いち
こんにちは、村右衛門です。
最近、純文学というものを知りまして、何とも惹き込まれたので書いてみよう、と一筆とってみました。
一話につき千文字もなく、片手間に読むことのできる作品です。
なお、これで純文学たり得ているのかは不明ですので先んじてご了承下さい。
投稿頻度は1日ごととし、19:30に投稿予定です。よろしくお願いします。
私の人生は、ひどく無駄ばかりだったように思う。
ただまっすぐに生きるなんて、そもそも無理な話だった。
一本の道を直線に進んでいるつもりだったのに、いつの間にやら枝道に逸れ、本筋のみんなとは逸れ、寄り道を繰り返していた。
けれども、そんな人生を「こりゃ僥倖」などと思う様にもなってきた。
こちらには無駄なく、それは単純な理由なのだが、自らの自叙伝なるものを書くことになったから、である。
私が人生無駄ばかり、とは言うが、その無駄がなければ自叙伝なるものも、これひどくつまらないものになるらしい。
私に自叙伝なるものを書け、とおっしゃった望夏大先生によれば、私のように如何にも無駄ばかり、という人生は自叙伝にはお誂え向きなのだとか。
そんな、褒め言葉とも罵りとも取れぬような言葉に心動かされる私ではないが、望夏大先生の言葉故に動かざるを得なくなった。
して、自叙伝なるものを書かねばならぬ私である。
仕方ない、仕方ない、私も一筆踊らせねばなるまい、と意気込んで机に向かってみる。
折角ならボールペンやらシャープペンシルやら、ましてや鉛筆では心も踊るまい、といつぞやの記念で頂いた万年筆を大仰に取り出し、インクと万年筆を並べて、原稿用紙を束で一先ず百、用意する。
これは、大仕事だからな、と時計を見上げて、「ふむ、二時間で序章でも書ければ御の字か」などとそれらしく呟いてみて、筆を握って。
ふむ、何から書けばよいのだろう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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