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羽切家の非日常  作者: ラウス
羽切那美
26/32

第二十六羽

 放課後。


 キィイイイイイイイイイイイイインコーンカーンコーン。

 と、放課後を告げるチャイムが鳴った。


「さて、と」


 帰るか。


 帰宅部である俺に部活動は無い。あえて言うなら帰宅こそ部活動だ。


「羽切くーん、一緒に帰ろー」

「ん? 沢田リコ、部活は?」


 沢田リコは俺と違い、ちゃんと部活動に入ってる筈だ。

 確か……ラウンディットシジェンジャー部だったか、そんな感じの部活。


「今日は顧問が居ないから休みだよ」

「へー、じゃあ行くか」


 カバンを持って、歩き出す。

 後ろから沢田リコが付いてくるのを感じつつ、教室を出た。


 しばらく歩きながら雑談してると、伊藤詩織の話になった。


「でね、しーちゃんったらそんなことがあったからカチューシャを首に付けるようになったんだよ」

「へー、まさかあのカチューシャにそんな壮大な理由があるとはな、知らなかった」


 あのカチューシャにまつわる話で大作映画が一本撮れるぞ。


「伊藤詩織のこと詳しいんだな、沢田リコ」

「えへへ、幼馴染だからね、しーちゃんのことならおまかせあれ!」


 幼馴染かー、いいなー。


「羽切くんはそういう人居る?」

「ん? んー……居た、かな」


 もう居ないけど、そう言うと、沢田リコは申し訳なさそうな顔をして、「ごめん」と謝ってきた。


「いいよいいよ、もう昔の話だ」

「……訊いて良い?」

「何を?」

「その、幼馴染のこと」


 ああ、そういえば誰かに話したことなかったな、アイツのこと。


 沢田リコになら、話してもいいかもな。


「そうだな、アイツと出会ったのは、二歳の頃だっけか」


 そして俺は語りだした。


 俺の幼馴染のことを。


 愛間千里という、幼馴染の噺を。






*****






 その頃。


 広い。ただ広い空間で、金色の鎖に雁字搦めに拘束させれた少女と、『仙人』の頂点トップ、【正義の味方】、羽切那美が相対していた。


「……しっかし、アンタに呼ばれた時はびっくりしたぜ……愛間ちゃんよぉ」

「でしょうね、まさか自分が殺した・・・・・・相手が生き返ってくるなんて思わないでしょうし」

「……恨んでるか?」

「べっつにー、あれはしょうがないでしょ、アナタの立場的に」

「…………」

「まさか生後三カ月で『全てを壊す悪魔王』に認定された私を【正義の味方】たるアナタが放っておけるわけが無いからねー」

「…………」

「さらに二歳で『世界を変えることができる七愚人』、『神に最も近い三仙人』の二冠を達成、まさに化外の化け物だ」

「…………」

「アナタは、正しいことをしたよ」

「別に……」

「ん?」

「別に許して欲しかったわけじゃなかったけどな」

「……ふーん」

「計画の実行は三日後だ、忘れるなよ」

「りょーかいりょーかい」


 それを聞いて、少女はさらに笑みを深くする。


「ああ――やっと会える……私の愛しい愛しい――神聖ぁ……」


 うっとりした症状で、愛間千里は呟いた。






*****






 あっぶねぇえええええええええええええ!


 何か知らんが危うく俺の本名がバレるとこだった気がする。


 なんとかギリギリ、ルビを消すことが出来たが……本当に危なかった。


 とか、訳のわからんことを考えながら、俺は沢田リコに幼馴染である愛間千里の話を終えた。


「そっかー……五歳の頃交通事故で……」

「ああ、あの時はホント、あいつが死んだことが信じられなかったなー」

「ごめんね、辛いこと訊いちゃって」

「いいのいいの、俺もちょうど話したかったしな、千里のこと」

「そっか……あ、私ここで曲がるから」

「おう、じゃ、また明日」

「うん!」


 沢田リコと別れ、一人で歩き出す。


 いやー、しかしやっと妹、弟、母さんが主人公の非日常を語ることができた。


 羽切家の非日常、これにて完結! ってね。


 ご愛読ありがとうございました!










































まだ続きます。

第三章、終わり。

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