お金はしっかり払いましょう(とんでもねぇ。あたしゃ神様だよぅ)
「英国紳士淑女たる者、日本語をネイティブ以上に精通していなければならない。」
こう言ったのは1950年まで挙国一致内閣を率いたウィンストン・チャーチル卿。
その後再び挙国一致内閣を組閣することになるマーガレット・サッチャー女史曰く、
「日本語は英語と並び我が国の国語と言ってもよい。日本語を解せずその深さを解せぬ者は我が国には居ない。」
と言う。まあ、言い過ぎであるが、はっきり言って、日本人にとって一番渡航後生活に困らない国はどこかと言われると日本語圏を除くと英国になる。
法律によって、全ての標識、看板には日本語の併記が義務づけられている他、LLCの協力の下、アクセス元のPCで使用されている基本言語の情報を送信してもらい、日本語だった場合(基本的にLLC提供のCLLOSは日本語が基本言語(正確には蒼藍語だが)なので)英国の行政機関、主要企業、大型イベント主催者のWebサイトは日本語を表示する。どんなにあら探しをしても隙が無いレベルで丁寧に翻訳されたサイトに一部の英語が不得手な日本語圏の方もにっこり。
特に8月と2月に行われる超大規模一般制作物展示即売会CMB(Comic Market on Britain)は基本的に日本語ページの方がやたらめったら情報が充実している。
そのため英国(と仏、伊)の参加予定者は、下手すると、日本人よりも日本語を使いこなすレベルに日本語を学習する。
駅や、列車内の案内放送も英語の後は日本語で。電光掲示板も同じく。(両方ともその後はフランス語、スペイン語で案内される)例外が、一日2往復の大陸横断列車である。
基本的に高雄or東京―モスクワorロンドンorエディンバラをつなぐこの大陸横断列車は全区間日本のJRが保有する車両で運行されている。そのため基本的にモスクワ以東はJRが以南はBNR(British Network Rails 英国国営鉄道)が運行を担当する。その管制は各国が担うとはいえ、全区間において、最速達のダイヤを割り当てられている。
ちなみにこのJR車両、間宮海峡を抜け、ノヴォニコラエフスクを出ると、機関出力が著しく下がるという特性がある。
日本国内は沖ノ鳥島新島から供給される、馬鹿みたいな大出力電力でもって、東京尾羽間3時間という北海道出身のもじゃっ毛スーパースターが「馬鹿じゃ無いの!?」と吐き捨てるレベルの高速性を発揮する。
まあ、詳しくは別記で。
そんな英国の交通管制は日本と共通の物を採用している。
また、国防分野でも日本製の物は多い。
世界で唯一、全長400m超、速力40kt/h以上の艦艇を建造出来る能力を持つのが日本である。特に愛媛県の今治造船は、1900年以降歴代の英国国王が5年に一度訪れている関係か、英国の艦艇を何隻も造っている。
最近でも新型空母の一番艦と二番艦は同社で建造が行われている。
そんな感じの国際化が焦点になり出した時代に突入したなか中東のオッサンが、戦争を引き起こした。
とはいえ、このオッサンにも事情がある。自国内の石油を輸出しようにも、周囲はほぼ敵対国だらけで、唯一、南東部の小国が、輸出を請け負ってくれたわけだけど、委託した原油を輸出で出た利益をなかなか渡してくれない。
交渉しても、のらりくらりと交わされ、挙げ句の果てに、オタクから、輸出を委託された記録は無いという。オッサンはまだこのときは理性的に、ジュネーブにある国際司法裁判所に訴え、証拠も提出したが小国から買収された判事が証拠を握りつぶし、訴えを棄却したことで一線を越えた。
演習と称して南部に集結させた部隊を越境させ、わずか2時間で小国を占領した。
これを受け国連はオッサンを非難した。小国側からしか情報が入らなかったから。
