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カンボジァ  作者: 高橋美雪(たかはし はるき)
1日めっ
19/33

−018−機内

日本時間で16時を過ぎた頃、私は、飛行機に飽きていた。

なっちゃんは、起きそうにない。

私は、しおりに書かれたバンコク到着15時50分を目指して、時間を指折り数えていたのだ。

それが、16時を過ぎている。

どういうこと!?

しおりを穴が悪ほど見つめた。

分からない。

「ねぇ、飛行機って遅れてるの?」

隣で音楽を聞いていた佐藤君に聞いた。

「さぁ…ついてみないと分からないと思いますケド。どうしました?」

「15時50分過ぎたのに、まだ着かないの。」

「………それ、現地時刻での表示ですよね?」

確かしおりの下の方に、

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

※現地時刻で表示

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

って記載がされている。

「で?」

「で?って…。時差がありますから。」

「時差って、時差くらい知ってるよ。日付変更線でしょ。時差ぼけでしょ。」

「そうです、タイとは時差が2時間ありますから、後2時間飛行機の中ですよ。」

「なんですと!?」

「今、タイでは1時過ぎです。」

目から鱗だ。

佐藤君は、またヘッドホンをつけてイスに座り直した。

飽きた…。

飽きた………。

飽きた………………。

飽きたあきたあきたあきあたあきたあきたあきたあきたあきたあきた。

イスでもぞもぞ動く。

すると、タイ系の客室乗務員さんが、お菓子を持ってきて、そっと私にくれた。

……………黙ってろってことですか!?

3時間程度でバンコクに到着するわけがない!

今ならそういえるが、当時は、なぜ到着しないのか、不思議でしかたなかった。

そのくらいカンボジアのことを知らなかったともいう。

とはいえ、今は、この飽き飽きした状況をどうやって打破するかだ。

「芸してっ!」

横に座っていた、佐藤君に無茶ぶりした。

佐藤君は飛び起きて「えぇ!?」と困った顔をしたが、

「僕、トランプ持ってるんです。トランプしましょ」

こうして、起きている他の子達も加えてトランプをしながら、バンコクに到着した。

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