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−029ーまたエレベータ
朝食を済ませると、出発の準備を整えて、再び1階へ降りた。
カンボジアの人っぽいけど、キレイな雰囲気の漂う身なりの男の人が、会話の輪の中にいた。
………誰?
どうやらガイドさんらしい。
ふーーーん。
「あっ部屋にペットボトル忘れた。」
言うと同時に私はエレベータへ走った。
そして、なっちゃんの「バカッ」という声を聞いた瞬間エレベータは閉まった。
鍵持ってなぁぁぁい
覚えていらっしゃるでしょうか…。
鍵が無い=部屋に入れない。
だけではないのだ。
鍵が無い=エレベータから出られない。
しかし。外には私が鍵を持ってないと知った友達がいてくれる。。
外からボタンを押せばすむ。
が…しかし。
エレベータに気に入られたのだろうか…。
なっちゃんがボタンを押すより早くエレベータは上の方へ進みだした。
どんどん上へ。心なしか勢いづいて。
なんで止まらねぇんだよ…。
エレベータが開いた先に、とんでもなく怖い人がいたらどうしよ。
そして最上階。
ガコンと音がしてエレベータがガショーンと開いた。
かかってこい。