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始まり

初めから好きなわけではなかった。


終わりたくて終わったわけでもなかった。

部内恋愛は禁止だと言われていた。


先輩から聞いた話だったがよく聞いていたし、文化部のマイナー部でたまたまうまい具合に男女比が半々だっただけの部活で、「リア充なんて…ケッ」みたいなアンチリア充も多かったから、そんなもんないと勝手に思っていた。


話は変わるが、そんな部活の状況で、2つ上の先輩とメールをしていた。ウチの部は部活連絡は部長からの一斉送信が基本で、部長が率先して部に入りたての後輩たちに部活終わりの帰りにメアドを聞いてまわる。そうなれば、現役生と新入生はモチロン、新入生同士でもメアド交換合戦がくりひろげられる。

ネットワーク社会の今はリアルの人脈は尊重に値するのである。名前と顔が一致しなくとも、それはあとで一致させればよいのだ。

まぁ、その先輩のメアドも、そんな交換合戦で得たメアドの一つであった。

特に親しかったわけではない。

帰り道は確かに途中までは一緒だが、その他大勢が沢山いるうえ、途中で別れるとその先輩は別の女の先輩と帰り道を同じとするので随分と2人は仲が良く、あらぬ疑いを後輩どころか同年代の先輩方にも掛けられていたくらいである。

見た目は至って平凡で温和な感じの人であったが、嫌な感じは全くなく。私の印象はすこぶる良い方ではあった。

だが、同時に「彼女ほしー!」と何度も言っているのを聞いていた。その発言で、前記した女の先輩とは何もないことがすぐに予想はついた。

メールのときも言っていたのだから、どれ程女に飢えていたかは計り知れない。

もっとも、当時の自分に男の経験などありはしないのだから、そう 深くは考えてはいなかったが。そして、その時もお約束のようになったその台詞を言われた。


『彼女ほしー!』

『はぁ…と、言われましても…』


そう言われたところで、自分には女を紹介することもできないので、私にできることなんてない。

……あ…いや…、1つ…あるには、あるか。


思い立ったら即実行。

その時はそんな気分だった。

私は、メールの最後にこう、付け加えた。『私でよければ?』


冗談のつもりだから疑問系だ。

先輩のほうも、さぞ驚いたことだろう。


『おれ…そう言うの言われ慣れてないから…本気にするよ?』


別に本気にされようが構わなかった。

構うような相手ならそんな冗談は言わないし、第一メールもしない。

人間と話すのは大好きなのだが、如何せん、自分の日本語は通じにくいらしく、意味を聞き直されることがしょっちゅうで、それが面倒で手加減して話してやると、自分は楽しくないのでなんともヤル気が起きないのである。

その点 この先輩は私の言いたいことを良く理解してくれるし、また返答も楽しみ概のある返答をポンポン寄越すのでむしろ楽しかったのである。


『構いませんよ?』


もう1度言うが、最初は冗談のつもりだったのだ。

本気に取られても、別に平気なはずだった。


平気なハズだったのだ。


『…じゃあ…本気にする』


その返答で私はパニックだ。


え!?本気にするってなに!?ホントに本気にすんの!?えぇ!? なに!?どゆこと!?


『これからよろしく。〇〇。』


!? なにが!? なんで!?

あまりにも、状況が分かっていなさすぎの私と彼の 始まりはこうだった。

ハッピーエンドじゃない話は初めてです。

書いてるのツラいす

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