水曜日5
水曜日ようやく終わります!
「ふ、普陵さん。」
そう言った瞬間、男たちの顔から血の気が引いた。
目を見開いて言葉が出ないように口を開いたり閉じたりしていた。
普陵さんが僕を見た。
怒っているようにも見える細い目には怯えた色が揺れていた。
「あの」
普陵さんの体が強張った。
「そろそろ・・僕・・限界で。」
「へ?」
先ほどから吐き気がひどい。
めまいもする。
僕はひどい貧血持ちで長いこと立っていることが出来ない。
「気持ち悪くて・・」
「え、あ、えと。
そういうわけだから!お前ら卯田に伝えといてくれる?
俺に連絡するようにって。あ、名前・・」
少し黙って考えた後
「普陵、京輔って言えば分かるから。」
意地悪い笑顔を向けながら、一撃必殺の言葉を放った。
男たちはがたがたと震えながら
「はっはひっ!」
と情け無い返事を返した。
普陵さんて意外と子どもっぽいなと思ったら、
くらりと世界が回りだして目の前が真っ暗になった。
目を覚ますと目の前に知らない人の顔があった。
ソフトモヒカン、という感じのヘアスタイルで、やんちゃをしていそうな雰囲気が
プンプンする。
「普陵さん、目ぇ覚めましたよ。」
「ほんとか!」
ドンドンと床が揺れて覗き込む人が増える。
「良かったー。気分はどう?」
一瞬どういう状況に置かれているのか掴みかね頭が混乱する。
「宗太くん気分悪くなって倒れちゃったんだよ。」
普陵さんが不安そうに大丈夫?と聞いてくる。
「あ、の。ここは・・・?」
「ん?コイツの家。いや、そのまま帰ったら梓にどやされそうだとおもって…起きて平気?」
「は、はい。ご迷惑おかけしました。」
床に手をついて頭を下げると、いーのいーの、と普陵さんは手を振った。
「大事無くてなにより!さ、帰ろっか。」
「はい。」
「佐久、急に悪かったな。」
「いえいえいえ!先輩のお役に立てて光栄ッス!」
「お!お前言うようになったな。誰の知恵だ?」
「……神奈先輩ッス。」
「やっぱな。だろうと思った。あ、そうだ。卯田と同級生だったよな?」
「え?あ、はい。」
「後輩にあんま変な事教えんなって言っといて。」
「……なんかやらかしたんですか?」
「いや、大した事じゃ無いんだが、俺に喧嘩売ってきたんだわ。」
「げっ!?申し訳ないっす!よく言っときます。」
「んじゃな。」
「うっす!」
帰り、普陵さんの顔をじっと見ていると
「な…なにかな?」
「普陵さんて、なんか、すごく偉い人だったんですね。」
通りすがった不良全員が、普陵さんを見ると警戒するか頭を下げた。
それを普陵さんはあっさりと
「俺、嫌われてるからね。」
と言って笑った。
雨が降ってたの忘れてた(笑)。
前回までの話無視しまくった内容でごめんなさい。
おお突然そこにいく!?と思われたでしょう。
ほんと、すみません。