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無駄  作者: 村右衛門
3/12

さん


「望夏先生、ちょいとご質問ですけどもね、『泥を塗られるか、汚泥を捨てるか』どうされます」


 はてさて、二日考えてもやはり妙案など思い浮かばなかった。

 終いには焦りと苛立ちと眠気で頭がおかしくなってしまったか、原稿用紙には『怠惰なものら』などというリストが出来上がっていた。


 怠惰なものら

  一、わたし

  一、自叙伝なるもの

  一、妙案

           〟


 そんなものを書き上げて満足したか、そのまま寝落ちしていた私である。

 最早昨晩の自分に呆れと苛立ちとを隠しきれず、『一、わたし』と言うところには朱色で大きく丸をつけてやった。


 そんな馬鹿げたことをして、もう良いや、と適当に机を片付け、望夏先生の前で、今に至る。



「汚泥を大人も見惚れる泥玉にでもしてやろうか」


「と、言いますと」


「自叙伝は、書け」


 これまた、私としては望んでいないのに、望夏大先生のお言葉とあらば、と体が勝手に動き出す。しかしまあ、このまま行けば同じこと。愚問を垂れ流すは一度にて十分だ。


 まあまあ、やはりまあ、望夏先生にも責任というのがあると思うのだ。

 私に自叙伝を書け、とおっしゃるが、その私にそんな能力など、欠片もない。一先ず、能力そのものを、とは言わずとも能力を手に入れる妙法など、教えてもらわねば割に合わぬというものだ。


「では、望夏先生、どの様にして書けば佳いなど、ご助言ばかり頂けませんか」


 そんなことを私が申してみれば、望夏先生、少しばかり考える素振りをされて、ふと机上の紙を一枚、乱雑に取られたかと思えばばばばっと何か書きなぐり、見せてこられた。



 無駄を羅列せよ

        〟



 はて、無駄を羅列とな。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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