1話~(第1章)黒い小包
今日も、退屈な朝がくる。毎日が、同じように繰り返されるそんな毎日が…
「ヒカル、ご飯出来たから置いておくね」
母はいつもの様にご飯を置いて仕事に出かけた。
俺は、世間一般から言えば、引きこもりやニートと言われるが自分ではそうは思っていない。俺は、外にも出歩くし、友達もいる。勉強や運動だって、人並みにあるつもりだ!只、唯一、家にいると言うだけで、引きこもりやニート扱いされているだけなんだ!そして、そんな些細な事は俺にとって全然、気にならない。
まあ…ちょっと人には言えない秘密があるけど…
「宅配便で~す」
「は~い。今、行きます」
誰だ?俺宛に、小包って?
部屋に戻り、小包を開ける事にした。黒い小包で見るからに怪しい。俺、何か注文したっけ?まあ、考えてても始まらない俺は、恐る恐る、小包を開いた。そうすると、説明書らしき紙が入っていて俺は、読もうとした途端、頭の中に声が入ってきた!
「初めまして!ヒカル様!」
俺は、いきなりの出来事で混乱しつつもその声が女の子の声と分かった。
「驚かせてしまいすいません。私は、クロエと申します。ヒカル様へ直接、脳の方へ通じて話しかけています」
俺は、一先ず、落ちつこうと、片手に飲み物を持ち、ゴクリと一口飲んだ。少し落ちついた素振りをしたけど、訳が分からないのは変わりない…
まあ、声は可愛い…それだけは気に入っていた。
「ヒカル様!落ちついた所で本題ですが」
女の子が話そうとすると俺は咄嗟に声が出ていた。
「あのさ~!クロエさんとか言ってたけどこれは何かの新しい勧誘とか霊媒商法とかそうゆう類いの物?そういった物なら返品するよ。どう考えたって怪しさ全開だし」
その途端、女の子の声が、弱々しくなり、「そういった物では決してなくヒカル様が疑うのも無理はありません。私はヒカル様をサポートしていく任命に…アッ…それでは、また説明書をお読みになり興味があれば私を呼んで下さい。説明書に書いてありますので」
か細く、消え入る様に、女の子の声が頭から途切れた。
何だったんだ!いったい!俺は、夢でも見ているのかと自分の頬をつねってみたが痛みがあって夢では無いことに気が付いた。
まあ、いいや。取り合えず、ご飯でも食べて、脳を活性化させよう。ご飯を食べて、一息ついたら眠くなりいつの間にか寝てしまっていた。起きると、一階で母が仕事から帰っていて、台所で晩御飯の仕度をしていた。
「ヒカル、今日の晩御飯、唐揚げだけどそれでいいよね~」
「うん」
「お父さん今日も、仕事で遅いらしいから先に出来たら食べててね」
父親が、仕事で遅いのは日常茶飯事なんで慣れていた。
そんなに気にした事も無かったし寂しさも小さい頃からだったので今では、気にならない程度だった。それから間もなく、俺は、自分の部屋に戻り、小包の事を思い出した。
ちょっと怪しいけど、気になって仕方が無かったし、説明書ぐらいなら読んでも大丈夫だろうと思った。そして、説明書を手にとり、広げて見るとそれは1枚の地図になっていた。
これは、いったいどこの地図なんだ?見た事も無いような広大な広さと規模を誇るその地図に1つだけ赤い印で○が記されている。
開拓者のスタートライン…
裏には、その地図の説明やサポートなる者の事が書かれていた。さっき、いきなり声が頭から入ってきたのはこのサポートの者の
声のようだ。このサポーターを呼べるのは1日、3回迄で、そのサポーターの名前を呼べば、現れるらしい。
きっと何かの新しいゲームと、俺は思い、さっきまでの怪しいと思う気持ちよりも早くプレイしてみたいと思う気持ちの好奇心が勝っていた。俺は、どっちかと言うと、そうゆうRPG系は得意でよくOnlineでも仲間と冒険をして討伐や救出の類いはやり込んでいる。
よし、早速、さっきの女の子を呼び出して見よう。
え~っと…確か…クロエとか言ってたな。
「クロエ~」
あれ?「………」
「クロエさ~ん」
「もしも~し!クロエさ~ん」
「お~い…クロエ~」
「何だよ!さっきからウルせえな~」
えッ………っと……あの~……クロエさんですよね?!
ちなみに作者の好物はデミ玉ハンバーグです(笑)