だが、安保理の常任理事国8カ国は非難をしなかった。日本経由で、入ってくる情報が8カ国を呆れさせた。
よせばいいのにドイツとサウジアラビアがオッサンちに果たし状をたたきつけ、小国の側についた。おっさんの側には隣国イラン王国がついて、支援した。
それが、平盛3年のこと。
オッサン最後にG8へ自国の言い分を証拠を交えて訴えたあとの侵攻でした。
西側に接するサウジアラビアからドイツとの連合軍がオッサンちになだれ込んで、首都を包囲しようとしたが、思いの外抵抗が激しく遅々として歩みは進まなかった。
「手を出したことはおろかだったと今でも思うが、あのときはそうするしか無かったと考えている。」
平盛15年の退任時にこう語ったオッサンはG8に助けを求めた。
効率的対地攻撃をどれだけ効率的に行えるかという判断から費用対効果を考えたら、と言うことで、「ミサイル撃つより、砲弾撃つ方が安いんだけど、一番射程距離あるのでも40kmだし…ああ、そっか。」という、自己完結でアメリカ国防総省がサンディエゴに居る戦艦ミズーリと、フランス王国マルセイユでゆったりしていた戦艦アイオワを出撃させると発表したところ、「あ、アメリカさんが動かすんなら、うちもうちも。」というこじつけ理由で、戦艦を動かしたくてうずうずしていた日本の防衛省が、アメリカに「最大で10隻まで出せるけど、何隻いります?」という、お問い合わせをした。
「え?ところで射程距離は?は?砲弾によるけど1500km?!だったら出せるだけお願いします。」
オッサン支援のためにやってきた日本の最新戦艦薩摩型が自動飛翔砲弾で、オッサンちに入ってきたドイツ、サウジアラビア連合軍を蹴散らした。
「どれだけもらってにぎりつぶしたのかなぁ?早く吐かないとそこの怖ーいおじさんたちが君の家族も含めて、お仕置きをしちゃうよ~?」
さすがはおいらがヒーローなお国柄、買収の件をオッサンから伝えられると、買収された国際司法裁判所の判事を証拠をがっちがちに固めた上で、尋問した。
「へぇ~。そんなにもらったんだぁ。悪い事した人を叱らなきゃいけない立場なのに、悪い事しちゃったんだから、どうしなきゃいけないか、わかるよねぇ。」
買収された判事は、罪を告白する文章をしたためた上でスイスの警察に出頭した。
その後、オッサンから、未払い分の利益と未払いだったことにより受けた損害に対する慰謝料などを、しっかり払ってくれるなら、今回の侵攻によって破壊した施設を復旧して引き上げると言う声明が出たが、G8は復旧する必要なんて無い。と小国に対して怒り心頭だった。
平盛5年にフランスベルサイユ…フランスの若い人は此処の宮殿は国際戦争の講和条約が結ばれる場所という認識となって居るらしい。そんなベルサイユの皆さんご存じあの宮殿で今回のペルシャ湾岸戦争(のちの第一次イラク平定戦争)の講和が行われた。国家間の契約を履行しないだけで無く、相手が、この契約に関する裁定を国際司法裁判所に託すと告げてくると、自国に有利とするためだけに公平であるべき国際司法裁判所の判事を買収する。と言った小国の行為は約束という物を大事にするG8の神経を逆なでするだけで無く、彼らが信仰する宗教の教義にも反するような事だったことも有り、小国側の言い分は盛り込まれず、オッサンの希望が通った。そんな数ヶ月後、オッサンがG8のサミット会場に特別招待されたときのこと。
「今回のことで隣の小国が嘘つきだと痛感しました。講和時の条件履行をせず、履行を促せば、侵攻を非難する居直り具合です。
今回皆さんより頂いた支援によって、国内の復興と未来への道筋をつけることが出来ました。その上で隣とのつきあいを国民に諮ったところ、相手が払う気が無いのであれば、それでいい。しかし、もう我が国は最低限の国交としていくべきと言う意見が多数を占めています。石油の輸出については、今回真っ先に支援を表明して頂いたイラン王国との間に皆さんの温かいお心遣いを頂き建設されたパイプラインを通じイラン王国が担ってくださる事になりましたことを此処に報告させて頂きます。
