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一回目

明けてましておめでとうございました。

清が、下に見ていた日本に対して、外交でけっちょんけちょんにされた数週間後、清は、『我が国の固有領土たる台湾と、属国である朝鮮の固有領土たる対島を不当に占領する日本より両島を開放する。』として、日本に宣戦を布告した。

しかし、これに対し英国が日英同盟に基づいて参戦。

また、我らが素っ頓狂集団も、小型艦を差し向け、清国の外征能力を開戦序盤で奪い尽くした。

清の外征能力は、向こう50年再建不可能とされたが、政府首脳はこれを信じず、国防に必要な部隊から引き抜いて外征部隊を再編。

だが、

「進めないではないか。」

「以前、定遠艦が日本に向かったときは通れたそうですが。」

件の結界が、仕事した。定遠以下四隻が来たときは、開戦の口実にわざと通したのだが、そんなの大鎖国中だった清国が知るはずもなく。

そんな中、蒙露連合軍が攻め込んできた。

ロシアはロシアで、日本とイギリスが不凍港を担保したことを表向きの理由として両国と同盟を結んだ。

後にムーも加え、21世紀まで残る4つの帝国による同盟が組まれ、これに基づいての参戦だった。

この4帝同盟と称される同盟関係と別に日英は個別に同盟を組んでいた。

アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領は無血独立後(この世界のアメリカは中二病集団が元であり、建国に至るまでの史実に有った宗主国イギリスとのごたごたと南北戦争はこの世界では、当時も活動していた中二病集団が起こしたもの。

独立時も日本と同じ大陸アレルギーになったイギリスが、北米大陸から手を引く際に国家を作り、そこを治めてもらおうとしたのだが広い北米大陸を一つの国とするのはまずいと日本から説得され、二つに分けて独立させた内の一つ。)の困窮期に、南北戦争時のごたごたの際に、手厚い無利子・無借款の融資をしてくれた、日本にはアメリカは返しきれない恩が有るが、それを少しでも返すために講話の仲立ちをしたいと申し入れ、ポーツマスでの講和がなった。

日本側の要求はただ一つ。

「今回の戦費を参戦国全てが要した分を、きっちり耳そろえててめえが負担しやがれ。」だった。

日本は件の結界のせいで、人的にも、資源的にも、領土的にも何も被害はなかった。そもそも日本軍の代わりにあの素っ頓狂集団が相手をしっちゃかめっちゃかに引っかき回したせいで、清側は継戦能力皆無となった。

一応清側の要求も聞いてみたが開戦時のいちゃもんを繰り返すだけなので以後居ない者として扱うこととなった。

参戦国に対する敗戦国たる清からの領土割譲だが、日英の大陸アレルギー重症患者たる島国はこれを拒否。

しかし良い所を見せたいうえに、大陸アレルギー重症患者というものをこれっぽっちも理解していないし理解する気も無いアメリカの中二病担当者が

「では日本には、日本本土に一番近い朝鮮半島を」

と発言したところ、日本側が切れ、その提案を断行するならば貴国をつぶすとまで発言。アメリカ側の担当代表が慌てて発言者をつまみ出しぼこぼこにするという事態も起きた。

最終的に朝鮮半島を除く日本海沿岸部はロシアに

朝鮮半島は素っ頓狂集団がDNAレベルで調査した結果、史実竹島の位置に、佐渡島北あたりまで広がる百済島に有る百済王国の国民で有る百済族と、半島北部に住む者はほぼ同じで有ることが判明。この半島北部に住む者は百済へ移住してもらった上で、朝鮮半島は放置が決定した。

