武器と回復
「樹お兄様! おはようございます!」
「おお! クロエちゃん元気だねおはよう」
今日はクロエちゃんと鉢合わせた。
「お兄様。今度どこかへ遊びに連れていってくださいませんか?」
「うん。いいよどこ行くか考えておくよ」
クロエちゃんが喜ぶ所……遊園地かな?
「ありがとうございます! ではいってらっしゃいませ!」
顔を紅くして笑うクロエちゃんはとても可愛らしい妹だと思った。
「ガアアアアア!」
「グガアアア!」
「二体かよ!」
そして今日も小鬼に襲われている俺。
なんなんだ異世界に迷いこんでるのか朝の通学路は!
「少年! これを使え!」
「えっ?」
そちらを見るとこちらに何かを投げ渡すおっさんがいた。
キャッチするとそれは銅の剣だった。
「やっちまえ!少年!」
「うおおおお!」
ゴブリン二体に俺の斬撃をおみまいする。
ゴブリンはまた銅貨とこん棒などを落とし消えた。
「やるな少年」
銅の剣を投げ渡したおっさんが立っていた。
「……どうも」
銃刀法……
「実はな少年。俺は魔物ハンターなんだ」
魔物ハンター?
「ごくたまに魔物がわく場所がこの日本にもあるってこった」
「昨日も魔物に会ったんですけど?」
「そいつは大変だな! そんなんじゃ毎回戦いそうだな。どうだ? 俺と組まないか少年」
「どういう事です?」
「戦うときに必要な武器は俺が少年に渡そう。少年が傷ついたら回復しよう。変わりに銅貨と戦利品はいただくがね。何故か魔物が湧く結界に入るみたいなんだよ少年は」
「なんかゲームみたいな展開ですね」
魔物と現実で戦うなんて昨日たたかっても夢だと思ってた。
「はは。でどうするんだい俺と組むかい?」
「正直、俺以外の誰かが巻き込まれても嫌なので魔物退治やってやりますよ!」
それにRPGみたいでおもしろいし
「少年が魔物を引き付けているのかもしれんがな……まあそれはともかく少年が戦うときの武器調達は俺に任せてくれ」
「はい。よろしくお願いします!」
正直、この人が魔物を操る黒幕かと疑ってみもしたけど悪いおっさんじゃなさそうなんだよな……