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カンボジァ  作者: 高橋美雪(たかはし はるき)
出発前
10/33

—009ー予防接種

カンボジアに行くには予防接種が必要らしい。

予防接種!?

知ってたら、カンボジアになんて行かなかった!!

この間だって、病院で採血される時に、弟から「姉ちゃん、大丈夫だから、すぐ終わるから」ってエールをもらいながら、

涙目で採血したのに。

行きたくないぃぃい。

なっちゃんに引っ張られながら姉さんと3人で病院に行った。

「私だって、イヤよ!!」

と、なっちゃんに喝を入れられた。

『なっちゃんと、姉さん』は友達なのかな?

『なっちゃんと、私』と同じくらいの付き合いだった。

それともう一つ、羨ましいことがある。

カンボジアに行くにあたり、カッコイィ男の子が1人いるのだ。

佐藤君というらしい。姉さんがそう呼んでいた。

その『佐藤君と、姉さん』も知り合いのようだった。

羨ましい。お近づきになりたい。でも、私は人見知り。

ついでに言うと、その3組は、お互いが参加を確認したわけではない。

研修に行って『なっちゃんと姉さん』『姉さんと佐藤君』が「あら。」と出会ったのだ。

さて、注射。

姉さんが

「私注射嫌いだから、最初がいい」

と、素敵な女っぷりを見せた。

なっちゃんも「イヤだー」と言いながら2番目に並んだ。

私は

「注射嫌いだから、最後がいい」

と、へっぴりごし。

とはいえ、何人もの看護士さん?が、どんどん打っていく。順番もどんどん進む。

素敵な女っぷりだった、姉さんが

「痛い?痛いよね…。」と看護士さんに話しかけている。

インフルエンザ注射程度の痛さらしい。

受けたことがないので、どんな痛さか分からない。

すぐに、なっちゃんも呼ばれ、私も注射の台に呼ばれた。

目が涙目になる。

「あら、注射苦手なのね。」

と看護士さんに笑われる。

うなずくのが精一杯。

「日頃、子どもの患者さんにしてあげることなんだけどね。」

と、私の腕を看護士さんが、私の腕を指で押している。

「いちにのさんで刺すからね。」

私が看護士さんの目を、じっと見た瞬間

「えい。」

看護士さんが注射した。

衝撃で声にならない。

いちもにもさんも言ってない!!

注射が終わればこっちのもん。

簡単に元気になる。

うへへへへ。

終わった、終わった。カンボジアに行ける。

寒いーー!と叫びながら、帰った。

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