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ほんわか日和  作者: 千助
3/7

水曜日

『―――――により、午後からは雨の降るところも――――』

プツンッ

薄っぺらい鞄を掴み玄関へ向かう。

「行ってきまーす。」

出掛けに傘を一本抜き取った。


「気をつけ、礼。」

帰り支度を始める音に混じって、女子の甲高い声がした。

「うそっ!雨ふってんじゃん!」

「マジで!うち傘持って来てないよー」

「わたしもー」

朝の天気予報で降水確率90%っつってただろ、と心の中で毒づく。

「朝の天気予報で言ってたわよ。」

俺の心を代弁するかのように、傍に立つ和風美人が言った。

「さすが江良えら!見たんだな。」

クラスの誰かがからかうように言った。

「ええ。傘は忘れたけれど。」

「マジか。見てきた意味無くね?」

すかさず俺のツッこみが入る。

「大丈夫、濡れて帰ればいいのよ。問題無いわ。」

「じゃあ何で普段傘さしてるの?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

江良梓えら あずさはしばらく無言で俺を見ると、

「帰るわ、さよなら。」

ポニーテールをふわりと揺らして踵を返した。

「おい、無視かよ。」

眉間にしわを寄せる。

「しゃーね、傘貸してやるか。」

頭を掻きつつ後を追って教室を出た。

三回目の正直!

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