…なんとなく、ツンデレさんが人族嫌いな理由分かった
彼女、闇耳長族…ダークエルフだ
青白い肌のエルフ。エルフの突然変異とか災いだとか言われてる
エルフに嫌われてるが故に、人族からも偏見があるのだろう
多分、過去に色々あったんだろうね
ツンデレさんは直ぐにフードを深く被って縮こまっちゃってる
「ダークエルフ?」
恵は特に気にする様子もなく
近くに行き、彼女のお顔を覗きこんでじーっと見てる
興味津々だね…
それにしても、ツンデレさん凄くビクビクしてるね
さっきまでの強気が嘘みたい
「すまないが、余り顔を見ないでやってくれ。以前、ダークエルフだと知った人族に襲われた事があってな…」
それは…酷い…
魔族の人達が差別されてるのってやっぱり、過去の魔族による戦争が原因だよね…こればっかりは私でもどうしようもないなぁ
「きゅ?きゅう」
震えてるお姉さんの顔を、きゅうが心配そうに眺めてる
私達は人族じゃないし、特に気にしなくても良いんだけどね
ルーファさんの使徒なら本来の姿を見せても問題はないし
まぁ、姿を見せるにも街とかの近くじゃ無理だけど
…て言うか、ルーファさん私達の事話してないのかな?
ルーファさんならありえるか…
んー…とりあえず、問題はツンデレさんを連れて街を二つ通らないといけないのか…
お顔隠してれば大丈夫なのかな?
そうなると…お面とか?
後、恵ちゃんはいい加減ツンデレさんをじーっと見てるのやめなさい
ツンデレさんが動けないでしょ
さて、ツンデレさんを馬車に乗り込ませてから私達も乗る
少し落ち着いたかな?ツンデレさん
怯えた目でキョロキョロと私達の顔色窺ってる
んー…この調子じゃ話できないね
「キディンさん。私達の話はルーファさんにどの位聞いてるの?」
とりあえず、キディンさんに話しを振る
キディンさんはうーむ…と考えてから口を開いた
「ルーファ殿は…私と同じ様に扱いなさい。と言っていたが…詳しくは何も…」
あの堕天使…説明位しといてよー
恵も隣で、あれは説明とかしない。って納得してる
「ルーファさんが堕天使なのは知ってるよね…?」
これは聞いといた方が良さそう…知らなかったら惚ける
「うむ。ルーファ殿の使徒であるからな。ルーファ殿の使徒になってる魔族は多いぞ」
そうなんだ…ルーファさんは人族より魔族に寄り添ってるのかな?
「…反人族の奴らには容赦してなかった」
恵、詳しいね…私知らないよそれ
「反人族の組織…龍人教もその一つだが、魔族全てが人族を嫌ってる訳ではない。エレーナも怖がってるだけで滅ぼしたいとか思ってはいない」
隣で深くフードを被ってるツンデレさんがこくこく頷いてる
ツンデレさんエレーナって名前なのね
「とりあえず、私達は人族じゃない。だから怖がる必要ない」
恵ちゃん?少しはオブラートに包もうね
誰かに聞かれたら困るの私達よ?
そして、二人は目をぱちくりしてる
見た目は人族だもんね私達
でも、少し考えれば分かるでしょ?
「もしかして…て、天使様?」
おっと、最初に反応したのエレーナさんだね
ルーファさんに様つけて呼んでるし、信仰は高そう
「そうだよー。流石に、街の近くじゃ姿を見せれないけど」
エレーナさん…さっきまでの雰囲気じゃ無くなったんだけど…そして、近い、距離近い
そして、キディンさんはなるほど、そう言うことか…って勝手に納得してる
なんか、エレーナさんの雰囲気がマリアちゃんに似てるような…
キラキラした目を向けられてるし、ルーファさんに命救われたのかな?
もう、ビクビクしてないし大丈夫そうだね
「だから、フード脱いで」
恵ー、それが狙いかー
まだ満足してなかったんかい
後…わ、分かりましたって脱ごうとしなくて良いからねエレーナさん
「…ちっ」
って、恵ちゃん今舌打ちしたよね?
これは…罰必要だね。
「きゅう、恵ちゃんのお顔にすりすり攻撃してこい」
「きゅ!」
きゅうは飛び出して、恵のお腹に抱き付く
「おふっ!?」
そのまま、恵のお顔にすりすりと自分のお顔を擦り付けてる
きゅうの飛び付き結構、衝撃強いんだよね。…よく頭に飛び付かれてるけど大丈夫なのかって?大丈夫だったらグキッってしないよー
…あれ?これって大きくなったら私潰されない?
きゅうに襲われた恵は満更でもなさそうな顔してるし
今のうちに、ラフィーの事を詳しく聞いとこうか…




