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第六十三話 学者

「基本的に村の設備はリュー殿が発案しているんじゃよ」


 村に着くと村長を紹介された。ご高齢に成ると髪は白っぽくなり、見事な髭を蓄えている。

 鱗も輝き方が鈍くなって渋い。ツヤ防止加工をした鉄板のように見えなくもない。

 辰人は人に近い見た目をしているんだなと村を回ってメリウスは思う。

 

 リューはこの村における学者的な立場で、過去の記録や残された魔石を利用して幾つかの魔道具を作ったり、村の防衛機構を提案したりしていた。

 長寿な辰人の過去から伝えられる学問は得るものが多く、この村を守ることに多大なる貢献をしてくれた。


「リューさんは今の現状をどうお考えになってるんですか?」


「い、いや、そんなにかしこまらないでください。

 命の恩人にそうかしこまられると話しにくい」


「すみません、辰人の間にはあの赤目達はどういう風に伝わってきているのですか?」


「はい。我々の記録では1000年ほど前、魔石が地層などから採取できていた頃にはじめて目撃されています。そして、赤目の出現と同じくして、魔石が大地から得られることがなくなったのです」


「そして、赤目の体内には魔石が……関連がないとは思えないですね。

 1000年前に何が起こったのですか?」


「一番大きな事件は『果て』の出現と、我らの国が閉ざされたことですね」


「国の分断……」


「以前この国には丑の国、寅の国、うまの国、ひつじの国と接しており、商売や物の行き交いで大変盛んだったと記されています」


 過去の歴史を研究していたリューの話はメリウスたちにとって多くの知識を与えてくれた。

 一通り現状を整理したところで今後の村へのメリウス達の助力と、逆に村の人達に協力してほしいことを話し合う。


「すごいな外ではそこまで加工技術が進んでいるのか……」


「リューさんの魔石に対する考察も凄いですよ、うちにある魔石を使って是非研究を続けてほしいです」


「細かな細工は我々の得意分野なのです」「なのです」


 えっへんと胸をそらすアンとドワの愛らしい姿にリューはメロメロだ。


「はーん! アンたんとドワたんかわゆす~!」グニャァ~


「……細かな計画はおいおい組んでいく形で、村の防備を早いとこもう少し拡充させましょう」


「よろしくお願いします」キリッ


 ギャップ萌えと言うには崩れ過ぎだよな、メリウスは冷静に分析していた。

 長身のかっこいい女性がショタと言うのは王道なのかもしれない。

 3人が幸せなら、それでよかった。


 何の話だ。


 リューが加入して最も大きな変化は魔石関連だ。

 今までの属性紋を組み合わせた複数の複雑な魔紋陣を構成することが可能になり、より強力な魔道具や戦闘でも使えそうな道具の可能性が生まれてくる。

 辰人は魔力に優れ闘気にも優れたバランス型、一つ不思議な事は一晩たっても人化することはなかった。


「よし、村人の保護は成功した。あとは村の防備をしっかりとやりつつじっくりと腰を据えて攻略していこう」


「一度寅の国の様子も見に行かないとですね」


「ああ、焦らずじっくり進もう」


 まずは地盤をきちっと固めて、なんなら果てに砦を作ってから新大陸を呼び出すくらいの意気込みでメリウス達は各地の人々を援助していく。


 新しい大陸に入ったらまずは地図の作成、特に辰の国のように入り組んだ作りになっている場所は死活問題になってくる。

 各国からの街道の整備をしっかりとおこない、旅人の安全に配慮せねばならない。


「プリテ曰く、お互いの加護はきちんと働いているそうだ」


「卯の国は細工、加工の加護。細かな作業の効率が上がり、思ったように物が作れる。

 辰の国は魔石魔紋の加護。魔石の持つ力を全て引き出して、複雑な回路を利用した道具も作れる」


 それぞれの国の代表に今自分たちが受けている加護の説明をしてあげておく。

 メリウス達が開放してきた国は5カ国に上っている。

 子の国、丑の国はすでに街と呼んで良い規模の都市が出来ており、寅の国は現在掃討作戦中。

 そこで急いで次の国を開けたせいで序盤に激しい赤目の猛攻を呼んでしまった。

 これを反省点として、今回は卯の国、辰の国も十分に発展させてから敵拠点を抑える計画になっている。


 卯の国のラビテ村は天然の要害になっているので内部を整えた上に、交通の肝となる場所を見極めてそこに新規の街を建築することになった。

 見晴らしの良い草原、大規模農場を行うのにはうってつけだ。

 きっと将来的には各国の食料庫として重要な場所と成る。

 辰の国には丑の国から多くの人が入ってきている。

 豊富な山岳資源を利用するためだ。

 景観は出来る限り崩さずにそして、安全に資源を採掘していく。

 

「メリウス様、とうとう試作品が出来ました!」


「おお! 見に行く見に行く!」


 各国の人々が技術や知識を寄せ合ったことで全く新しい画期的な物もどんどんと出来上がっていた。

 今日はその中の一つが完成した。


「コレが……魔剣……」


 魔石を利用した魔道具の特製を持つ武具の完成だ。

 武器で言えば属性武器、防具の場合は反属性防具。

 周囲の気温に影響を受けないようにする魔道具など、戦闘にも日常生活にも役立つものも多く生まれている。

 ここに来て革命と言っていい生活の変化が訪れている。

 




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