6話~冒険への新たな旅立ち
「まずはドワーフの岩場まで行きましょう。
さっきもセシリア姉さんが言ってくれたようにヒカル様の頭の中に目的地がインプットされているので大丈夫です。それとさっき、話した時にセシリア姉さんが場所も違う所に落ちちゃったしヒカル様が武器も訓練も何もしてないから運気と力を倍に上げてるんですが、セシリア姉さんの提案でそれでもちょっとヒカル様が心配だからって私が一緒にヒカル様に同行するように言われて。私もヒカル様にご迷惑かけてしまったので同行には賛成なんですよ。でも、ヒカル様にあんな風に言ってますが何だかんだ言って、ヒカル様の事が心配なんですよ!
昔からセシリア姉さんって本当に面倒見が良くて凄く後輩たちからも慕われているんですよ♪口は多少、悪いですが。フフフ」
「クロエ、余計なこと言うんじゃないわよ!私はあなたの初任命だからいきなり任務に失敗されても姉として困ると思って言ってあげただけよ!フン」
そう言うとセシリアは照れるように俺に背中を向けた。
まあ同行すると言ってもヒカル様が一人でも大丈夫と思えるぐらいまでなのでこれはあくまでヒカル様ご自身の更生プログラムなのであまり私が介入をして進めてしまっては意味がありませんので」
そう言うと、クロエは、出発の準備に取りかかった。俺は、何だかんだ言ってこうゆう風に俺を心配してくれているクロエとセシリアの行為が凄く嬉しかった。
「じゃあ私はクロエがこっちに帰ってくるまで上層部にみつからないように戻って隠蔽交錯でもしておくわ~!
こんな事が見つかったら、ただじゃ済まないだろうしね~!長くは隠せないからちゃっちゃと行っちゃいな。それと、クロエもいるけど分からない事があったらその指輪で呼び出して。でも、さっきも言ったけど決まりで三回までしか呼び出せないから本当に困った時にしてね!フン」
「セシリア姉さんありがとう。頑張って、ヒカル様をサポートするから」
そうしていると白光が天から真っ直ぐ降りてきた。そして戻ろうとするセシリアに俺も大きな声で声をかけ手を振った。
(セシリアー!お前の事さっき狂気じみたヤバい奴と思ってたけどさー!お前、ほんっとうに最高だよー!ありがとうなー)
そう言うと、セシリアは白光の中で振り返り、俺の顔を見て何かを言いたそうな顔だったが何も言わず、また前を向き、白光の中に消えていった。
さーて、俺も、これでやっと駆け出し冒険者かー!一人じゃあ心細いけどクロエと一緒なら凄く心に安心感ができた。
「さあ、出発しましょう!この森を抜けた所の大きな岩山がドワーフの岩場になってるのでって
……その前に……ヒ……ヒカル様……その~……ふ……服を」
あ……!
俺は話しに夢中で寒さも忘れ、服を川岸に乾かして置いているのを忘れていて急に凄く恥ずかしくなりダッシュで服を取りに行って着替えた。
そして、森に入って俺はセシリアの入れてくれた目的地までのインプットされている道を頼りに歩いていた。
二人で冒険!俺は、心が弾んでいた!
横を見ると、美少女のクロエ。
こんなゲームでしかプレイした事の無いようなシチュエーションが現実にしかも今、起きている!
まさに俺にとっては、(神熱)である。
でもこういう時って、何を話せばいいんだろう…ネットとかや友達とかとなら気軽に喋れるんだけど…こんな可愛い女の子とは現実でも喋った事がない!
駄目だ!思いつかない…
クロエの趣味や、たとえば彼氏がいるの?とか…
バカ野郎…俺…
それじゃあただのそこらへんにいるナンパ野郎と変わりないじゃないか!
いきなりそんな事を言ってキモがられてもヤバい!
ちくしょー!恋愛ゲームじゃねえんだぞ。
どうする俺?
そんな考えを色々、考えていると沈黙を破り俺の事を察してかクロエが話しかけてきた。
「ヒカル様は、か」
クロエが何かを言おうとした途端、もの凄い地響きがあり、辺り一面に鳴り響き森に止まっていた鳥達が一斉に羽ばたき出した。そして森の奥からこちらに凄い速さで向かって来ている気配があった!
「グルルルル」