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始龍の賢者  作者: みんと
貴族学院 編

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第18話 来ちゃった♡▶▶大丈夫そ?


 俺は学校に行くために、試験を受けなければならないらしい。

 フランツァメルト貴族学院の入学試験は、かなり厳しく、屈指の難易度を誇るそうだ。


「はぁ、試験大丈夫でしょうか」

「ライゼは大丈夫だよ。可愛いからな」


 俺は不安そうなライゼの頭をなでる。

 横からティナが俺に失礼なことを言う。


「おそらく姫様が心配しているのはレルギア殿が試験でやらかさないかってことだと思うぞ。姫様は成績優秀だからなんの問題もない」

「いや、やらかさねぇよ。安心しろ」


 ただ試験を受けるだけでなにをやらかすというのか。

 まあ、俺は義務教育も受けてないから、筆記試験なんかは多少の不安はある。

 だけど、家でアイリにいろいろ教えてもらってたし、文字も書けるから大丈夫だろ。


「さて、そろそろ学校に向かうか」


 試験は学校で行われるため、城から向かわなければならない。

 学校は他国の貴族などもたくさん通うため、けっこう遠いところにあるらしい。

 だから本来は寮に入るものも多いのだとか。

 だが俺たちはまたトカゲに乗れば、ひとっ飛びだ。

 俺はまた魔力を飛ばしてトカゲを呼んだ。

 すると、しばらくして現れたトカゲの上には、俺以外の人影が乗っていた。


「んぁ? あれは誰だ……?」


 なんと、トカゲに乗って現れたのは、魔王カンナヴェイル=ガルガンティアだった。


「おうおう人間ども! 魔王カンナヴェイル様がやってきたぞ!」


 カンナは俺たちのもとへ飛び降りる。

 いったいなんでこいつが?


「カンナ、なんのようだ? 魔王軍はもう手を引いたんだろ?」

「ちょうどこのトカゲの近くにおったときに、お前の魔力を観測しての。面白そうじゃからついてきたんじゃ。暇じゃったしの」

「面白そうもなにも、別に俺たちは今から学校へ試験を受けにいくだけだぞ?」


 俺がそう言った瞬間、カンナは目をキラキラと輝かせた。

 なんだか嫌な予感がする……。


「学校!? 試験!? なんじゃそれは! 面白そうじゃ! 私も連れていけ!」

「えぇ……」


 急にそんなこと言っても、試験を受けるなんて無理なんじゃないのか?

 だが王に話してみると、あっさり承諾された。


「いいのか……」

「レルギア殿のお友達でしたら、もちろんですぞ」


 とのことで、カンナも急遽俺たちに同行することになった。

 でも、魔王が人間の学校に通うってどういうことなんだよ……オイオイ。




◆◆◆




 カンナがトカゲに乗り、レルギアのもとを訪れる少し前。

 その日カンナは暇を持て余していた。

 いや、以前レルギアに会ったときから、どうにもなにも手につかないでいたのだ。


「おかしい……なぜじゃ? 私はどうしてしまったのじゃ?」


 魔王軍に人間に手を出すなと命じてから、レルギアの顔が頭から離れない。

 昔は、レルギアのことは小さな子供としか認識していなかったカンナだったが、成長したレルギアを一目見て、その中に確かな雄を感じたのだ。

 ようは、一目惚れである。

 幼いころに会っているから、厳密には一目惚れではないのかもしれない。

 とにかく、カンナはなんとしてもまたレルギアに会いたいと思った。

 しかし、魔王軍の問題は解決しているし、特に用事もない。

 会おうと思えば会えるのだが、なにかきっかけがほしかった。

 そんなときである、ちょうどレルギアの魔力を感じたのだった。


「この魔力……!? レルギアか!? じゃが、私に向けたものではない……」


 魔力をたどってみると、そこには一匹のトカゲがいた。

 トカゲに話をきいてみると、乗り物としてレルギアに呼び出されたところだと言うのだ。


「そうか、なら私もついていく。乗り物がいるってことは、またなにかやろうとしているってことだからな。ついでにレルギアともっと仲良くなるチャンスじゃ!」


 こうして、カンナはレルギアの元へ現れたのである。


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