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3話、現在の住所→五階層目


「君の名前は青月。そう呼びたいんだけど、良いかな?」



一生俺にネーミングセンスの神が降臨する事は無いけど、青月と言う名前を気に入ってくれた様子。青月はその名前を聞くや否や金魚鉢の中をグルグル回ったり、飛び跳ねてみたり。まるで水族館のショーを特等席で眺めて居る様だ。


さて、この後は何をしよう。アクアはまた俺の頭によじ登って遊んで居るし、青月は生まれたばかりだからそっとして置いた方がー‥って餌は‥‥あぁ、水と魔力か。



「アクアー、俺まだ寝る様な時間じゃ無いし、探索しようか」



おう!と言わんばかりにアクアが身体を震わせる。俺はアクアを頭に乗せたまま、椅子から立ち上がり扉へと歩いて行く。すると、ガシャンッと大きな音が立ち慌てて俺は振り返る。


ふよっ、と青月が浮いて居た。突然の事に俺は目を剥いて驚いたが、スキルの事を直ぐ様思い出しバクバクと早鐘の様に鳴る心臓を治めようと深呼吸。恥ずかしい。


青月は俺に頬擦りし、割ってしまった金魚鉢の上を申し訳無さそうに何回も回る。



「大丈夫だよ、青月。古風な金魚鉢を撤去。‥ほら、綺麗になった。一緒に行きたかったなら、俺の方が申し訳無かったな」



アクアと同じ扱いをして良かったのか‥。手探りに近い情報しか無いと言うのは、凄くもどかしいな。是非とも「これを見れば完全解明!素直な良い魔物の育て方、上・下」って本が欲しい。


頭にアクア、俺の直ぐ隣には青月が浮遊して居る。今日はこのスタイルでもう一回狩りに行っちゃうぜ。そうだなぁ、草原はさっき調べたし、今度は余り深くに行って無かった森を調べるか。



「アクアはいつも通り斬り込み隊長をお願い、青月は水鉄砲と尾剣で敵を撹乱。俺はどっちもかな、2人とも宜しくね」



部屋を出て直ぐ六階層の上り階段を上がりながら、今後のフォーメーション決め。スキルから思うに、アクアは近距離攻撃型、青月は遠距離支援型。俺が勝てるのは動きの速さ位だし、2人が危険に晒されぬ様に立ち回れば良い。なのでこの作戦は結構いい線行ってると思う。多分。


アクアから心地良い了承のプルプル振動を受けながら、青月の頬擦りも頂く。ヤバイ、可愛過ぎ。


漸く階段を上りきると、さっき見た景色と変わらぬ光景が広がる。ここには太陽の様な明かりがあるけど、ずっと昼間の様な明るさ。青空が見たい、と少しばかりホームシックになりそうだ。


いかんいかん、暗い気分は嫌なフラグにしかならない。2人を連れて森の中を進むも、幾度見渡そうと木と草のフェスティバル開催中。木の特徴は皆同じ3メートル程の木、RPGなら人面樹辺りが出て来るって相場だけどな。



「‥‥‥終わりか」



相も変わらず出て来る魔物はリーフレット、しかも植物なのに水が弱点だった。ザックザック、草を掻き分けながら進んで居ると石壁に突き当たる。ふむ、階段探はこの石壁を伝って行けば楽に探せるだろう。


暫く石壁伝いに歩けば、読み通り次の階層へ上がる階段が見付かる。またザックザック、背丈の高い草を掻き分けながら森から出ると視線の先には下りの階段。結構遠いが、直で来ればそんな距離でも無いか。



「んー、次の階層に行っても良いけど流石に青月のLvが心許ないな‥」



生まれたばかりの魔物はLv1から育てる、って言うのがセオリーだからなぁ。きっと俺が一番弱いし、この階層にはサンドワームって言うLv上げに最適な魔物がうじゃうじゃ居るし、やるか。


アクアには青月のサポートをする様に言い、青月のLv上げを開始。俺もサンドワームを倒して居たんだけどロックックの大群に追い掛け回された、何故だ!



