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11話、守る為のLv上げです


朝か分からないけど翌朝、会話もそこそこに次の階層へ行く準備を始める。と言っても大体が俺の準備、俺とシオの食事も。因みに一食で良かった筈なのに、毎回俺と食べてるのは《このすがた、ねんぴ、わるいのー》らしい。



「真白も起きて来たし、そろそろ次の階層行こう」


《ますたー、あくあがんばるー》



起こそうかと思って居たが、自力で真白が起きて来た。まだ眠たそうに瞬きして居るけど知らんぷりし、この間と同じく真白の背にシオを乗せ、そのシオの頭の上に青月が乗る。2人は水系だから気が合うのか?


ロートスは放置し、バージルの葉は皆で摘んだ。やはり朝には群生地帯になって居り、あの摘んだ量からしてMP切れを起こす事は早々無いと思う。


ぴょんぴょん跳ねながら、俺の言葉に返事するアクア。また「ホーム」に帰るまでお喋りアクアとお別れだ、ちょっと寂しい。だが先に進めば指輪のスキルも上がり、皆と話せる様になる。良し、テンション上がった。


長い階段が余計長く感じる様になって来た、伸びてる?と首を捻りつつ26階層目。そこには森とゴロゴロした岩山が続く。探索して行くと、岩山の隙間から何か黒い物体が出て来る。


ゴブリンと同じ位の身長で、布のローブを被り木の杖を持って居る。良く見れば顔はスパイダーの様にデフォルメされた可愛い羊、頭は巻き角を生やし、毛がふわふわのもふもふ。



「‥‥何これ可愛い」



羊の魔物に見とれて居ると、後ろのアクア達が何故か羊の魔物へ殺気を送り出した。殺る気満々?なので本題に戻ろう、そう思いながらステータスを見る。



【簡易ステータス】

【種族】(メージ)

【レベル】Lv27

【HP】237/237

【MP】491/491

【取得経験pt】30pt

【装備】木の杖、布のローブ

【スキル】土魔法1、土耐性、打撃1、怒涛の羊

《草原、隠れる岩場があれば良く見掛ける。魔法が使える賢い羊》



ふむふむ。やはり見た目通り魔法スキルで戦うタイプみたいだな、と考えて居る間に詠唱が終わって居たのか、土の塊が飛んで来てビックリした。慌てて緊急回避で避け、指輪【収納】からフランベルクを装備。


だが、慌てたのは最初だけ。皆がいつにも増して殺る気でみなぎって居たので、嬉々としてメージを狩って居た。怒涛の羊は他の仲間を呼ぶスキルらしく、増えたメージの群れにシオですら突っ込んで行って戦う。



【お知らせnew】

《【個体1】アクア

【レベル】Lv18→20

【HP】375→391

【MP】51→58

【スキル】new嫉妬心

《愛らしい魔物に対し、クリティカル率が1.5倍》


【個体2】青月

【レベル】Lv16→17

【HP】149→156

【MP】190→204

【スキル】new嫉妬心


【個体3】シオ

【レベル】Lv9→11

【HP】140→158

【MP】49→57

【スキル】new嫉妬心


【個体4】シルス、リリム、カリス

【レベル】Lv14→16

【HP】180→216

【MP】342→375

【スキル】new嫉妬心


【固体5】真白

【スキル】new嫉妬心?》



時間にして、大体2時間弱が過ぎた。群れで現れるメージを皆は親の仇の如く、千切っては投げて千切っては投げ。俺の出番は溢れた魔物だけだったから、一瞬存在意義を忘れ掛けた。


あれだけ湧きまくって居たメージの群れは今や見る影も無く、何処か達成感に満ちた表情をする皆。指輪を弄り【お知らせ】を閉じ、【眷族ステータス】を開く。勿論スキルについてはスルーで。



