2話 とりあえず能力チェックです。異世界物の常識だね
「それじゃ、どうする? 帰れるにしてもアテは無いでしょ。こういう場合どうやったら帰れるものなの? 何か法則とかあるんでしょ」
ニコルちゃんが落ち着いた感じで今後の指示を煽ってる。
怖くないのかな。
「そうね。とりあえず冒険者になって、魔王を倒すとかで帰れるってのが法則だと思うけど……とりあえずギルドに行って能力チェックでもしようか。多分何か特別な力に目覚めてるはず」
と、レイカちゃんの指示で私たちはギルドに向かうことになります。
ギルドに直行、これって大事。
*******
数十分後。
私たちはギルドへと着きました。
通行人から聞いてようやくたどり着いたけど、この建物……大きいね
「大きいですね」
「立派な建物―」
「うわ、まじすご」
みんな口々に言うけど、本当に立派な建物だね。大きい大きい。
中に入ると内装も立派だった。
すぐに女の人が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ。初めての方ですね。ここ中級冒険者の町ラフィエルのギルドへようこそ。まずは能力チェックを始めますか?」
色々と一度に教えてくれる。 この町ラフィエルって言うんだ。って中級か。普通初心者じゃないの?
「ねえレイカちゃん。中級だけど大丈夫?」
思わずレイカちゃんに聞いてみるけど、レイカちゃんも驚いていたようだ。
「そうね。まあとりあえず能力でも見てもらいましょう。問題はその後で考えたら良いし」
と、とりあえず能力は調べるみたいだ。 まあ引き返しても行くあてもないしね。
「それでは皆さん11人。能力チェックを受けますね。事前に申し上げますと能力は最低がGランクとなっており、それから順番にF、Eと上がり、Aまで行き、その上にSランク、SSランクと上がり、最上位がSSSランクとなります。そして中級者ギルドなのでEランク未満の能力者は登録不可となりますので、ご了承下さい」
受付の人は丁寧に説明してくれる。
「分かりました。それじゃ最初は……」
「はいはいはい。私やりたーい。ねえいいでしょリーダー」
「そう。じゃあジュンが一番ね」
「はーい。やったー」
ジュンじゃんが最初に行った。 ちょっと前まで半泣きだったけど、面白そうなイベントだとすぐに元気になるよね。
「えっと、どうしたらいいの?」
「目の前の水晶に手を当ててください」
「うん、これ?」
ジュンちゃんは言われるままに水晶に手を伸ばす。
すると水晶は綺麗に光だした。
そして上空にスクリーン見たいなものが表示され、文字が浮かび上がる。
『 梅野 ジュン 15歳 女性
能力 植物支配
ランク S
備考 あらゆる植物を操作する。形状変化なども可能』
「うわ、私ランクSって凄くない?」
ジュンちゃんはすごくはしゃいでいた。
受付の人も驚いているようだ。
「凄いですね。ランクSなんて始めてみました。これなら十分にこの町周辺の魔物も討伐できます」
お墨付きのようだ。
「それじゃ次は私が行きます」
と、次はアカネちゃんが名乗り出た。
そしてそれに続いて私たちは順番に能力をチェックしていく。
一人一人の様子を言って行くのも大変なので、一気に紹介行くね。
『 城澤 アカネ 16歳 女性
能力 高速分析
ランク A
備考 あらゆる相手の行動を分析し、最適解を瞬時に導きだす』
『 最上 ミウ 16歳 女性
能力 音響兵器
ランク A
備考 音の振動を操作し、遠くの相手に衝撃を与える』
『 穂風 レイカ 17歳 女性
能力 完全治癒
ランク SSS
備考 あらゆる負傷を瞬時に癒し元通りの状態にまで治す』
『 蔵丘 ミヤコ 17歳 女性
能力 思考透過
ランク SS
備考 相手の思考を読む。人物以外に無機物の記憶のスキャンも可能』
『 川勢 ニコル 16歳 女性
能力 超剣豪
ランク A
備考 超一流の剣術を自在に扱える』
『 鈴華 ミカミ 16歳 女性
能力 鳥使役
ランク A
備考 鳥、鳥獣を自在に操り使役する。 また対象の声を聴ける』
『 鷹辻 ユウキ 15歳 女性
能力 操気功
ランク S
備考 気の弾を出し操ることが出来る』
『 竹田 ツボミ 17歳 女性
能力 超強化
ランク S
備考 身体能力を常人をはるかに超えるレベルまで強化する』
『 三耶瀬 アヤカ 17歳 女性
能力 実体絵画
ランク SSS
備考 スケッチブックに書いた物を実体化させることが出来る』
と、私サクラを除いてみんなが能力チェックしたけど、本当に凄い。
みんなランクA以上の強いものばかり。
これなら私も期待出来るね。
「じゃあ最後行ってくる」
「頑張れ」
レイカちゃんに応援され、私は水晶に手を伸ばす。
でも流れ的に私だけ低ランクってオチな気がする。 どうだろ。
そうじゃないといいな。
『 雨樹 サクラ 16歳 女性
能力 無限銃
ランク SS
備考 銃火器を扱う時、無限に弾が出続ける。 弾切れということがなくなる』
「やったーランク高い!」
本当に良かった。 先読みして低ランクオチを潰したのが良かった。
「皆さん……すごいですね。 集団で受けてここまで全員高ランク何て初めてですよ。 これなら早速町はずれの森にいる魔物の集団も撃退出来ます。 お願いしますね」
「えっ!?」
私たちは声を失った。
いきなり、魔物の集団を退治って、展開早くない?