14話
『翌朝、ハルヘイトの町を出た勇者浦島太郎一行は、西街道の近くで荷馬車が見えました。しかし、その荷馬車の様子がおかしいことに気づきました。馬は興奮しており、荷馬車の周りに何かが動いているようでした。
「様子がおかしいな。近づいてみよう。」
太郎が言い、一行は荷馬車の方へ足を運びました。
近づいてみると、荷馬車の周りに数匹のゴブリンがいて、馬車の荷物を荒らしていました。ゴブリンたちは太郎たちに気づき、牙をむいて襲いかかろうとしました。
「ゴブリンだ！気をつけろ！」
ゴルドが叫び、太郎たちは戦闘の準備を整えました。
ユミリアは素早く弓を引き、ゴブリンの一匹を射抜きました。ライオネルは魔法を唱え、ゴブリンたちに向けて火の玉を放ちました。太郎とゴルドは前に出て、ゴブリンたちを迎え撃ちました。
短い戦闘の末、太郎たちはゴブリンたちを撃退しました。馬車の持ち主と思われる男性が馬車の中から出てきて、感謝の意を表しました。
「ありがとうございます！助かりました！」
男性は深くお辞儀をしながら言いました。
太郎は安心させるように微笑みました。
「無事で何よりです。ところで、こんなところで何をしていたんですか？」
男性は荷馬車の中を整理しながら説明しました。「私はこの辺りで商売をしている商人です。ハルヘイトの町に向かっていたのですが、ゴブリンに襲われてしまいました。」
ライオネルが荷物の中を覗き込み
「貴重な品々が多いようですね。護衛なしでこの道を行くのは危険です。」
商人はうなずきました。
「確かにそうです。しかし、護衛を雇う資金もなく…。でも、あなた方のような勇者がいて本当に助かりました。」
太郎は商人に向かって提案しました。
「私たちも西へ向かうところです。途中まで一緒に行きましょう。安全に町に到着できるようにお手伝いします。」
商人は感謝の意を込めて
「ありがとうございます。とても心強いです。」
こうして太郎一行は商人と共に西街道を進みました。道中、商人から様々な話を聞きながら、彼らは絆を深めていきました。やがて、太郎たちは安全な地点まで商人を送り届けることができました。
「本当にありがとうございました。これで無事に町に戻れます。」商人は感謝の言葉を述べ、太郎たちに礼を言いました。
太郎たちは商人と別れ、再び火の神殿へ向けて旅を続けました。新たな仲間と経験を得た一行は、次なる試練に向けて準備を整え、希望を胸に前進するのでした。』
