あぁぁぁぁぁ120484729276428104801839
空を見ていたらこうして海になる。
なんとなく生きている。
そのなんとなくが積み重なって、今の俺を形成している。
つまり俺は「なんとなく生まれた」ものであり、「なんとなく」しか生きられない。
だから、今日もなんとなく息をする。
なんとなく生きてみる。
そこに意味がなくても、あっても、なんとなく。
なんとなく、あった方が嬉しいが。けど、理由は明確じゃない。なんとなくだ。
つまらない説法に耳も目も背けた。
嫌いなのかって? いや、なんとなくだ。
チョークが黒板に命を削られている。その悲鳴が俺には聞こえる気がした。
ただ使い尽くされるだけの物など、シンパシーを感じないわけがない。
なんとなく生きている人間は、ちゃんと生きてる人間の手足であり奴隷だ。
とはいえ、果たしてこのまま有限である時間を摩耗してよいものか。
今日だけじゃない。毎日毎日、俺だけじゃなく、クラスメイトも時間を削っている。
命を擦り減らしている。命を擦り減らして、ただ無駄な時間を過ごしている。
これが代償か?
命を削った代償が、何の役にも立たない理想論だなんてとんだ悲劇だ。
いや、喜劇か。笑えばいいのか。このくだらない風習を。
そして嘲笑いながら生きればいいのか。
このくだらない現実を。いっそ夢でも見れたら最高だったろうに。
まぁその夢すら社会なんていう掃除機に吸い込まれてゴミになるだけだが。
総じて無価値。生きる意味に価値が無いのなら、時間も命も価値はない。
それならいっそオークションにでも出した方が価値があるんじゃないのか。
友人はアルバイトをしている。
彼は命を削ってお金を得ている。
彼の生命時間は時給800円程度だそうだ。
つまり、俺たちの命ってのは、そう高いものじゃない。
そりゃ壊れやすくもなるさ。メーカーが本気を出していないんだから。
それじゃあメーカーが悪い。俺らは粗悪品だ。
そうしてまた一つ欠伸。
どうやらこの下らない思考がまた俺の貴重な生命時間を奪ったようだ。
まぁ、意味もなく理由もない言葉の羅列を聞いているよりは幾分マシか。
過去から未来を学ぶというが、それは嘘だ。
未来は決められていない。定まった通りには進まない。
先人のミスを乗り越えた先に新たなミスが待っている可能性だってある。
だから歴史は動かないけれど、未来は動いている。
そうして今日も又、俺は変わらない未来を描いている。
そう、この退屈な時間を延々過ごす未来を。
不変的事実に目を背けるのは愚行だ。
謝らなければならないことは謝る。人間誤りなどそれこそ星の数ほどある。
ミスをして学ぶ。逆説的にはミスしなければ学ばない。
失わなければ気づかない。失っても気づかないことさえある。
つまり、人間は常に代償を払っている。
先払いだ。着払いはなく、ローンも組めない。
代引き手数料を取られないだけマシだろう。
こんな不幸を買い込んで、親切にも不幸を売り飛ばしたジェントルマンにチップまではあげられない。
生きるだけで人間は人殺しだ。とりあえず自分を殺している。ジェントルマンだけは殺せなかったが。
食べること、寝ること、動くこと、すべてにおいて俺たちは俺たちを加速度的に死へ追い込んでいる。
死ぬために生きている。生きるために死んでいる。
死に残った残骸が人類史だ。残酷な交換日記だ。手元に日記が渡る頃に、差出人は死んでいるが。
だから俺たちは一人遊びなのだ。
殺し殺されるなんてどれだけ美しいことか。
俺たちは自分を食らう、貪る、そうしていつまでも生き残り続けている。
死に残り続けている。
果てには枯れ腐ってなお、死んでいる。
いや生きているのか。定かではないが。
そうして今を死んでいる俺たちは、いつか生きるのだろう。
あぁ、間違えた。いや、間違えたのか。
何を間違えた。何に間違えた。
どこからが間違いだった。
気づかぬうちに俺たちは間違えていた。
そして気づけば俺たちは間違えられなく無くなっていた。
右を向こうとして左を向き、上を向こうとして下を向いた。
牙を剥いた。反逆者だ。いや、ひねくれ者、あるいは天邪鬼か。
得てして人類は器用な生き方を身に着けた。
