三 妖精さん?
「姉さん!下がって!?」
恵は私の前に出て剣を飛び出した物に向ける
「天使だー!?珍しいー」
「二人いるよー」
「珍しいねー」
「なにしてるのー?」
私達の周りには小さい人みたいなのが、沢山飛び回りながら私達を見回ってる
…ん?増えてる?
「ね、姉さん…お、多い」
「妖精さん?」
「そうだよー」
「ここは精霊の森ー」
「ドリアードの森ー」
「この辺魔物いないー」
妖精さん達は楽しそうに、私達の周りを飛び回り、頭の輪や背中の羽を興味深く触ったりしている
「恵、多分害ないよ」
「み、見たいね」
恵は緊張して損した。と剣を鞘に戻した
凄くほっとしてるね恵
恵は小さい子とかにわらわら来られるの苦手だもんね
「あードリアードが天使連れてこいってー」
「ドリアードが会いたいってー」
「案内するねー」
妖精さん達はふわーと森の中に一斉に飛んでいく
「私達まだ行くって言って」
「まぁまぁ行こうよ」
私は妖精さん達を追いかけて進む
恵は、姉さんは相変わらずだなぁとため息吐いてからあとに続く
うん、私は自由気ままですよ
森をしばらく進んでいくと、薄暗くなってくる
「この辺からー魔物でるよー」
「気をつけてー」
近くの妖精さん達が警告してくれた
やっぱり、魔物いるよね
「姉さん、探索魔法で索敵できるみたい」
私が反応するまえに、恵はすでに探索魔法で索敵していたらしい
「近くにウルフが三匹いる」
恵は静かにいる方向に指を向ける
木の影から確認すると狼が三匹、兎を襲ってる最中だった
兎さん…
恵は無言でポーチからだした二本目の剣を私に渡す
「私が二匹やるから、姉さんは一匹お願い」
私が頷くと恵は、すぐさま飛び出し近くにいた狼を斬り伏せた
斬られた狼が悲鳴を上げる前に、私も飛び出す
(そうだ、スキルの天使の瞳使ってみよ。危険ないよね…?)
私は右目に何か流れるのを感じ、そのまま狼を観る
ウルフ
劣等狼 族
魔物 ランクG
LV3
スキル なし
魔法 なし
ステータス
HP 150 MP 0
力 45 魔力 0
素早さ 70 知力 20
運 5
劣等種の狼 魔物の中では弱い分類
Eランク冒険者がパーティーで討伐することができる
群れの場合、10匹以上の群れであればCランク相応に危険度が上がり群れの長がいる場合がある
…なるほど鑑定ができるのか…
これで弱いのか、私達は強いと女神様が言ってたけど、これだけじゃまだわからないね
私が狼を鑑定してる間に、恵は二匹目の首を斬り飛ばしていた
私は慌てて、狼を斬り裂いた
(ん?、なんか軽く斬り裂けたな?)
私は疑問に思いながら剣に付いた血を払うと鞘に戻した
「…姉さんはもう少し躊躇うと思ってた」
恵が躊躇なく狼を斬り捨てた私を見て呟いていた
…確かに、今までの私なら狼を哀れんで躊躇いそうな感じがある
でもなぜか、そこまで罪悪感が無いんだよね
「それより、なんか簡単に斬り裂けたね」
「そ…それより…」
恵は私が躊躇わなかった事にショックを受けてるみたいだけど
私的には、剣であんなに簡単には普通斬れないよね
私?剣の扱い上手くないよ。恵はもともと剣術の師範代だから達人だけどね
剣はあまり良いのじゃないみたい
普通の鉄の剣…剣初めて見るけどね
「天使達ー強いねー」
「ウルフ瞬殺ー」
「速かったねー」
狼を倒した私達の近くに妖精さん達が集まる
私はこっそり天使の瞳で妖精を観る
フェアリー
妖精 族
小精霊
LV1
スキル
心の瞳 森と同化 以心伝心 森の迷路
魔法
風魔法LV3
HP 250 MP 150
力 10 魔力 100
素早さ 85 知力 120
運 100
森に住む妖精、樹精霊のドリアードの子供
心の瞳により、魂の暗い者には姿を見せない
森に迷い混んだ魂の綺麗な者は妖精に案内されて出口に出られるという
無邪気でたまに旅人を迷わせて遊ぶ
(最後!怖い!?)
妖精さんを覗いて震える私を妖精さんはにこにこ周りを飛び回っている…