他国をおとしめる意図はありませんが、我が国は今後、南の隣国に対して、契約を踏みにじる不義の国と言う目を。西の隣国に対して、一方の意見のみを鵜呑みにして、行動する短慮な国であると言う目を持つことでしょう。
先の講和条約で得た債権のうち、未払い分の原油売却益に関する分は相手が支払う意思を一切見せない以上我が国に対する不信と見なし、南の隣国に対する債権は、我が国の世論が不満の声を大きく上げている事も含めて、これ以上我が国単独での債権履行をあきらめ、G8の協力を願いたく、此処に足を運びました。」
オッサン、涙をぼろぼろ流しながら、しかし大きな声で、訴えた。
こういうわかりやすいこと大好きなおいらがヒーローや、紳士淑女な事が大好きな女王陛下のお国と、暇と金をもてあました妖怪金出させろを引き連れた我らが素っ頓狂集団の後押しを受ける世界最古の大帝国が、そろって支援に名をあげた。
その表明時に時の首相に対する記者のインタビューで、
「債権履行を迫れば、相手の反発を招く恐れがあると思われますが、その点は問題ないのでしょうか?」
と言う質問があった。
その答えが、かの有名な
「よろしいならば経済戦争だ。」
である。
これを聞いた、我らが素っ頓狂集団の頭領、撃沈したそうです。
平盛7年1月
神戸沖を震源とする激震が近畿、瀬戸内を襲った。俗に言う阪神淡路大震災である。発生からわずか1時間。余震の恐れもある中で、どんどんとがれきをかき分け生存者を捜索救出していく陸上自衛隊。
壊れた岸壁をあのタイタニック号を救った重装高速工作艦で補修し、横付けした輸送艦から輸送トラックをはき出し、物資を送り、陸自が助けた負傷者を乗せ機能が生きている大阪や京都の病院へと運んでいく海上自衛隊と、海上自衛隊海兵隊。
がれきによって消防車がたどり着けない火災現場へ大型爆撃機による消火剤投下を行いどんどんと鎮火していく、航空自衛隊。
大地震で心が折れかけた、神戸の人々に希望を見せた自衛隊と、救援物資を積めるだけ積んで自衛隊を除けばどこの国よりも早く駆けつけた、クイーンメリー2世級豪華客船3隻率いるロイヤルネイビーの紳士淑女諸君を持って、呆れさせたのはJRだった。
インフラ系で最も早く復旧したのが電気だが。これは、JR山陽本線を人海戦術で復旧させた結果である。JRが、山陽本線を大急ぎで復旧させた理由が、続々と神戸貨物ターミナルに到着した。
何両ものタンク車から軽トラに移され被災地各地へ向かう物。積載物は一文字だけ。
「水」
水道が寸断し、道路もがれきで埋まってしまい、復旧は時間がかかると判断したJRは保有するタンク車を入念に洗浄し、各地の名水を買い集め、最寄りの貨物駅から水輸送列車を編成し、鷹取の地へバカスカ送り込んだ。
地震発生からJR山陽本線が運行再開するまでにかかった時間はわずか8時間。完全復旧に至っては驚異の2日である。
「馬鹿じゃ無いの?!」
賞賛と感謝を込めた渾身の叫びをあげて驚く兵庫県知事と、やはりどうしても出てしまう犠牲者を悼みながらも限界まで神経をすり減らし、すり減らしすぎた結果、自衛隊さえも呆れたその働きにもう笑うしか無い神戸市長。
熟練の保線マン集団と、非常時の土建屋さんが、ある場所集まって、そこに有る者を見ていた。
地震によって見事に倒れた阪神高速である。
「…やる?」
「やるべ。」
「あっこの紳士も呼ぶべか?」
「人っ子さ、多い方がよか。」
そんな会話があったかどうか知らないが、被災地の現状視察でのこのこやってきた、英国の紳士淑女諸君を、
