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プロローグ


とある世界では、人の運命は三人の女神によって定められているという。

まず、一人が『運命の糸』を紡ぎ、一人が長さを決め、最後の一人が割り当てられた糸を切る。

『運命の糸』とは人間の寿命のことであり、このようにして人の一生は決まるといわれていた。






カラカラカラ…ジョキン。



「あっ!」

「どうしたの?」

「二姉様…ごめんなさい。私、糸の長さを間違えて切ってしまったわ…」

「まあ、どれ位、間違えてしまったの?」

「少しだけ長くなってしまったの…」

「なんだ、これだけなら問題ないわよ」

「本当に?」

「ええ、人の寿命には元々ばらつきがあるものよ。数年なら問題ないわ」

「……よかった」


心底、ほっとした表情の三姫の生真面目っぷりに直ぐ上の二姫は逆におかしくなった。


「クスクスクス。三姫は真面目ね。この糸の人間は平穏な一生を送る者よ。他者に、ましてや世界に影響を与える人物にはならないのだから、そんなに心配する事でもないわよ」

「でも、こんな失敗は初めてですもの」

「そうね、何時も慎重な三姫にしては珍しい事だわ。ふふふ」

「二姉様、そんなに笑わないでください。私は生きた心地がしなかったんですから」

「ごめんなさい、三姫。貴女があんまりにも真面目なものだから、つい。姉上もそう思うでしょう?」


二姫は一番上の姉である一姫にも同意してもらい心配性の三姫を安心させようとした。


「……」

「姉上?」

「一姉様?」


二姫の言葉に反応をしない一姫。妹たちを可愛がっている一姫である。妹たちの言葉を無視するようなことは今までなかった。

二姫も三姫も、珍しい事もあるものだな、と思ったのだ。


「……二人とも…ごめんなさい。私が間違えたの」

「「……?」」

「……この糸の持ち主は()()()()()()()だわ」

「「!?」」


三人の姉妹神は互いに顔を見合わせて同じように呟いた。


「「「ど…どうしましょう」」」




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