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カンボジァ  作者: 高橋美雪(たかはし はるき)
1日めっ
23/33

ー022ー問題

問題。

旅行者8名と8個のスーツケースと、その他の荷物。

そして、運転手一人を乗せます。どんな大きさの車があったら、

良いでしょうか。

絶対に6人乗りの車じゃねぇ。

しかし、私達は乗らねばならぬ。6人乗りの車に。

運転手さんに、お前はこっち、お前はあっちと指示されながら

荷物のように詰め込まれていく。

私は、スーツケースの上に座った花田さんと向かい合い、体育座りをすることとなった。

この車に向かい合わせのシートなんぞ存在しない。

なのに何故!?

答えがあるわけもなく、進行方向に背をむけた私の目には

車の一番奥に、背筋を伸ばせば首を曲げ、

首を伸ばせば背中を曲げ…と車の天井に頭をつけて

良い姿勢を探すなっちゃんの姿がうつった。

なかなか笑える。

車は動きだした。

そして、私は気づいた。

この車が急ブレーキを踏んだら、

私の顔面にスーツケースが直撃するか、

私がフロントガラスに飛んでいくかの

二択をせまられる。

しかも私に選択権はナイ!!

避けねばならぬ。そんな事は避けねばならぬ。

運転手の安全運転を祈っていると、

どこからか、カタカタカタと乾いた音がするではないか。

どこだ?どこだ?

車かよ!!

車がハンドルをきるたびに

不思議な音をたてていたのだ。

私はお父さんとお母さんの娘に生まれて幸せでした…。

そんな事を考えはじめた。

そして、駐車場の料金所で、ガードマンらしきお兄さんに、

指をさされて爆笑されながら車は通過した。

笑い方は万国共通か。

道路に出て車はスピードをあげた。

どうか安全運転で…。どうか安全運転で…。

そんな思いむなしく、車内に運転手さんの鳴らすクラクションが響き渡る。

スピード出すのが好きなのね。

そして、私は

「人間生きるときは生きる。死ぬときは死ぬ。

先のことを恐れると、今が楽しめなくなる。」

ということを学んだ。

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