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僕の友情物語 ~友情ってこうだよね?~  作者: 神矢 利久
第一章 平民編
4/10

友達になりました

そんなわけで今日は精霊さんとお話をしたいと思います!

またもや椅子を引きずって樽の前まで運ぶ。なんでもいいけど、この椅子重すぎない?4歳で持ち上がらないって・・・あれ?普通かな?


「さてさて、精霊さーん」


樽の中の水に向かって声をかけると、昨日の夜と同じように水が猫の形になった。


「おはようございます」

「ロースティント またあった」

「はい、今日は僕お留守番ですから。昨日の続きを聞かせてもらってもいいですか?」


見かけは可愛い猫だけど、精霊って言われたからか敬語になっちゃうや。まぁ、いいか。変に怒られて呪われたら嫌だしね!


「せいれい みんな ちからかす」

「昨日言ってましたよね。みんなって誰のことですか?」

「みんな でてくる」


精霊さんがそう言った瞬間に僕の周りを囲むように景色が揺らぐ。な、何事!?まさかみんなってめっちゃいっぱいいるの!?家壊れないよね?反射的に頭を抱えて座り込む。


「ごめんなさい。ちょっと待ってください。家は壊さないで!」

「ロースティント はやくたつ」

「いえ こわさない」

「たって たって」

「かお みたい」


猫以外の声がする。でもそんなにいっぱいいる気配じゃない?恐るおそる顔を上げてみると、そこには兎と虎と狐がいた。


「みんな きた」

「えっと、これで全員ですか?」

「そう せいれい 4しゅぞく」

「ぜんいん みれるの おうぞくのみ」

「ロースティント ちから ある」

「みんな ちから かす」


全員がそれぞれ喋っているけど、みんな片言で違いがよくわからない。姿をじっくり見てみると、それぞれ色が違っている。猫は青。狐は赤。虎は黄色。兎は緑。それぞれ半透明な色だけど、すごく綺麗な色だなぁ。4種族って言ってたから、水と火と土と風とかかな?


「えっと、こんにちは。僕はロースティントです。ローテって呼ばれています。」


とりあえず挨拶は必須でしょ。精霊たちは僕の名前も知ってたみたいだけどね。でも愛称を伝えれば「ローテ」と何回も連呼された。なんか嬉しいような恥ずかしいような。そういえば精霊さんって名前ないのかな?


「あの、精霊さんって名前とかないんですか?」

「せいれい なまえ ない」

「せいれい いっぱいいる なまえ ない」


同じ姿の精霊がいっぱいいるから名前がないのかな?でもみんな精霊さんだとわかりにくいよね。なんとか名前をつけさせてくれないかな?


「じゃあ、僕が名前を付けてもいいでしょうか?」


僕の提案に精霊たちが無表情になる。いや、最初から表情とかなかったけどさ。なんか雰囲気が尖った気がするんだけど、これやっちゃったかな?


「なまえ ほしい」

「ローテ つけて」


しばらく待つと付けてと連呼された。よかった、なんか変なこと言っちゃったのかと思った。にしても名前ねぇ。自分から言っといてなんだけど、そんなにパッと思いつかないよ。どうしよう。


「えーと、じゃあ精霊さんたちのことをもっと詳しく教えてくれませんか?」

「くわしく いう」

「なに いう?」


いい名前を付けるにはまずは人となりを知らなきゃね。・・・相手人じゃないけど。さて、何から話を聞こうかな?


「では、精霊さんの力を貸してもらうと僕は何ができるんですか?」


まずは初歩的なことからね。力を貸すって言われても何ができるのかわからなきゃ借りようがない。片言がだからちょっと意思の疎通が難しかったけど、どうやら精霊さんの力を借りると魔法が使えるようになるらしい。おぉ、ファンタジー!まぁ、魔法って言っても「〇〇してください」ってお願いすると精霊さんがやってくれるって感じらしい。だから特に呪文とかは覚えなくていいんだって。お手軽魔法でよかった。

ちなみにやっぱり動物の種類で属性が違って、色そのままの属性らしい。つまり、猫が水。狐が火。虎が土。兎が風。あとは精霊にも階級があるらしく、彼らは下級精霊だそうだ。中級になると大人の動物の姿になって、上級になると人型になるらしい。人型の精霊ならしっかり会話とかもできるのかな?


「わかりました。ありがとうございます」

「ロースティント なまえ」

「なまえ はやく」

「ちょ、ちょっと待ってくださいね」


他に聞くことがないか考えていたけれど、精霊さんたちに名前を急かされてしまった。今まであった人は名前をつけてくれなかったのかな?にしても名前かぁ。上級精霊も同じ名前で呼ぶとするとネコとかトラとかまんまじゃだめだよね。む~ん、どうしよう。


友達になる前に終わってしまった。次こそ友達になります。

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