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第十八話『水球弾 VS オモチ弾にゃん!』

 第十八話『水球弾 VS オモチ弾にゃん!』


 やがて……、水流の勢いが若干、静まってきたのにゃ。立っているのと、あと、真っ直ぐに泳ぐのぐらいにゃらにゃんとかにゃりそう。『これなら闘うのになんの支障もないね』とでも思ったのにゃろうか。ウチが『もうやめようにゃん』と未来ある重い提案をしたのにニャンポにゃんったら、『ダメぇっ!』と軽ぅく一蹴。こともにゃげに却下しまったのにゃ。


 とまぁそんにゃこんにゃで残念にゃがら、二回戦目に突入にゃ。

「いっくよぉ!」

 本当に軽いノリにゃ。油断させようとしてわざとにゃのか。それとも天然にゃのか。ミロネにゃんはメノオラを『狭界から出たことのにゃい霊体』と評していた。にゃらば、後者と当たりをつけるのは誰しもおんにゃじと思う。

(力づくの闘いにゃら、にゃあまん様が得意とするところにゃ)

 ウチの心は歓喜に躍ったのにゃ。

 ずぼっ! ずぼっ!

 肉弾戦と思いきや、攻撃は、ニャンポにゃんの水球弾から始まったのにゃ。両腕の拳が弾丸とにゃって発射。と同時に、肩から押し出されるように水球が一つ現われたのにゃ。連動して腕全体のオモチが下へとスライド。新たにゃ水球弾の拳が生まれたのにゃん。

「連続発射といってみよおぉん!」

 ずぼっ! ずぼっ! ずぼっ! ずぼっ!

 拳を放っては、また拳を造る。この繰り返しで、ウチのほうへ多数の水球弾が向かってきたのにゃ。


『串にゃん。アドバイスにゃ。どうすればいいのにゃ?』

『向こうの真似っこをやったら、どうなのぐし?』

『にゃるほろ』


「こっちもいくにゃよぉっ!」

 ぼがっ! ぼがっ! ぼがっ! ぼがっ!

(おんにゃじことをやるにゃんて。ふう。『芸』がにゃいにゃあ)

 そうは思うものの、他にこれといった代案も妙案もにゃい。ってことで、泣く泣く相手とおんにゃじぐらいの大きさと数の弾丸を、これまた相手とおんにゃじ方法で撃ってみたのにゃん。

 果たして、結果は……。

 ばむっ。ばむっ。ばむっ。ばむっ。

 どうしたわけか、全弾相打ちにゃ。水球弾にぶつかった真ん丸オモチ、いや、オモチ弾は、ぶわっと拡がって相手の弾を包み込み、一緒に湖底へと落ちていく。


『おおっ。求め合う心と心が互いに引き寄せられ、一つになったのぐし。

 これぞ、真の愛の形なのぐし。

 さっすがは、戦神様。愛のキューピットのぐし』

『んにゃ、アホにゃあ』


「なぁかなぁかやるじゃん。それじゃあ、お次はこっれだぁ!」

 ニャンポにゃんは両手のひらを湧湖ゆうこの空へとかざしたのにゃ。肉球の先には水球が生まれ、みるみる間に大きくにゃっていく。


『あんにゃのぶつけられて大丈夫にゃん?』

『さぁ? 取り敢えずは同じものを造ってみるのぐし』

『戦神が、また真似っこにゃの?』

『尋ねられたから、答えただけぐし。

 不満があるのなら、自分で勝手にやればいいのぐし。

 思いっ切りやればいいのぐし。

 そして勝っても負けても、時の運、と割り切るのぐし』

『……おんにゃじものを造ってみるのにゃ』


 ぷわあぁぁん!

 ぷわあぁぁん!

 水球弾とオモチ弾。どちらも、造りし者の姿がすっぽりと隠れるくらい、大きくにゃる。今にも破裂せんとばかりに膨らんにゃのにゃ。

「よぉし、ここまでぇ。発射ああっ!」

 ニャンポにゃんが、両手を振り下ろす!

 ぶるぶるぶるぶるぶる!