にっ、鶏怖えぇぇっ!ロックックに追い掛け回されて居る所を気付いたアクアと青月に助けて貰い、ぜぇぜぇ肩で息をしながら一休み。辺りのロックックを一掃したらしく、俺が見える範囲ではサンドワームしか居ない。



「‥はぁ、疲れた」



回避スキルが無ければ即死だった、色んな意味で。喉も乾いたし、ちょっぴり贅沢して【経験pt⇔交換】から清涼飲料水を取り出そうと指輪に触れる。


すると【お知らせ】の項目がnewになっており、俺は音声認識にしてる筈なのに、と首を捻る。いや、追い掛け回されて居る時だったら気付かないか‥。



「格好良い俺は何処行った‥」



虚しくなりながらも【お知らせnew】の項目をタッチし、画面を開く。スキル習得とLvupのお知らせか、後で全員のステータスも確認しないとだな。てか、早く詳細なステータス観覧したい。



【お知らせnew】

《条件を満たした為、スキル挑発を習得しました。【眷族】アクアのLvが7に上がりました。【眷族】アクアがスキル長子的を習得しました。【眷族】青月のLvが2に上がりました。【眷族】青月のLvが3に上がりました。【眷族】青月がスキル水鞠を習得しました》



【簡易ステータス】

【個体】志津、23歳、♂

【種族】(ヒューマン)

【経験pt】1059pt

【スキル】指輪3、打撃2、帰還、駿足、回避、挑発

【装備】量販店の服一式、宿り木の棒、指輪

【眷族】アクア、青月


【スキル説明】

挑発=特定の行動により他を自らに惹き付ける


【眷族ステータス】

【個体】アクア

【種族】無機生物(スライム)

【レベル】Lv7

【装備】なし

【スキル】耐衝撃2、耐斬撃1、耐火、耐雷、水吸収、突進、触手、幸福4、忠犬、向上心2、擬態、長子的

【主】志津

【アクアから一言】

《あくあはおにいさんになったからしっかりするの。あるじ、あくあがんばる!》


【スキル説明】

長子的=【眷族】で長男の役割を自覚。下の【眷族】に対し世話焼き度up、知性度up


【眷族ステータス】

【個体】青月

【種族】魚(水魚)

【レベル】Lv3

【装備】なし

【スキル】回避、敬愛、水吸収、水浮遊、水鉄砲、尾剣、水鞠

【主】志津

【水魚から一言】

《あるじたまも、おにいたまも、だいすきっ!》


【スキル説明】

水鞠=鞠ほどの大きさをした水の玉を操る。殺傷能力は低い。水鞠の数はLvに依存する



‥‥長子?長男!性を持たないスライムな筈なのにアクアは男だったのか‥。うーん、役割の自覚だから性は余り関係無い?‥‥って、俺が考えても仕方が無いか。


そっと見なかった振りをし、指輪のパネルを閉じる。不意にふあぁっと俺の口から欠伸が漏れ、そう言えば眠気が増して来たな。ゆっくり立ち上がり座り込んで服に付いた土などを払い、口を開く。



「良し、一旦帰って寝るか。短い距離だけど【帰還】」



【スキル発動】

《スキル帰還が発動されました。ホームに帰還します》



言いながら足元に居たアクアを抱き上げると、青月は頭に乗って来る。【帰還】は触れて居ないと【眷族】は一緒に帰れない、って訳じゃ無いんだろうけど、もし2人を置いてきぼりにしたら罪悪感で死ねる。


直ぐ様「ホーム」へ【帰還】するとアクアと青月を置いて風呂に入ろうと‥‥、するが振り返ると2人が俺の後をこっそり着いて来るのが分かる。



「‥‥一緒に入るか」



アクアは俺と同じく広くなった風呂に浸かり、青月は流石にお湯がヤバそうなので木製手桶(1pt)に水を張りそこで我慢して貰う。ふぅ、極楽極楽。


後は割愛!


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