モンゴルは、内蒙古を回収。

香港は史実と異なり、この時点で、英国本国に完全に組み込まれた。

チベットは日本の保護国となったが、先述したとおり、重度の大陸アレルギーである日本はチベットに金銭と武力を援助した後は放置となった。

以後清とその後継となる、中華民国はチベットを狙うが、土地を借りた素っ頓狂集団が手を貸しこてんぱんに伸すと言うことを繰り返している。


1900年4月フランスパリにて、パリ万博が開かれた。

日本とムー、そしてあの素っ頓狂集団が共同でパビリオンを出したが、他のパビリオンが閑古鳥の巣になるほどに来場者が殺到した。

5月にはかの有名な、鉄道唱歌が発表された。

しかしこの世界では、第一集はあの新橋発ではなくきっちり東京駅発。御殿場経由ではなく熱海経由。

第二集は関門トンネルをたたえ、史実では熊本までだった路線は、鹿児島まで伸び、台湾島との接続を目指して工事が続いていると綴られている。

第三集では史実は東京に戻ってきたが、この世界では青森市から函館市へ両市の地下を一気に貫く青函トンネルをぬけて、札幌、旭川稚内から樺太豊原へと向かった。

第四集は、ルート的に変わりはないものの、碓氷峠が、史実廃止時点と同じ方式となっている。

第五集は場所自体が違う。史実では関西近畿だったが、この世界では台湾一周となっている。

6月に義和団の乱が起きた。

史実では最終的に義和団と清国政府が一緒になって他国にけんかを売ったがここでは、上述の素っ頓狂集団によってしっちゃかめっちゃかにされた清は思いっ切り義和団をぼっこぼこにするため、他国。特に実体験からその力をよーく知るすぐ隣にあった日本にいる素っ頓狂集団に声をかけたが、素っ頓狂集団が怒髪天になる出来事が有ったため、それどころではなかった。

代わりに日本帝国海軍陸戦軍(後の海上自衛隊海兵隊)がこれに当たり、そこにムーと、香港をもらったイギリスが可能な限りの力を送り込んだ。

7月に、先の出来事に片がついた 素っ頓狂集団が、日本軍を国内に戻すためという口実で参戦。

各地の義和団拠点が日英夢の協力による精密爆撃で落とされた素っ頓狂集団ご愛用の特殊爆弾で跡形もなく消え去った。


1905年 史実では日露戦争で最も日本人に知られる日本海海戦が起きた年だがこの世界ではそもそもが日露は強い友好関係に有る同盟国であり、戦争は起きていない。

大津事件はそもそもロシア皇太子が愛知以西を訪れなかったため起きていない。

なので、おいらがヒーローとなりつつあったアメリカは双方にどや顔でき無かった。

まあ、どや顔したかったのは、あのぼっこぼこにされた者に代表される、俺つえーなアメリカン中二病集団だけだけど。

10月には10年前に開通したばかりの東シベリアの中心都市ウラジオストックとモスクワとを結ぶシベリア鉄道が、年々増える需要と流量を見越した大改良が終わり、全線貨客別の複々線。一部都市部においては貨物線が増やされるという状態。

そして全線電化され、日英から大量の旅客用電車と貨車、電気機関車が納入された。

更に国際標準軌での高速新線が建設されることが決まり、世界で唯一、300kmでの高頻度高速鉄道を運行しまくる日本に建設運行を丸投げした。

日本は困ったが、北海道新幹線の運行実績が大いに生きた。

そしてこの高速新線、広大なるロシアの大地に大いに適合した。

ロシア帝国は国鉄に対し、ロシアの発展に大いに寄与した者に与えられる勲章を授与した。高速新線には日本領土、樺太のオハからアムール川河口域最大の都市ニコラエフスクを経由して、日本の新幹線が2日に1往復乗り入れる。

この高速新線は1921年に完成しニコラエフスクから帝都サンクトペテルブルクまでを、最短38時間で結び、英国の東海岸本線高速線と並び、日本の新幹線に次ぐ高速鉄道として知られている。