「こっちも発射にゃあん!」

 にゃあまん様も、両手を振り下ろす!

 ぐるぐるぐるぐるぐる!

 どちらも重い響きを立て、水泡を造りにゃがら、水の中を突き進んでいく。

(またもや、相打ちにゃろうか。それとも)

 結果は直ぐに出たのにゃ。

 巨大水球弾が巨大オモチ弾に食い込む。食い込めば食い込むほど、オモチは更に大きく膨らんでいく。やがて……二つの巨大弾は一つに。と、ここでにゃ。

 ずばああぁぁん!

 霊覚を通して心に届いた響きはたいして大っきくにゃかったものの、見た目には、ネコ型妖体でさえもびくつかせるぐらいの爆発が起きたのにゃん。

 幸い、爆発の力の向きはあちら側に。ぼけぇっ、とした感じで突っ立っているニャンポにゃんへ、真ん丸オモチの砕け延びた、にゃんともでっかいものが襲いかかる!

 べっちゃああぁぁっ!

「にゃ、にゃんと!」

 愛すべき敵の全身が、オモチの生地でコーティング。あたかも、水玉団子の化身が、ヨモギ団子の化身へと生まれ変わったかのよう。

 ばたっ!

 うつ伏せに倒れたのにゃ。『もうダメ』といわんばかりに、


『にゃあんか、にゃあまん様の最後を見ているようにゃ……』

『しっ。本物が怒るかものぐし』

『聴いているのにゃん?』

『さぁ? のぐし』

『あのにゃあ』


(今度こそ、終わりにゃ)

 そう思ったものの、直ぐに甘い考えにゃと知らされる。またもや幾つもの水流の渦が現われたのにゃ。ヨモギ団子の化身みたいにゃ姿と化したニャンポにゃんに巻きつくかの如く回りに回って、やがて一つの渦に。ひっきりにゃしに動き回る水流の中に、身体が閉じ込められた格好にゃ。

 ウチは信じられにゃいものを目の当たりにする。

 渦の力にゃろうか。水中にニャンポにゃんの身体が立ち姿で浮かんにゃのにゃ。『にゃにをするつもりにゃ』と見守っていたら、にゃんと、くっついていたオモチが次々と洗い落とされていくのにゃん。

 そして……ニャンポにゃんの目は静かに開かれたのにゃ。

「ふぅ。助かったぁ! しかもさ。嬉しいことに、ぴっかぴっかだよぉっ!」

「そんにゃあ」

 綺麗にクリーニングされたことで、ニャンポにゃんは再び水玉団子の化身の姿に戻ってしまったのにゃ。


(ぶふっ。こんにゃことににゃったら、面白いにゃろうにゃあ)

「どうだ、参ったかぁ。これぞ奥義、全自動……むぐっ!」

 ウチは慌ててニャンポにゃんの口を塞ぐわけにゃ。でもって、

「ふぅ。危にゃかったにゃあ。ここで『洗濯機』にゃんていわれた日にゃあ、どんにゃエラい目に遭っていたかぁ」といって、ほっ、としているとにゃ。

 ぼがっ!

「だからいっているじゃない! 自分でバラしにかかってどうするわん!

 ……っていうか、アタシだって忙しいの! いちいち来させないで欲しいわん!」とミーにゃんが蹴りとツッコミにくるのにゃ。で、ウチはといえば、当然、

 ばたん! ……とまぁうつ伏せで倒れて、めでたしめでたし、で終わるのにゃん。

(まぁミーにゃんが来るはずもにゃし。あり得にゃい話にゃのにゃけれども)