「やあやあ、よくきたね。君たちを待っていたよ。ハイこれ、君たちのヘルメットと軍手ね。君たちの受け持ちあそこだからよろしく。」
と、すんばらしい笑顔で有無を言わさず頭数に組み込み、遅ればせながらやってきた、おいらがヒーローも、
「ヘイ、フロンティア魂爆発させて、このがれき片付けてくれよ。その後はステイツ仕込みの土木技術を見せつけておくれ。」
と巻き込んだ。
大いに呆れつつも妖怪金出させろが派遣した技術者と機械によって、阪神高速は地震発生から5日で完全復旧となった。その後、妖怪金出させろは本領発揮。復興支援という名目で、当時の日本国家予算数千年分を一気に神戸市の口座に振り込んだ。そのせいで、神戸市の市政が一時的にストップした。それを見計らって、どこぞの素っ頓狂集団がお祭り大好き軍団を送り込み、犠牲者をお得意の蘇生措置を施して送り届けた上で、初日は倒壊した建物をきれいに更地にした上で、2日目には家具や、食器、ぬいぐるみや、漫画、小物に至るまで。お兄ちゃんがベッドのマットレス下に隠したむふふな御本の銘柄から重なり、角度、ベッドフレームの縁からの距離に至るまで被災前の町並みを完全再現して、満足げに帰って行った。
もちろん、耐震性能は、我らが素っ頓狂集団お墨付き。
マグニチュード10クラスの地震が直下で起きても、
「おぉ。すごい。すごい。」
っと、まんじゅう顔でどや顔しながらほっぺたぶるんぶるんさせて余裕ぶれるレベルに強化させた。
そんな説明を受けて、背後に宇宙を背負った猫のような顔を見せたのが、翌平盛8年に神戸を訪れた英国女王アレキサンドラ・エリザベス陛下である。日本ではエリザベス二世陛下として親しまれる。彼女のお気に入りが王太子妃(後に夫が高齢を理由に廃太子となり、長男が立太子した後本人は息子の即位とともに王太后になる。)ダイアナ殿下である。慈善事業に熱心なダイアナ妃殿下は、神戸を訪れると、真っ先に、慰霊碑の場所を担当者に尋ねた。
存在しない物の場所を問われ、今度は担当者が背後に宇宙を背負った猫のような顔を見せたため、一連の流れを傍観していた時の王太子チャーリーは吹き出した後、その場にうずくまり、5分ほど声も出さずにけいれんしていたため、救急車が駆けつける事態になった。
犠牲者をどこぞの素っ頓狂集団が、一人残らず蘇生措置を施して送り返してきたと聞いて、ダイアナ妃殿下は、「なんて神をも恐れぬ所行でしょう。」と憤慨していたが、アレキサンドラ陛下と、チャーリー殿下は「蘇生して送ってくるなんで神じゃ無きゃ出来ねえんだし、神をも恐れぬじゃなくて、神様本人がやってるんだよ。」とおもいつつ、アレキサンドラ陛下は曾祖父から聞いていた、素っ頓狂集団のことを思い出していた。
そして、
「次は長野よ。」
家族を引き連れて大阪駅に現れ、突然の出現に整っていない警備体制と、特別臨時列車(警備の関係で一般乗客がいない列車)を一本仕立てて、名古屋と長野の鉄道管理局に連絡しなければならなくなった、大阪駅長と、大阪鉄道管理局長は、一行が無事米原駅を通過したという一報の後ぶっ倒れ3日間昏睡状態となった。
ちなみに中津川通過の一報を受けた長野鉄道管理局長は列車を用立ててくれた長野電鉄の運行本部長とコーヒーを飲みながら、松本以北のダイヤ編成をしていた。チェスをしつつ。このふたり、いきなりふらっと現れては特急やら、普通電車に乗っていくどこぞの素っ頓狂集団。特にド天然国王と、銀色民族衣装の突撃具合に振り回されてこの程度のトラブル対応は新聞読みながら出来てしまうまでになっていた。
また、高校同級生のこの二人、同じ世界の人間なだけ、まだ行動の予想が出来るとばかりに、「どうせ松本で城でも見に行くべ。」とだべっていたら、本当にそうなったのでその場に居たJR東日本の幹部は呆れていたそうな。