博物館と炎槍
やっとこ話が進みます!
誤字脱字と批判批評お願いします。
「しっかし広いなぁ〜」
荒木が観光に来た旅行者のように呟く。
「てかどうすんだよ俺達‥‥さっきから同じ所をグルグル回ってるみたいだけど大丈夫だよな!?」
「この建物が四次元構造じゃなきゃ、間違いなく進めてる‥‥と思う」
「そこは断言しろよ。けど本当景色に変化が無いな」
この建物の廊下は柳が目覚めた大広間と同じように白い床に白い壁。
窓から差し込んでくる光も白みがっているし時々見かける扉らしき物も真っ白で、白い砂漠を歩いているような気分だ。
「さっきの大広間で誰かに聞いとけば良かったかなぁ、‥‥おいアレ見ろよ風磨!」
荒木がいきなり大声をあげる。
「何だよ。急に怒鳴るなよ荒木」
「ほらそこに面白そうな所があるぜ」
そう言って荒木が指差したのは白一色のこの建物の中で珍しく茶色の扉だった。
扉のそばには小さな看板もある。
「おいこれ何て書いてあるんだよ。どう見ても日本語にもアルファベットにも見えねーぜ」
柳が看板に顔を近づけぼやくと荒木も同じように顔を近づける。
「いや俺には読めるぞ」
「マジか荒木!」
「漠然と眺めるんじゃ無くて、俺はこの文字を読むってしっかり思えば読めるってお前がボーとしてる間に説明されたぞ」
「何だよこの文字知ってるんじゃ無いのか。けどしっかり読むと思うんだよな」
少し集中して文字を見ると彼にもしっかりと読むことができた。
「えーと『守護人記念博物館』?守護人って何だ?解るか荒木」
「異世界から来た勇者サマ、つまる所俺達だ。この博物館は俺達以前の守護人の何かが展示されてんだろ」
そう言って荒木は博物館の中にはいる。
「おいおい、集合場所行かなくていいのかよ」
「いーよいーよ何とかなるさ。それに無闇にウロウロするより一箇所に留まっているほうが相手も探しやすいと思うぜ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
博物館の中は凄まじかった。
ケースの中に飾られた刀剣類はとてもじゃないが実用的とは言い難い派手な装飾だが、刃自体が強烈な存在感を放っていて装飾が霞むほどだ。
柳はここの剣はどれも尋常じゃない切れ味だな、と自然に思った。
「説明書きによればどれも守護人の愛用品らしいぜ」
「てことは俺達もこんな武器使うのかなぁ」
「あんまりこんなのには触りたくないなぁ。手入れしただけで指切り落としちまうな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うっっわすっげぇ!」
「でっかいなあ。何メートルあんだ?」
奥に進むとそこは巨大な生物の剥製がいくつも展示してあった。
「映画でよく見る怪物も現実でみりゃ逆に怖くねーよな」
「あまりにも現実離れしてて一周してるよな。リアルな漫画よりも古い絵の漫画の方が印象に残るときがあるけどそんな感じかな。非現実さのインパクトが違うというか‥‥」
「うわ何だこりゃ‥‥でっかい鳥だな」
柳はそう言って怪鳥の剥製に近づいて行く。
不思議な事に翼長8メートルはあろうか怪鳥の巨体には傷が殆どない。
「どうやってこんなバケモン倒したんだよ。砲弾とかミサイルとか使ってねぇのかな」
すると荒木が剥製に近づき傷跡を探す。
「首が縫合してあるぜ。‥‥てことは首をバッサリか!?どうやって」
「さっきの剣のどれかを使ったのかねぇ。それともそれ以外の何かか?」
するとその質問に答えるように二人の背後から女性の声が聞こえる。
「その鳥は『牛喰いのクオイ』。三代前の守護人が倒した怪物です」
「はい?」
「え〜と?」
二人が後ろを振り向くと二人と同年代程の少女がこちらに向かって歩いて来ていた。
その少女は一見銀髪に見えたがよく見れば灰色の髪をしている。黒いセーターのような服を着ていいて、その上からでもわかる四肢の鍛えられた筋肉と顔にあるいくつかの傷でまるでアマゾネスのような印象を受ける。
「もう!何で私のとこには一人しかきてないんですかね!しかも探しにきたら呑気に観光してるし何ですかもー!」
「すいませーん‥‥さっき探しにきたって。取り敢えずお名前を教えて貰えませんか」
「あァ!アラキさんとフーマさんでしたっけ。てか名前聞いてないんですか!」
「聞かずに飛び出しちゃって‥‥」
「あーもう、じゃあ名乗りますよ」
すると少女の右手から爆発のような勢いで炎が飛び出した。爆炎のように広がった炎は徐々に右掌に集束していき槍のようなシルエットを作り上げる。
その炎槍を二人に突きつけ。
「守護人監督官ハルクスエ!又の名を爆炎槍。貴方達二人とカンザキヒロシの護衛及び監督を任せられている者です!」
ババーン!とでかい効果音がした気がした。
ヒロイン?の登場です!林檎を素手で破壊する握力系ヒロインです。
見た目は清純派銀髪ヒロインの目つきを無茶苦茶悪くして上腕二頭筋を搭載させた感じです。