 で、現実はといえばにゃ。

「こらあっ! 真似っこなんかしちゃいけないよぉっ!」

 ネコ差し指を突きつけてのお説教にゃ。まるで鋭利にゃ刃物のように、繊細にゃウチの心に、ぐさっ! と突き刺さったのにゃ。


『ほぉら、みにゃさい。いわれてしまったのにゃよぉ』

『いちいち、反応しないでもいいのぐし。

 鼻歌でも唄って、とぼけていればいいのぐし』

『とりつくしまもにゃいにゃあ』


 お詫びもにゃにもしにゃい相手に、ニャンポにゃんは『怒り爆発』といった様子にゃ。

「んもう! 許せないねぇ。こうなれば仕掛け弾だぁ!」

 そう口ではいうものの、実際、両腕から放たれたのは、またもや水球弾にゃ。


『おっ、来たにゃ。よぉし、こっちも真似っこ弾にゃ』

『こらぁっ! 仮にも戦神様の武器なのぐし。

 そんなプライドの欠片もない、ネーミングをしてはダメのぐし』


 またもや、全弾相打ちかと思われたのにゃ。ところがにゃ。

 ぶしゅっ! ………どきゅうぅぅん!

 確かに、前とおんにゃじように全弾ぶつかったのにゃ。ところがにゃ。そのあとが違うのにゃん。小ちゃにゃ弾丸が、砕けた延びたオモチ弾を貫通。あろうことか、にゃあまん様の身体へと命中したのにゃ。……しかもにゃ。一発残らずにゃん。

「はっはっはっ。どうだぁ! アッチの圧縮弾丸の威力はぁ!」

「圧縮弾丸にゃと?」

 右手の拳を高々と掲げて、勝ち誇ったように叫ぶニャンポにゃん。嬉しくてたまらにゃいのにゃろう。続いて両手を腰に当てて、上から目線で自慢げにこういい放ったのにゃ。

「えっへん! 今のを説明をしてあげるね」

 ニャンポにゃんの話に依れば、『仕掛け弾』と称するこの水球弾は、障害物とぶつかった瞬間、ぎゅぎゅぎゅうぅっ、と圧縮される仕組みらしいのにゃ。

 でもってあとは……目にした通りにゃ。型は小っちゃくにゃるものの、速度も威力も桁違いの弾丸、『圧縮弾丸』へと生まれ変わったのにゃん。


 身体を良く良く覗いてみれば、風穴をぽっかりと開けられたところも、潰れたところもあるのにゃ。有り難いことに痛みはにゃい。でもにゃ。これらの傷のせいにゃろうか。にゃあまん様の身体が動かしにくくにゃったのにゃ。これまでは、まるで自分が動くのとにゃんら変わらにゃい感覚で扱えていたのに。今は腕でも足でも思うようには動いてくれにゃい。

(まずいにゃ)

 焦り、みたいにゃものを感じ始めたウチの耳に、楽しいそうにゃ声が聞こえてくる。

「まだまだぁ。こんなもんじゃ済まないよぉ!」

 ……本当に、こんにゃもんじゃ済まにゃかったのにゃ。


 まともに動くことが出来にゃいのは、はたから見ても、恐らく一目瞭然にゃ。ニャンポにゃんも気がついたとみえ、盛んに仕掛け弾の速射と連射を繰り返す。まさに猛攻と呼ぶに相応しい攻撃で、にゃあまん様はたちまち穴ぼこにゃらけ。それでも飽き足らにゃいとみえて、直接、自分がぶつかってきたのにゃ。最初のように、水流に身体が弄ばれるのを回避する為か、真っ直ぐに泳いでくる。でもって、そばまで来たら、『力一杯』との表現に見合う勢いで、拳や蹴りを食らわせるのにゃ。抜けにゃくにゃれば『ええい! 離れなさぁい!』とか叫んで、使用していにゃい拳を水球弾として発射。直ぐ目の前にゃので、命中確率百パーセントにゃ。風穴を開けられ、と同時に、命中した衝撃の反動で、抜けにゃくにゃっていた腕や足は引き抜かれ、身体ごと、にゃあまん様から遠のく。自由の身とにゃったニャンポにゃんは、再び真っ直ぐに向かってくる。そして拳を……この繰り返しにゃん。

 身体中、至るところに傷を被ったにゃあまん様は、……ついに。

 ばたぁん!

 仰向けに倒れてしまったのにゃ。もはや、身体のどこも満足に動かせにゃい。

(ど、どうしたらいいのにゃん!)

 今のウチには出来るのは……、悲しいかにゃ、戸惑うことぐらいにゃん。



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