2話~VRK
「何回も何回もクロエってうるさいんだよ!まったく、寝てもいられない」
(あの~!本当にさっき話をしたクロエさんですよね?)
全然、さっきの可愛い声でも無く、ましてや、どちらかと言うと、色っぽい声だ!
「クロエは今、席を外してるから代わりに私がいるって訳さ」
(なるほど…そうだったんですか…ホッ)
現状を一応、理解して僕は、次の質問に移行した
(ところで、あなたは、誰なんですか?)
一番の疑問点を聞いて見ることにした。ましてやどこの誰かも分からない
「あ~!そうそう!私の事、言うの忘れてたわね…アハハハッ」
(…)
「私は、クロエの姉のセシリアっていうの。ヨロシクね。そうそう!あんたさ~!ヒカルっていうんでしょ?クロエがヒカルって子が呼びかけてきたら説明して上げてって言ってたからさ~!別に私はさ~面倒だから説明とかしたくないんだけど~」
(はい。俺、いや、僕がヒカルです。あの~説明は大事なんで…
お…お願いします)
ヒカルは頭の中で考えていた!
いやいやいや、いきなりの誰かも分からない人の声が頭に入ってくるだけでもビックリしたにも関わらず、説明もしてくれなかったら話にならないし!ていうか、クロエのお姉さん、セシリアやる気ないだろ……絶対。しかし、声は色っぽいのが、実に良いよな!クロエにはない大人の色気ってゆうか……出来れば顔も見てみたいよなー!
「そうなの?」
へッ?
「あ!言ってなかったけど、全部、あんたの考えてる事は脳を通じて喋ってるんだから全部、解るよ」
エーーーーーーーー
マジ?
イヤーーーーーーー
「まあ、それはさておき、ヒカル、あなた、嬉しい事、言ってくれるじゃない。じゃあさ~!まあ、私の声が好きで、顔も見てみたいってならそこの箱の中に入ってるVRKを頭に装着して目の横の丸いボタンを押してみて!まあ、直接、頭に声が届くより映像で出るから分かりやすいかもね~」
これか。VRk…見た感じは今の所、どこにでもありそうないつものVRと変わりないな。まあ、直接、脳に言葉が入ってくるよりは映像で見た方が分かりやすいし 楽だよな。セシリアの顔も観れるし♪
よし!装着っと…
「あ!それとね…言い忘れて」
キュイイーーーン
うわ!何だよ!これ!
いきなり頭の中に音が鳴り響き、強い光が凄い速さで目の前を通過していっている。言ってみれば、白い無数の光の中でどこかに飛ばされてる感覚のようだった。