「シルス、リリム、カリス、MPが半分になってる。皆に回復掛けてバージルでMP回復しよう」




ステータスを閉じて指輪【収納】からバージルの葉を取り出し、皆の回復が終わった3姉妹に。次いでに辺りに沢山散らばった木の杖、布のローブも回収。



「見渡す限り何も居なくなったな。Lvも少し上がったし、探索には最適か」



バージルの葉をもしゃもしゃ咀嚼する3姉妹に癒されつつ、久々に宝箱でも無いか階段も探しながら探索するか。フランベルクを【収納】し、当ても無いので適当に歩き出す。


俺は歩くけど皆を真白の背中に乗せて気分はピクニック、だけどそのお陰で今は誰1人迷子になって居ない。森の中を突き進むも、俺の頭にミノムシ(Lv1)が落ちて来た以外、何も無かった。


んで岩山の探索を始めると漸くビンゴ。岩と岩の隙間、奥まった場所からいつも通りの宝箱を発見する。前回引っ掛かった罠を警戒しながら、恐る恐る宝箱を開く。



「4つの卵?」



運良く罠の無い宝箱から出て来たのは、60cm程度の大きさをした卵。宝箱の中にあった時は鶏の卵位だったのに、取り出した瞬間ポンッと大きくなった。これぞ正しくファンタジーだな!


自分1人で興奮するのは虚しい物で、4つの卵を地面に置き早速何の卵か指輪で詳細を確認しよう。



【羊魔物の卵×4】

《岩場や草原に住み、卵から育てると人に懐く。メイター、メーチャー、メージ、メイト、4つのジョブからランダム》



‥‥なっ、なんだってー!指輪の説明を見ながら思わず叫び、皆がビクッとしてしまった。慌てて謝りながら、孵化についての説明を読む。おぉ、名前を付けてジョブを選択すれば次の日には産まれて仕事の役に立つ、か。


ならば早速。そう思った俺は直ぐ様皆へ説明、了承を得て「ホーム」へ帰る。仲間が、家族が増えるのはとても嬉しい事だ。



《ますたー、それ、かえす?》


「ん?そうだけど、家族が増えて嬉しく無いか?」


《むー。ますたー、まもるの、ふえる!ますたーだいじ!ますたーだいすき!だいすき、いっぱいほしい!》


「‥‥どれだけ【眷族】が増えようと、アクア、皆への愛情は変わらないよ。寧ろウザい位増える」


《ま、ますたーっ!》


「え?あ、ちょ、ちょっと待て!まっ、ぐふ」



問い掛けられ、後ろを振り向けばアクアが不安気に揺れていた。それだけじゃない、青月もシオも、3姉妹に真白だって様子を伺って居る。俺の素直な本当の気持ち、口に出せば感極まった皆に潰されそうに。



約10分後、色んな意味で天国に行きそうなモフモフ攻撃から解放して貰えた俺は油性ペンを手にして居た。理由は簡単、羊魔物の卵に名前とジョブを書き込む為。


やっぱり、大事な名前を決めるのは難しい。呼びやすく、且つ似合う様な名前にしてあげたい。油性ペンを顎に当て唸って居ると、不意に閃いた。



「何の捻りも無いけど‥、アイン、ツヴァイ、ドライ、フィアかな。ドイツ語読みって格好良い、ジョブは適当に最初からっと」



忘れ掛けて居るけど、ここはファンタジーな異世界。俺の言葉、ドイツ語読みってのが分からなかったのか、首を捻る皆。取り敢えず、超格好良い数字の読み方だと教えた。


キュッ、キュッと特有の音をさせながら卵に名前とジョブを書き込む。可愛いんだろうなー、岩山から出て来た時ふわふわのもふもふだったし。



「いだっ、刺さってる刺さってる刺さってる!」


《ますたー、ましろ、うわき、めっ、だって!》


「訳分からん!」



羊魔物の姿を思い出し、さぞ気の抜けた表情をして居た事だろう。すると突然、真白の角が少しばかり頬に突き刺さる。アクアが翻訳してくれても、言ってる意味が残念ながら分からん。


