野生のゴブリンが現れた
「こんにちは。樹さん」
「あ、アリシアさんこんにちは!」
隣の大きい屋敷に住んでるお手伝いさんのお姉さんに元気に挨拶する。
「樹さんはこの銅の剣とはがねの剣どちらがいいですか」
両腕に剣を持ってる事をスルーしたけどスルーできなかった。
「いや一応、学校の選択科目で剣道してるんで竹刀今もってますから」
「あら、そうですか。じゃあこの剣はいらないですね」
「は、はい」
アリシアさんは時折天然過ぎるボケをかますから困る。
そんなの持ってたら銃刀法に引っ掛かってしまう。
平和大国日本に剣なんて必要ないんですよアリシアさん。
「それでは、頑張ってくださいね? 樹さん」
「はい。学校行ってきます! クロエちゃんにもよろしく」
クロエちゃんは屋敷の娘さんだ。昔は隣同士だからよく遊んだもんだ。
「いってらっしゃいませ」
平和大国なこの日本で雄叫びをあげながら小鬼と呼ぶしかない小さな魔物が俺に襲いかかってきた。
「うおおおお! うおおおあ!」
竹刀で突きをかました。
「ガアアアアア!!」
あんま効いてねえ……
しょうがない人間にしたらヤバイけど首に突きをおみまいするか。
「ガアアアアア」
狙いをすませて……
「そこお!!」
「がふああ アが!」
効いた!?
小鬼はその場で倒れのたうちまわった後、音も出さず消えた。
残った物は謎の銅貨と小鬼が持っていた小さいこん棒だった。