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4話、森に落とし物はデフォ?


名付け親の決定版!可愛い赤ちゃんの名前100選、とかの本を誰か俺に下さい。自分のセンスの無さに落ち込んで居ると、お腹が満たされウトウトして居たセルキーがハッと目を見開き嬉しそうに一鳴き。



「え、良いの?」



これは俺の勝手な解釈だが、俺があげた名前を魔物が気に入れば【眷族】のステータス欄に追加される、んだと思う。意味が無いかも知れないけど、1つ賢くなったと思いたい。


シオが喜んで居るから良いか、と指輪を触りタッチパネルを出すと【眷族ステータス】の項目をタッチする。




【眷族ステータス】

【個体】シオ

【種族】胡麻斑海豹(セルキー)

【レベル】Lv1

【装備】胡麻斑海豹の皮

【スキル】敬愛、泳ぎ、潜水

【主】志津

【シオからの一言】

《おさかなうまうま》



子供だからなのか、親から産まれた個体だからなのか、言っちゃ悪いけど弱い。連れて歩く事が難しいな、俺に説得出来るだろうか‥。【シオからの一言】に癒された俺は、装備の胡麻斑海豹の皮を見なかった事に決めた。



【お知らせnew】

《条件を満たした為、指輪のスキルLvが4になりました。尚、解放は「魔物詳細」「情報」です》



‥‥え、今?!はぁ、指輪スキルが上がる条件を詳しく知りたい‥。てか解放された物を大雑把に教えてくれる様になったのか。


相も変わらず情報は自分で調べるか問い掛けるかしないと駄目な仕様で、勿論スキルLvが足りないと却下される。後で知りたい事を当てずっぽうに言うしか無いな、1つは答えてくれるかも知れない。


主に俺とシオの食事が終わり、寝そうになって居るシオをベットへ運ぶ。そしてもう1つ解禁された魔物詳細、ってのを使おうとシオに指輪を向けてパネルを操作。



【アザラシの妖精セルキー】

《美しい人の容姿を持つと言われ、水の中を移動する為にアザラシの皮を纏って居ると考えられて居る。実は幼少期にはアザラシそのもの、成長すると自然に皮が剥け一般に言うアザラシの妖精セルキーになる※迷宮ダンジョン著》



つまり、子供の期間中はアザラシの姿しか出来ない。成長すればアザラシの皮が剥けて人になれたり?‥‥え、どうやって?駄目だ、余計に謎が増えた様な気がする。


パネルを操作し、魔物詳細画面を消してアクアと青月が待つテーブルへ向かう。少しやる事が脱線したけど次は「ホーム」を改装だな、シオが今は普通のアザラシと変わらないなら泳ぎ回れる場所を作ってやりたい。



「さて、どうするかねぇ‥」



風呂場、脱衣場、トイレは不思議な事に壁に扉があり部屋を切迫しない。だが部屋の大きさは畳でしか拡大出来ず、もう一部屋と言う訳には行かない様だ。



「お、擬似海水がある。後これ付けて、大きさは倍にして‥‥」



アクアを顎枕に、青月を頭に乗せ、だらけた体勢で【経験pt⇔交換】の項目を弄る。次の階層辺りでアクアと青月、勿論俺もLvの底上げをしたいと思う。俺はLvが上がったりし無いけど、経験位は積めるからな。


何が言いたいかと言うと、貯まるだろうから経験ptは気にしなくて大丈夫。やり過ぎる位が丁度良い、をモットーに。



【改装内訳】

42畳部屋→90畳部屋(15pt)

床全体を吸水パネルに(30pt)

泉を8畳→64畳に(370pt)

オプション擬似海水(20pt)

泉の底を砂地に(16pt)

大小3つの岩場(12pt)

神秘的な木々(50pt)

876pt−513pt=365pt



良さそうな物はこの際全部入れてしまえとパネルを操作し、認証ボタンを押す。すると、如何にもユニコーンとか出て来そうな泉に変化してしまった。


「ホーム」移転して、改装して残った経験ptは残り365pt。俺は自分の事に余り経験pt使わないし、そんなもんだな。てか、必要雑貨のpt数が異様に低いのか‥。



【魔力に満ち溢れた神秘の泉】

《澄んだ純粋な魔力に満ち溢れた神聖な泉。オプション擬似海水により淡水、海水の魔物が同時に住む事が出来る。水系魔物なら一度は浸かりたいと夢を見る程。浸かって居る眷族に3分+1の経験ptを付与。幽暗のロートス育成に+の効果》



ふむ、俺に会話の技術があればこの泉をネタに【眷族】が増やせそうか。まぁヘタレな俺には無理そうだ、って放っとけ。経験pt付与がカップラーメンの時間域になって来て、ロートスが艶々光り生き生きして居る‥。凄いな。



「アクア、青月、新しい泉は気に入ったか?」



改装が終わり部屋の3分の2以上が水辺と化し、マイナスイオンには困らなそうだ。泉の詳細を見て居たパネルを閉じると、泉の全貌を見て回って居た俺の後を着いて来て居た2人に問い掛ける。


アクアはプルプル震えながらピョンピョン跳ねて泉へ入り、青月は泉に入り優雅に泳ぐ。



「じゃあ、俺は休むからアクアと青月も十分休んでくれよ」



一番大きな岩場にはシオが寛げる様になって居るんだが、疲れて居るし仕方無いな。俺は2人の頭を撫で、ベッドに戻り不思議仕様な照明を暗く調節して眠りに就く。


翌日、俺は息苦しさで目を覚ました。ハッと気が付くと眼前にはシオが居り、どうやら空きっ腹を抱えて居たらしい。今日の朝飯は海鮮丼&味噌汁&緑茶で、勿論シオに3分の1程度ご献上。


余り要らないらしいが、昨日の影響か?危惧していた岩場の寛ぎ場を至極気に入ってくれた様子で、ぐでーん姿を眺めながらLv上げに必要な用意をして行く。



「しぃーおぉー‥」



救急箱(1pt)や止血剤、傷薬(5個1pt)等を【経験pt⇔交換】から取り出し、指輪の【収納】へ。タイムラグが全く無いから【収納】が便利過ぎる件。だからフランベルクも帯剣しなくて大丈夫。


良し行くか!と気合いを入れ、アクアと青月を伴い行こうと足を上げた‥‥が、上がらない。足元にはいつの間にか来て居たシオが、俺のズボンの裾を噛んで引き留めて居た。


連れて行く訳には行かない。困り果てた俺が先ず頼ろうとしたのは、視界の端に映った青月。青月自身もどうして良いか分からず、狼狽えて居たので頼るのは酷な話。


やはり下の子のお世話はスキル長子的、を持つアクアに。アクアも任せろと言わんばかりにプルプルッと震え、シオへ近付く。



【スキル情報更新】

《【眷族】アクアのスキル長子的が長子役に変化しました》



「‥‥‥アクアさんパねぇっす」


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