カタログギフトを眺めるのって楽しいよねっ
カタログギフトのような本をパラパラめくる。
なるほど、スキルは多岐にわたる。
そのほとんどが、『役持ち』には付与できません、との事だった。
1,2ページに1個か2個くらいしか出てこない。
HP上昇とかMP上昇とかもある。
「何で戦わない世界なのにHP上昇とかあるの……」
「え、ミランダは戦ってないの?」
ヨークが驚いたように声をあげる。
「家でゆったり過ごしてきて、今日から学園に入りますって少女がなんで戦う必要があるの」
「ボクは毎日敵が襲ってきてたよ!?」
それは魔王だからじゃないの?。
一般的な戦士が見たら、あんな怪しいのは倒さないとって思うよね。
前世の世界でも警察が捕まえに来るだろ……。
「まあ戦闘系スキルは……ん?」
異性接触時の爆発力コントロール。
今まで、ずっと家で引きこもってた事。
父親は私が生まれてからずっと他国駐在。
奇跡的なまでの条件で今まで気付かなかったがこれは必須じゃないだろうか、
「それ取るんだったらボク男に生まれてたのに!」
「コントロールだから、爆発させようと思えば爆発するんじゃない?」
そういうと、ヨークはブルブル震えながら布団に潜り込んだ。
しかしあの爆発は何なんだ。爆薬の威力向上とは別なのか。
水素とか、ああいうレベルで爆薬判定されているのか。
ヨークに伝えると、嬉しそうに解からない!って答えた。
構ってくれた事が嬉しいんだろうか。
「ヨーク、ちょっとその壁際に立って……」
「え、どうしたの?」
私は目を閉じて集中した。そして腕をヨークの方に突き出して叫ぶ。
「爆発しろ!」
「ぴっ!?」
何も起きなかった。小規模な爆発でも起きれば便利だったのに。
「なんで、なんで爆発させようとしたの!?爆発してたら死んじゃうかもしれなかったんだよ!?」
涙目で叫ぶヨーク。腰を抜かしてへたり込んでいた。学園のスカートがめくれて、パンツが見えている。
「しなかったからいいじゃない」
「あとは、相手を言いなりにできる魅了、隷属化する奴隷化……。こんなの使い道が……」
ヨークが目を閉じて集中しているようだ。そして腕を私の方に突き出して叫ぶ。
「ボクの名の元において発動する。魅了、奴隷化!発動しろ!」
「……」
ヨークの側に近づいて頬を引っ張ってやった。
「あう、痛い!痛いよミランダ!?ボク、主人公で魔王だから持ってるかもって試しただけなのに!?」
下克上しようとしてたなこいつ!?
「……発動してたらどうする気だったんだ!?」
「さっきミランダもボクに向けて発動しようとしてたよね!?」
平和な日常。カタログギフトを眺めて過ごしながら、カミカが起きるまで待つことになった。
読んで頂きありがとうございました。
千文字くらいで一塊にしようかな、と考え中です。
感想貰えると嬉しいです。