それは、間違いを間違いで塗りつぶすということ。
海に海水を垂らすように、俺たちは不幸と間違いを垂れ流した。
誰も聞いていないラジオでただがなった。
意味はない。でも意義はあった。なんとなく。
そうして垂れ流された排気ガスが俺たちに逆流した。
傷を負った。痛くはなかった。
でも、傷んでいた。
誰も気づかなかった、傷ついたことに。
だから無視した。見ないふりをした。
どこかに模範解答があるもんだと思い込んでいた。
でも、俺たちは不正解だった。
丸付けなんてする必要もなかった。
だって間違っているから。正しさなんてのは歪んだ不正解だった。
俺たちが振りかざしたのはエクスカリバーじゃなかった。
ただの拉げた三角定規だった。
だから傷ついた。そして痛みをようやく知った。
痛い勘違いだった。
でも肺は呼吸を続けた。
酸素を吸い込んで、代わりに怨嗟を吐き出した。
充満した敗ガスを、どうやら木々は吸い込んではくれなかったようだ。
息苦しいわけだ。
心苦しいわけだ。
知らぬが仏と、仏の顔に落書きをしているんだからな。
三度まで許してくれるからって、二度まで怒らすようなヤツらだぞ。
比類なき鉄槌を、天罰を、制裁を。
貪欲なまでの愛憎を。
そうやって支払った代償が、ズシリと心臓を射止めた。
やってくれたな。
でもそれでいい。
そうでなければいけない。
ギブアンドテイク。
俺たちはもらったんだからあげなきゃいけない。
痛みを。苦しみを。そして、幸せを。
だからずっと不幸だ。
不幸の御裾分けだ。遠慮するのは無礼ってものだろう。
仕方ないから受け取った。さて、次は誰に渡したものか。
生きてるうちに渡さないと。
死んで撒き散らすような愚行は止めだ。
心臓に爆弾を抱えた爆弾ゲーム。俺たち爆弾が、爆発する前に爆弾に心臓を渡す。
倍々ゲームで増える心臓、破裂する爆弾。
嬌声、怒号、悲鳴、歓喜に沸くのはどこの爆弾だ。
馬鹿め。寿命を擦り減らしやがって。ざまぁみろ。
なんて、そんな言葉と同時に体内からこみ上げる何かがあり。
俺は爆発した。
それは頬杖で支えていた顔面がずり落ちた衝撃だった。
慌てた。存外慌てた。
とはいえどうやらまだ爆発するタイミングではなかったようだ。
まだ死んでいる。あぁ、生きている。
なんだか肩が凝る。胸は無いが、無念に駆られている。
どうやら授業も閉幕の時間。
流行の最先端、俺たちは今を生きている。
だから、授業など流行の最先端の最先端に行ってしまえ。
早く溶ければいい。
十二時には魔法が解けるのだから、早くチャイムと同時に解ければいい。
そして消えればいい。魔法ごと消えればいい。
綺麗事ごと消えればいい。
綺麗に消えればいい。
あぁ、太陽が汚いな。
そう言えば良かったのだろうか。
そうすれば俺は猫に名前を付けられただろうか。
いや、きっと俺は虎になるだけだ。
自己満足と自己肯定感の狭間で俺は静かに息を引き取るのだ。
だから汚くていい。綺麗な月など汚い太陽だ。
でも誰も教えてくれない。
だからオオカミにお祖母ちゃんが食べられた。
そこから学ぶべき教訓は、なんだったかな。
あぁ、そんなものはない、だったな。
そう、そんなものはない。
影の中で生きていればいいのさ。
まだ生きているだけマシだろうさ。
脳みその中で俯いていればいいさ。
でも、きっとそこは微睡揺蕩う池の畔だ。
綺麗だろう。でも淀んでいる。君の眼が。
だから汚いだろう。太陽と一緒さ。君は月になれない。
呼吸と一緒に生気を吐き出している。
微かに悲鳴を上げながら白く消えていく。
冬は嫌いだ。
でも夏も嫌いだ。
かといって春も嫌いで。
でも秋は好きではない。
どこにも居場所はない。
生き甲斐はない。俺はヤドカリ以下なのだ。
ドロドロと腐り果てた愛情が、ざらりと湿った友情を引っ提げてこっちへ来た。
和平交渉か。そんなわけがないか。
何をしゃべっているのかわからないが、どうやらそこには情などなかったみたいだ。
あーあ、また殴り合いのケンカだよ。もう2000年近くやってるぜ。
互いに共存してくれよ。そのうえ時々意味わからないくらい仲がいいし。
はぁ、空になったペットボトルぐらいささっと捨てろよ。