1906年には日本から買い取った船を隅々まで研究して作られた、ドレッドノートが日英夢以外の各国に取って史実と同じ衝撃をもたらした。

この頃、列強から蚕食されていた清国は、10年ほど前に戦った日本がロシアと組んで、伸ばされる列強の手に対してガルガル状態で対応していたために、まだ落ち着いていた。

朝鮮改め、大韓帝国は日和見外交を行い、日本に対し併合を願い出るも、日本は先祖代々の大陸アレルギーで、交渉の場にすら立たず、ロシア、英国、ムー、百済にも交渉はしてくれるなと反応。結局、清との朝貢関係は変わらずと言ったところ。

チベットは、ネパール、ブータンなどヒマラヤ周辺の各国とともに日本から高亜(高原アジア)と呼ばれ、その中でも結構発展した国として知られる。

また、チベットには日本陸軍(という看板を掲げた我らが素っ頓狂集団)の基地が置かれ、清に対してにらみをきかせている。

1910年大晦日

激動の明治期を率いた、睦仁帝が健康上の問題を理由に退位し、翌元旦に息子の嘉仁親王が即位した。

史実と違い、この世界での儀式系は至極柔軟であり、もし即位が元旦ならば、即位に必要な三種の神器継承に関する儀式は三が日明けに執り行えばよい。また、建国記念日には、即位に関する儀式を置かないでという規定まであった。


1914年セルビア共和国

隣国オーストリア帝国の皇太子夫妻が、親善訪問を行い帰途につく前にセルビア大統領主催のパレードに参加した。

そこを馬鹿が襲った。皇太子フェルディナントは即座にオーストリア大使館に運び込まれ、その後、日本大使館に移った。日本大使館には、本国への緊急ホットラインがあった。

大使は今回の出来事を伝え、それを相談された素っ頓狂集団は、影響下にある長野県松本市にある信州帝国大学医学部付属病院に医師を派遣すると発表。即日受け入れ体勢が整った。

現地での応急処置で一命を取り留めたフェルディナントはロシア経由で日本に緊急搬送され、そのまま入院。

英国情報部、ロシア帝国対外情報庁、大日本帝国情報省の合同調査によって、フェルディナントを殺害した上で動揺するオーストリアから領土侵攻による獲得を狙ったセルビアの国ぐるみでの犯行とわかり、これに怒ったオーストリアはセルビアに宣戦を布告。

日英露と、フランスがオーストリア側についた。この四カ国とドイツが仲が悪いことから同じドイツ系が主体のオーストリアとは四カ国が敵対し自分の側についてくれると踏んでいたセルビアは当てが外れた。

そのセルビアに今回の騒動を起こすよう誘導していた、大ドイツを目指すドイツ帝国は、セルビアが起こした騒動から起こるであろう動揺に乗じてセルビアが狙う領域以外のオーストリアを併合することを狙ったが、叶わず。仕方なく、セルビアと同盟を組んでオーストリア解放をうたい、オーストリアに宣戦を布告した。

オーストリアの近隣で同国の味方はロシアとフランスだけだった。(英国はフランスから、更に海を越えた先だし、日本に至っては、東の果てだ。)

だが、その二国が味方になっただけでもオーストリアにとっては、砂漠で得た水の様にありがたい存在だった。

ロシアはシベリア鉄道を介して、日本の、ムーの先進的兵器を送り込んでくれ、無尽蔵ともいえる人員を動員できる陸軍国家。

フランスが、戦争になれば世界最精鋭と名高い英国軍の航空部隊が力を貸してくれる上に日英が参戦となれば、他国を突き放す規模と練度と技術を持つ2大海軍大国が地中海とインド洋を越え、黒海になだれ込む。

更に日本は必ずと言って良いほどお祭り大好き国家である我らが素っ頓狂集団を引き連れてくる。

異世界の超大国と言うこともあり、英日率いる連合国はその軍事力に期待したが、素っ頓狂集団から告げられたのは『日本の生命線が脅かされるような自体とならない限り可能な限り軍事介入は差し控える。』というもの。

