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2011 デジャブ  作者: 森本 義久
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高知県

「気がついたか?」   んん~~?

・・・「誰だ?・・・・痛い痛い 止めてくれ~~~」

「止める?  そうか?  けんたくんがそう言った時に お前は止めたか?」   

・・・・んんん?  けんた?

「そう お前は止めなかった 泣き叫ぶけんた達の背中に お前達はクリスマス用の蝋燭を垂らしたんだよな?   りかえの3人の子供  いくらお前が馬鹿でも まだ忘れてないよな?」

 ?けんた、、、、りかえ、、、、痛い 背中が燃える、、「たすけて~~」

ポタポタ、、    痛い、、痛い痛い痛い、、、

「ろうそくじゃ大人のお前にはやさしすぎるから  サラダ油を沸かしてやったよ」

「ギャ~~~~~やめてくれ~~~~~~」

「後20回だ  子供達を殺さなくて好かったな このくらいで済むんだからな、、、」

ジュッ  ジュッ  「やめてくれ~~~~~助けて~~~~」


ざわざわという木の葉の音が遠ざかり、、意識が消えた。。



2009年3月 高知市新聞

3幼児にろう垂らす  2~6歳虐待疑い  母と交際男逮捕


2~6歳の3人の子供の背中にろうそくのろうを垂らし やけどを負わす虐待をしたとして、高知署は19日までに、傷害容疑で子供の母親と内縁関係の男を逮捕した。

母親は「家の障子を誰が破ったか言わなかった事に腹を立ててやった」 などと容疑を認めているという




通報生き早期保護 住民の耳に怒声と悲鳴、、、、



逮捕された後の取調べ室で あれは躾だといくらいっても 刑事たちには馬鹿にしたような口ぶりと 憎しみを込めた目で見られ さんざん怒鳴りつけられたあげくに

拘置所にやってきたやる気の無い態度の弁護士や ただ泣くばかりのお袋をぼんやり見ながら 毎日の取り調べに嫌気がさして 抗弁する気力も磨り減って来たころに裁判が始まった。


判決は 懲役1年執行猶予2年   それが重いのか軽いのかもわからないまま 拘置所を出た足ですぐに 高知市から1時間半の山奥 馬路村のおばあちゃんの家に逃げ込んだ。

それから1週間 退屈な毎日を無駄におくっていたのが ふと思いついて 今朝から古い新聞の束の中から 2ヶ月前の自分についての記事を探し出した。。


高知市新聞  


高知市3児虐待 母 近藤りかえ(25) 内縁男 中村高志(21)に1年6ヶ月を求刑   地検「感じた恐怖大きい」


3人の子供の背中にろうを垂らし やけどを負わせる虐待をしたとして、傷害罪に問われている母親の近藤りかえ(25)=飲食店アルバイト、高知市間々=と、内縁関係の中村高志(21)=引越しアルバイト、高知市福居=両被告の初公判が18日 高知地裁であり、2人は起訴内容を認めた。  検察側が両被告に懲役1年6ヶ月を求刑、弁護側はいずれも猶予付の判決を求め結審した。判決は5月15日。

検察側の冒頭陳述などによると 両被告は去年4月から、りかえ被告の長男(6)、長女(4)

次女(2)とともに同居。 中村被告が子供のしつけをしていたが 言うことを聞かなくなり、手を上げるようになった。  


今年1月 “子供たちがふすまを破ったが、誰がやったか問い詰めても答えなかった”ため 中村被告が3人にろうを垂らした。  りかえ被告はその間、腕を押さえつけていたとされる。

承認出廷した中村被告の母親は、自身も中村高志被告にしつけのために「ろうを垂らした事がある」と明かし、「大変な事を教えてしまった。自分の責任」 中村被告も被告人質問で  「しつけについて母に質問し ろうそくなら痕が残らない と聞いて大丈夫と想った。今では間違ってるとわかる」と話した。


近藤りかえ被告は「こどものためと思っていたのが、やりすぎたと思う」と反省の言葉を口にし、「子供に会えたら、思いっきり抱きしめて、ごめんねと言いたい」と涙を流した。

検察側は論告で「子供達が感じた恐怖は大きく、成長する中で与える影響は計り知れない」と指摘。 中村被告の弁護側は「自分も幼い頃にやられたことがあり 問題ないと思った」とし、りかえ被告側は 育児や家事を1人でこなしてたため負担がかかったとし、「母親なら誰でも陥りかねない精神状態、被告だけを責めるのは酷」と酌量を求めた。



