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現世の魔法使いは、異世界でも最強でした  作者: 大影 無
序章 最強の魔法使い
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第7話 魔人族の隠蔽

 色々な意味での修羅場を脱出した紅蓮は、少し気になる事があって龍馬の部屋の前まで来ていた。そこから聞こえてくるのは──


「命夜の奴……どうやって抜け出して……まさか洗脳でもしたのか?だが──」


 龍馬の声だ。真面目に考え事だなんて、いつもの龍馬らしく無い──ではなくて、例のロードがやらかした事件について龍馬が一枚噛んでいると見ていたのだが、この様子だと当たりのようだな。しかも、狙いは俺のようだ。


(じゃあ何故俺を狙う?まあ異世界に飛ばされた恨みだろうが──そもそも俺にはそんな事は出来ない。良くて複雑な魔法を半径10メートル以内に飛ばすぐらいだ。とんだ勘違いだな。そもそも洗脳なんて出来る訳が──しまった、精神魔法と五感魔法があるじゃないか)


 空間魔法は文字通り『空間』を操るので、一応転移の真似事も出来るには出来るのだが、人間のような複雑な生命を通すにはいささか不安定過ぎる──人が来たようだ。常に《生命魔法》で探知をしているのは俺の悪い癖だ。とりあえずすぐに離れて、《温湿魔法》などで体温などに隠蔽を施してから再度近づく──龍馬は割と脳筋のため、隠蔽無しでも近づけたのだが。


 そして──こちらに来た人物は、なんと龍馬の部屋に入っていく。素通りされた事に自分のおかしさを再三認識しつつ、俺は一緒に入っていく。中で何が起こっているのかまでは分からないからだ。


「……武器は持ったか?」

「ああ、今日こそあいつを──命夜の野郎をぶっ殺す」


 ……待った、今地味にとんでもない事を言わなかったか?まさか俺を殺そうとしているとは──面白い自殺方法を見つけたものだ。どこかのOO(ダブルオー)要員みたいな事を言っているが、実際自殺行為なのだ。


 ──あ、おい、調子に乗って短剣の刃を舐めようとするな。あれは素人がやると──


「ぎゃぁぁぁ!舌が!舌がぁぁぁぁ!」


 ──こうなるのに。これには龍馬も無言だ。にしても何故俺を殺す前に自殺しようとしているのだろう。まあ、ただ単にアホなだけだろうが。


「……今日の朝、命夜を全員で殺す。ここに連れてこられた恨みを晴らしてやる……」


 全員とは、恐らく龍馬の協力者の全員だろう。いつの間に協力者をと思うが、全員いてくれるのなら好都合だ。龍馬達の勘違いを解くのには絶好のチャンスだからな。

 俺は、龍馬の部屋に共に入った奴──クラスメートの壱原かずはら 栄一えいいちだが──とまた一緒に部屋を出て、そのまま朝食へと向かった。割と良い情報が手に入ったな。



「グレン、あーんして!」

「昨日もしただろ……?」

「紅蓮君、私にもして?」

「水奈もか!」


 食堂に行くと早々にセルルカ達に捕まり、絶賛おねだりされ中である。しかも、2人ともまた抱きついてきてる。いい加減にしてくれないと、本当に俺の理性が無くなるのだが。


 一応今日も訓練はあるはずだが、朝からこんな調子ではまともに訓練など出来ないと俺は思うのだが。水奈のメンタルはどうなってるのだろう。ちなみに水奈の役割は上級の魔法職だ。意外と俺の『短距離魔法複合職』と相性が良かったりする。


 それと、俺の理性も問題なのだが、やはり周りの視線が痛すぎる。クラスメートに加えてなんか貴族の人達も睨んできてるし。まあ水奈は普通に見れば可愛い美少女なので、分からんでも無いが、断じて俺と水奈はそのような関係ではない。ついでにセルルカとも。


「なあ、そろそろ離れて──」

「い~や~!」

「紅蓮君が『あーん』してくれるまで離さないもーん!」


 ……水奈まで甘えたい盛りなのか?しょうがない、またプライドを捨てるしか──


「──命夜ァ!覚悟しろ!」


 とその時、龍馬達が動き始める。これは丁度良い──ゲフンゲフン、少しめんどうだなー。


「龍馬君!それに皆も!?」

「──グレンをいじめちゃダメ!」


 ……セルルカ、たった3日でそこに気づくとはやるな。そうだぞ、俺をいじめようとするならいじめられる前に大体数倍にして送りつけるからな。返すんじゃない、俺から送るんだ。


 まあ、たった二秒程度の傍観はこの程度にして、俺の出番だな。龍馬のおかげで2人が離れたところで、《天空魔法》で大気の震えを大きくして、拡声器代わりにする。


『……あー、聞こえるか?』

「──命夜!?」

『お前らは俺が異世界に転移させた張本人だと言っているようだが、違うぞ』

「うるせぇ!どうせしらばっくれるつもりだろ!」

『黙れ。そもそも、俺は転移なんて出来ない。俺の魔法じゃ不安定過ぎる』

「証拠は!?証拠はあんのかよ!」

『もちろん人間を通せない証拠なんて無いが──代わりにこれを使おう』


 そう言って俺は、そこら辺にいた蜘蛛のような何か(足が12本あった)を拾い、皆に見えるように空間魔法を展開して中に放り込む。すると──


「消えた!?」

『ああ、消えた。正確には不安定な魔力に耐えられなかっただけだが』


 本当は俺が直接潰そうと思ってたのだが、足が12本もあると流石に神経などが複雑だったのか勝手に潰れた。まあ、別にどちらでも良かったが。さて、これで龍馬達が納得してくれれば良いのだが──


「どうせ命夜が自分で潰したんだろ!」


 ……おかしいな、こんなのいつもの龍馬じゃない。やけに頭の回転が早いし、そもそも──


『……お前って武器使えたか?』


 最初に気づくべきだった。龍馬は、片手剣・・・を俺に向けていたのだ。聞いた話だと龍馬は本当に拳闘士になったそうだが、片手剣も扱えるものなのか?槍などなら振り回せば一応武器になると思うが、剣は適切な角度で切り入れなければ滑らかに切れない。龍馬にそんな『技術』は無いと思っていたのだが。


「……うるせえ。とにかく死ね!」

『……魔王国・・・

「!?」


 当たりか。目の前にいるのは龍馬では無い。なら、人間──中でも勇者に潜り込んで得のある奴は?答えは簡単、魔王国だ。勇者・・は人間族──いや、魔王国と敵対する国にとって攻守の要。それを崩せれば最早敵無しだろう。どちらにせよ、化け物の俺がいるのであまり意味は無いが。


『どうせ俺が異常種を簡単に倒したって聞いて狙ったんだろう?まあ、それはどうでも良いとして──龍馬はどこだ』

「──ヒィッ!」


 三流だな。少し魔力を纏っただけなのにこうも驚かれるとは。それにしても──三日連続でこうも密度が濃いと、流石に記憶の整理がつかないな。


 そんな風にどうでも良いことを考えながら、俺は魔人族への拷問・・を開始した。

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