いつまでも中に水入れて使い古してんじゃねえよ。
ったく、底から水が漏れてやがる。
人魚姫でさえ声を捨てたってのに、お前らはペットボトルも捨てられないのかよ。
嫌になってきたな。いやに気になってきたな。
嫌気が差してきた。いやに天気が良いな。
汚い太陽だ。そう思った。なんとなく、だが。
どう見ても窮地に追いやられている。
九死に一生を得ることが出来ても、窮地では一勝も得られないのである。
足掻くだけ無駄なら、足掻かないことほど無駄じゃないこともない。
でも足掻かなきゃいけなかった。
無駄にならなきゃいけなかった。
だから無駄になるんだ。
ただ無になるんだ。無に、無二。
そうやって悟りを開いたのが唯一無二の無駄だった。
無駄を無駄なまま無駄にした結果、唯一無二の無駄になった。
グレードアップといっていいだろう。アップダウンといっても過言じゃない。
波がある。呼吸がある。だから生きている。
でも凪いでいる。泣いている。だから生きていないはずだった。
予想を遥かに上回る激情の津波に流される。
そして息絶える。生きたまま感情を得る。
馬鹿げてやがる。誰だよ主演をピエロにしたヤツは。
元気な老獪と謙虚なマセガキ。
くだらない題名だった。でも生きていれば時折気づくのだ。
タイトルほどバカにならないものもない。
そんなバカみたいな話だった。
で、今日は何日だったかな。
エイプリルフールならそろそろお釈迦様になってもおかしくないだろう。
そこでふと俺の中に新たな疑問が沸いた。
降って沸いた。一滴の雨が温泉を掘り当てた。
すごいぞ。
そう思った瞬間に沸いた。
沸いた温泉が沸いた。沸騰して、振り出した。
あぁ、これはきっとバベルの塔だったのだ。
なんて惜しいことをした。俺はもうすぐ登頂できたのに。
これが神様の悪戯なら、人間の悪意でお出迎えしてやろうってのに。
天使の笛も鳴らなかった。
まだ世界は終わらないのかもしれない。
ただ、すでに終わっているかもしれない。
時すでに遅し、その言葉こそが既に遅かった。
遅すぎた。俺たちは何万光年先の未来を望んでいた。
そこに微かな期待と遥かな邪気を含んだ、少し潤んだ涙を垂らす。
すると泡立つ。消えていく。
もう戻らない。戻ろうとさえ思えないほどに、その時点に俺たちは戻れない。
戻りたいと願った戻った未来に、俺たちは戻れなくなる魔法をかけた。
八方塞がりのルービックキューブ。
頑張って動かして逃げ道を探す。そこは常に循環していて、逃げ道は行き止まりだけだった。
その時これでもか、と言わんばかりの雷光に頭蓋が打たれた。
響く。静かに轟く。犯人は命を削り取る鎌を片手に持っていた。
違う。命を削り取られた鎌だった。
わずかな余命を黒板に紡ぐ。
あぁなんて神秘的だろう。お涙頂戴だ。
とりあえず泣いてみた。ぴーちくぱーちく囀ってみた。
時計の針が軋んでいた。
烈火の如く怒り出したそれはただ俺たちをにらみつけている。
無能どもめ。俺を見てなお気づかないのか。そう言っているようだった。
ありがとう、でも余計なお世話だった。
あと五分。その期待を込めた眼差しに、時計は色を失って静かに針を示した。
暗黙の了解。これでいい。そのうち了解するヤツらも消える。暗黙になる。
そうした時、0と1の間に消えた俺たちの生き様は。
電子の海から解き放たれる。真の自由と共にあらゆる概念に生き続ける。
そう考えれば気が楽か。
幾何学的か。いや分からない。なんとなく、そう思った。
そもそも俺たちは学んでいるわけじゃない。失っているだけだ。
失った痛みを覚えているだけだ。
二度と失わないように失い続けるだけだ。
そこに他意は無い。差異は無い。皆等しく失うだけだ。
あと一分。
そこまで来た。観衆のボルテージも、静かに滾っているのがわかる。
そうか。やっとだ。
雨でも降ればよかったのに。
そうすれば汚い太陽を拝むことなく、胡散臭い雲に看取ってもらえたのに。
人質片手に脅迫された日々にさようなら。もう俺たちに人質はいない。
殺し屋風情が人を殺してなんになる。てめぇらなんか生きていやがれ。
さぁさぁこうして針は進んだ。
逆行することはなかった。
だから、俺た
恋愛小説は楽しかったですか?