なに言ってやがる・・・ ったく面白くもない

新聞を何度も読み返して あの女 りかえの見え見えの演技に はらわたが煮えくり返る

あ~~~やだやだ  あの女は失敗だった  と縁側で寝転んでいると 玄関から

「宅急便で~す   ハンコお願いします」と声がした

こんな山奥の1件家でも 宅配便は義理堅く配達してくれるんだと 感動さえしながら

「は~~い 今行きます~~」と立ち上がって玄関の引き戸を開けると  バチッ

 突然後頭部に激しい痛みが走って、、気を失った。。



カサカサと木々が触れ合う音と土の匂い、、そして猛烈な背中の痛みで気がついた。

目は見えないが手は自由になる そっと目隠しを外すと周りは四国山脈特有の

透明な空気と風の音だけが聞こえてきた。


どれほど気を失っていたのか さっきの男は消えていて気配もない

痛む背中がどうなっているのか気になったが 気を失う前に男が言った

「次に会った時は殺すぞ・・・」 と 地獄の底から響くような声を思い出し

どっと冷たい汗が流れだし 急に歯がガチガチ響きだした。


やっとの思いで歩きだしたら なんの事はないそこは おばあちゃん家のすぐ横の

林の中だ   

それも当たり前か 周囲1キロは人っ子一人いない山奥で 気を失った俺をわざわざ

遠くまで運ぶ手間なんかいらないし

痛む背中に気をとられながら なんとか家にあがったところで 今日3度目気を失った。



「高志・・・高志・・・」 

ばあちゃんが街の病院から帰ってきて ウンウン唸ってる俺を見つけて驚いている

「なんでもないよ、、うるさいな~~」

亀のようにうつぶせに寝ている俺のシャツの背中をまくって驚いている

薬箱から塗り薬を出して

「これを塗っとけば 明日にはすぐに治るよ」と 背中に塗りはじめた。


次の日目覚めたが ばあちゃんが言うように治るはずもなく  昨日より焼けるように痛い背中をかばいかばい うとうと寝るばかりの毎日を過ごした

それからの1週間 ばあちゃんは町に薬や包帯を買いに行ったり どこからか薬草をとってきてつけたりと甲斐甲斐しく俺の背中の火傷の世話をしてくれた。

なんとか起き上がれるようになると 縁側に座って 下から上がってくる人が居ないか

朝から晩までみはって過ごした。

今度もしあいつが来たら すぐに裏山に隠れて2~3日過ごせるようにと 食料も隠してある。

またあいつが戻ってくるかもしれない恐怖に 頭がおかしくなりそうだ



動けるようになったからにはここに居てはまたいつあいつが現れるか知れない

かと言って高知市内の親の元に帰れば 事件を知ってる近所のおばさんや親戚がうるさいだろうし

あの刑事の話しじゃ 友達さえも俺の悪口を さも被害者のような口ぶりで得意げにテレビのインタビューに答えていたらしい。

とにかく高知には居られない 逃げなきゃ  大坂でも東京でもいい あいつに出くわさない 誰も知らないところに逃げなきゃ そしてまた1からやり直してみよう。。


その夜その事を ばあちゃんに話してみたら次の日の夕方 郵便局の封筒を差し出して

「これでお前の人生 もう1度やり直してみなさい。  今度こそ真面目に生きるんだよ」と50万円を渡してくれた。

親にも何も言わずに 明日山を降りて大坂に行く  と言うと

「そうしな もう悪い友達とも縁を切って一人でやってみな お前は ほんとうは優しいいい子なんだから たまにはおばあちゃんに 生きてるってだけでも手紙をちょうだいね」   と言った


そして次の朝 かばんに当座の着替えを詰め込んで ばあちゃんの家を出た。

親や姉妹 友達にも 何も感じることはないけど これからはばあちゃんだけには心配かけないように生きよう 1年に1度はばあちゃんの顔を見に この山に帰って来よう  

と心の中で誓って バスを乗り継いで高知市内に出た

そして高知駅から 1日3本しかない岡山行きの特急列車に乗った。。 

窓の外に流れる 高知市郊外 南国市の田園風景を眺めながら たった21年で生まれ故郷の高知から逃げ出さないといけない自分が情けなかった。。  

そして新たな人生に この中村高志 もう1度チャレンジしてみようと決意し 久しぶりに背中の痛みを忘れた。。



















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