どう言う訳か見当は付かないがそう言う訳で、卵をベッドに乗せて放置。明日にならないと、羊魔物の卵は孵化しないみたいだし。


道は逸れたが時間はたっぷりある、Lv上げの為に26階層をまた探索。家の子と同じ形の魔物が出て来ても倒すよ、少しの油断で死んじゃうからね。主に俺が。



「あぁ、合った合った」



森には無かったから岩山を探して居ると、1番上に階段を見付けた。結構足場が悪く、登りきる迄に軽く息を切らしてしまう。皆を真白の背中に乗せて正解だ、真白は平然として居る。


息を整え、次の階層へ向かう。長い階段を上がって行くとその途中から、ムワッとした熱気が漂って来る。そこまで暑い訳では無いが、湿気が酷い。



「帰りたい。色んな意味で‥」



上がり切って27階層、そこは色んな意味で暑苦しい世界だった。場所は、ジャングルの様な亜熱帯を想像してくれたら良い。木々の間から筋骨隆々な魔物の姿が見え、心底帰りたい気分に陥る。


3姉妹、シオ、俺はきっと同じ表情を浮かべて居るに違いない。だがここを探索するなら出会う事は必須だろうし、気は乗らないけどステータスを調べよう。



「前方、筋骨隆々魔物のステータスを表示」



【簡易ステータス】

【種族】(オーク)

【レベル】Lv28

【HP】637/637

【MP】0/0

【取得経験pt】32pt

【装備】棍棒、布の服、革の鎧

【スキル】打撃3、突進、ぶん回し、力任せ、雄叫び、威嚇

《ゴブリンと同じく雄固体しか居らず、他種族の雌を調達する。脳筋なので力はあるが知性は低い》



オークはゴブリンの上位互換、と考えて居たが当たりだな。それに脳筋なら攻撃に気を付ければ、俺だけでも倒せるな。スキルも見慣れた物ばかりで危険な物は無い。


てか、オークがこっちに近付いて来て無いか?まぁ隠れて居るって訳じゃ無いので、見付かるのは仕方無い。だが直ぐとは‥‥、ああそうか、納得。



「緑溢れる場所で真っ白な君は目立つのだよ、真白君。さぁ、遠慮せず戦っておいで!」



青月を頭に乗せ、シオを真白の背中から降ろす。3姉妹は自ら飛んでくれたので良いとして、アクアを抱き上げる。一連の動作を終え、俺は良い笑顔を貼り付けて真白を促す。


いやいやいや、別に自分が戦いたく無いから真白に押し付けよう何て事は思って無いよ。まして、さっき頬に刺さった角のお返しとか思って無いよ?ははっ。


真白の角がオークを捉え、一気に距離を詰めて一突き。それに怒ったオークの棍棒や殴り攻撃を素早く避け、魔法を叩き込む。戦いは真白の独壇場だった。


戦闘の終わった真白はどこか得意気で、皆を背中に乗せ終わった後、撫でたら尻尾で頭を叩かれ笑われた。何故に?まぁ良いか。



「辺りに他のオークは居ないし、進むか。後ろを取られない様に気を付けないとな」



一応警戒するも、新しい魔物は現れない。なので直ぐ警戒を解き、何か無いかと辺りの探索を開始する。鬱蒼と生い茂る木々、背の高い草に少し湿り気のある地面。出来れば早く上の階層へ行きたい。


テレビで見たアマゾンにそっくりだ、少々毒々しい花を眺めながら思う。不意に先の茂みがガサガサと音を立て、俺は【収納】からフランベルクを取り出して装備。



「今度はゴブリンか」



出て来た魔物は3匹、15階層のボスであったゴブリン達の様だ。当時は強敵だった魔物もLvが上がったり仲間が増えたりし、随分楽に倒せる様になったな。


だからと言ってエクセキューショナーの階層をもう一回行け、と言われても全力でお断りします!だけど。アイツは俺の立派なトラウマだな、うん。


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