第五話 照合率
「おいなんだあいつ。俺たち二人に立ち向かおうなんてなあ。」
「しかも相手が持っている剣はあのガキが作った剣だぞ。よいものとは思えないだろうしな。」
「俺が行ってくるよ。一人で片付けられるから。」
「わかったよ。」
そういう声が聞こえてくる。
その会話が終わった後に一人がこっちに向かって走ってきた。
その速さはとてつもなくはやく剣を持っているのかまるで疑ってしまうレベルの早さだった。
そしてその敵は大きく刀を振りかざそうと準備をする。
一方、ドランさんはというと何もしないで目をつぶってしまっている。
その様子を見て僕はパニックになっていた。
何もしないなんてどうするんだよ。
このままじゃマジでやばいよ。
殺されちゃうよ。
そんなことを考えているときには時すでに遅し、明らかに早いスピードでこっちに近づいてくる。
そのスピードは僕たちの想像してる以上にはるかにどんどん加速している。
そして敵はスピードをさらにさらに早めていく。
そしてその勢いのまま、敵は思いっきり剣を振りかざした。
もう絶望的だと思い、リューンは見ていられなかった。
そしてリューンは目を手で隠した。
そしてもうだめだと思った次の瞬間、ドランさんは目を開けて、僕の作った剣で敵の剣をガードした。
カキン!とぶつかった音が大きく聞こえてくる。
「何!」
その時、敵は思った以上に驚いていた。
だが敵もそのままで終わってはいなかった。
その後、敵は様々な刺す攻撃を仕掛けてきた。
その攻撃に僕は驚きと不安しかなかった。
なぜならそれは明らかに凡人には見えず、やばいんじゃないかと思わせるかのような高速な攻撃だからだ。
やばいんじゃないかと思いながらよく見てみた。
しかし見てみるとドランさんはすべての剣の攻撃をうまくいなしていた。
そのいなしは僕から見たらただのはじいているかのようなものだったが実際はかなりうまく避けているのだろう。
僕はてっきりこんなに強いとまでは思っていなかったため驚いていた。
それ以外にびっくりしたのは僕の剣をしっかり扱えてるところだ。
重くて使いづらいというレッテルを張られたすぐ後だったため。
その軽くて扱っている様子を見て本当に重いのか僕はつい不信感を抱いていた。
そしてその攻撃をはじき続けて1分ぐらいがたった時にあることが起きた。
それは敵が一つの攻撃でバランスを崩してしまったのだ。
その時敵はドランの右手側を攻撃していた。
ドランさんはそれをチャンスに剣でスッと相手を切った。
「うわっ!」
相手からは明らかに血しぶきが飛ぶ。
その様子を見た後ろの敵は明らかにおびえていた。
やばいかなりきついやつだと思っているのだろう。
足は明らかに震えている。
するとドランさんは明らかに殺そうという雰囲気を出しながら思い切り前かがみに殺そうと行こうとした。
そのスピードは明らかに早すぎる。
相手は明らかに逃げることなど不可能レベルのスピードはもうだれにも止められない。
そして相手が逃げ出そうと後ろを向いた瞬間、見ると剣を振り切ったかのようなポーズをしたドランの姿があった。
そしてそれを追うように敵の上半身は真っ二つになってしまった。
敵から血しぶきが飛んでいる。
その状況に僕は血まみれの敵を見ながら、驚いていた。
先ほどとかにも死体とかをみてかなり衝撃的だったが敵が下半身真っ二つで血しぶきをあげている状況を見て僕はさすがにトラウマになりそうだった。
でもそんなときにドランさんが僕のもとに来てあることを言った。
「大丈夫か?かなりトラウマみたいになってるようだが」
しかしそういわれても今は嘔吐しそうで気持ち悪かった。
そして耐えられなかったようだ。
「ごめん…ちょっと」
僕は近くの人気のないところに行った。
僕は苦しみながら嘔吐した。
そして吐き切った後に僕はドランのもとに戻った。
「大丈夫か?顔色悪いぞ。」
「まあ大丈夫です。」
そして僕らは少し会話をした。
「なあリューン学校とかに通ってたのか?」
「まあそうですね。退学になりましたけど。」
「退学!なんでだよ!」
「なんか剣の性能とかは良いらしいのですが重くて使いづらいらしいです。」
その話を聞いてドランさんはある意味不信感を抱いていた感じだった。
その様子を見ながら何だろうと考えていると太陽が上がってきた。
まぶしかった。
その様子を見て僕はドランさんに言った。
「ねえドランさんそろそろ戻りません?」
「そうだな。行くか。」
そして僕は立ち上がり少し歩いていると
「リューン!」
大声でドランさんが言った。
「何ですか?」
僕はそう答えた。
「お前、俺の鍛冶屋になれ!」