この展開を予想していた日本側は苦笑したが、他の連合国は当てが外れた。しかし、素っ頓狂集団から、今回の連合国が使用する戦費、物資、武器、弾薬は全て、日本を経由して供給すると告げられたことで、自分たちの財布が傷まないことを知った各国の財務担当官庁が、参戦にゴーサインを出した。

日本政府が素っ頓狂集団に戦費関係の発言して大丈夫なのかと訊いたところ、

『単一複数国家群雄惑星上での全面戦争なんて、その星が寿命迎えて消えるまで戦争したとしても、我が国に何ら影響はないですよ。むしろ、おまえらもっと浪費しろって言うのが我が国政府の感想です。というのも、お金をばらまいたり無駄遣いしないと、いい加減国庫がパンクしまして。

お国の文明状態を良い方向でゆがませた上で安定させる形で頑張ったら良い感じにお金が解けるんですが、それでも焼け石に水なんです。想像できますか?お国でも元気に活動している我が国の化け物企業体四社は自分たちだけ[増税]しろとうるさいんですよ。まあ、あそこはぼーっとしているだけでも一社あたり、お国の国家予算数万年分を秒で稼ぐんです。その収入の六割を納税されたと考えてみてください。先日も財務担当の正正士(日本で言う国家公務員第一種試験合格者…のうち、初任で各省庁の課長級、局長級になれる人材)が、また一人過労で倒れましたから、あと本音言うとうちの軍は良くも悪くも人を殺せないんです。』

王国神政省次元外交局大保法対象国家管轄を名乗る素っ頓狂国家の担当者がぼやく。

担当者曰く素っ頓狂集団改め、素っ頓狂国家改め、王国こと蒼藍王国そうらんおうこくの軍事力利用について定めた国防法では王国に三つ有る軍は極力自他共に殺傷を行わず、相手の中枢を制圧し、戦闘継続を不可能にすることを目的とした作戦遂行を原則としているとのこと。

『まあどうせ基軍がまた近衛連でドッカーンでしょうけど。』


王国の担当者が言ったとおり、日本艦隊が地中海から、黒海へ抜けた直後にセルビアやドイツからなる同盟に属するブルガリア軍から攻撃を受けたと知るやいなや、欧州の空は、金属板に覆われた。

日本のなだめによって、王国軍は欧州から去ったが、連合内では例え、日本が関わっていなくとも最終的に日本の不利益となる事柄には、王国が過保護な親ばか張りに出張ってくるということが知られると、戦後は最低でも連合国内では仲良くしましょうと言うこととなった。

因みに後に起きる二度目の大戦では今回とほぼ同じ陣営の戦いとなる。

ドイツは北はロシア。南は英仏。東はオーストリアによって勢力を広げられずにいた。

この状況を打破するため、ドイツとセルビアは手を組んで仏墺戦線において、毒ガスを撒いた。

が、

「あーあ。相手の手の内を知らんとやるからこうなるんや。」

この時代の欧州人が知らない高度から見下ろす日本人がつぶやく。

「落とす?」

「墜とすか。庭園に墜とせば良いだろうし。」

「わかった。警告投射用意。」

欧州上空に置かれた人工衛星から大きな金属の杭が放たれた。直後、その杭自体が蒸発した。

衛星を監視する、日本某所には『チート禁止』とだけ書かれたメールが送られた。

[まあ、使ってみたくなるのは分かりますけどね。普通都市部に墜としますか?]

「とある国ではこの船浪の質量を大都市に墜としたという場面を描いたアニメがありまして。」

[それ、ここででもあと60年ぐらいしたら作成される奴ですね。]

杭を消し去ったのは月と地球の間に居た王国の船。その中で複数人で構成される王国の元首のうち王と宰相の片割れが正面の大型モニターを見ながらコーヒーで一服していた。

「あ、まーた裕仁さん銀ブラしてる。」

ちょっとカメラを切り替えたらお供も付けずに銀座をぶらつく後の日本元首の姿が映った。

今日も日本は平和である。


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