プロローグ
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のんびり更新ですが宜しくお願い致します。
俺の旅は終わらない。
世界を救う旅をしていたわけではない。彼女と平穏に暮らせる地を求めて世界を旅していた。ただそれだけだ。どの世界だろうとかまわない。
━━彼女さえいてくれたなら。
だから、たとえ平和だろうと彼女がいないこの世界では意味を成さない。
すでに言葉を交わすことはできないが、彼女が望んでいたことはわかる。
その想いを叶え、彼女を探す旅へと出掛けよう。
俺は、男であるからもちろん聖母ではない。
かといって、聖人でもなければ救世主でもない。
人を救う力はあるかもしれないが、ただの人間である。
俺が今までしてきたことは、結果として平和へ繋がる行いだったのかもしれない。
しかし、その過程は多くの命を散らした悪人である。
天国か地獄かと宣告されるならば、一秒も待たずして地獄を言い渡される極悪人ではないだろうか。
ただ、無情なのではない。
その時の俺の心は少なからず傷を負い、血を流している。
騙し騙され、裏切りのあるこの世界において、酷薄無情な人間は溢れるほどいる。
それと同じに見えるかもしれないが、血も涙もないわけではないことをわかってほしい。
今、どうしてこんな話をするのか。
それは俺が英雄とされ、彼らが悪人とされたまま伝え残ってしまうだろうからだ。
俺は悪人であり、彼らは根っからの悪人ではない。
ただ、彼らには選択肢が残っていなかっただけだ。
環境や立場違えば俺も同じであっただろう。
彼らも本意ではなかった。
それだけは分かってほしい。知ってほしい。
では、少し話をしたいと思う。
彼女と彼らと世界の話を。
そしてここに至るまでの俺の話をしよう。
━━渺渺たる海原のような平原に横たわり、身体の奥底まで射とおすかのような明るい陽射しの温もりを感じながらそっと目を閉じた。
ありがとうございました。




