間話、翼主人公の転生その2だよっ
「お帰りなさいっ」
「……ボク、死んじゃったの?」
「うん、爆薬令嬢に不用意に触っちゃダメだよっ」
めっ、とカミカが怒ったような顔をする。
ウザッ、と思わず声を上げて口を塞いだ。
「……カミカ、あれ酷いよ!?あの爆薬令嬢のチート能力は何なの?」
「美貌、知力、魔力をカンストまで振ってたからねっ」
「ボクでも多い方だって言ったよね?美貌カンストは300ポイントって聞いてたから、美貌だけに全力だと思ったのに。いくらポイントもってたんだよ」
ハァ、と思わず溜息が出た。
「で、どうするのっ?」
カミカがニヤニヤしながら言う。
「どうするって……終わりなんでしょ?」
「コンティニューできるよっ」
「できるの!?」
コンティニュー。
一目みた爆薬令嬢、ミランダ。一目惚れだった。
あれを屈服させて、ご主人様、と忠実な執事に……。考えただけでもドキドキする。
「でも、また触ると爆発するんでしょう?」
「女性ならしないよっ女性への変更は25ポイントでできるよっ」
カミカが女性なら爆発しないと言う。
「……で、でもボクは百合にはそんな興味がな……少ししかない」
少しだけ沸いた。ミランダなら女同士でもありだと思った。
「じゃあ、コンティニューだねっ転生に100ポイント使うから合計125ポイントだよっ残り50ポイントあるけど、どうするのかなっ」
転生には100ポイント……。次はコンティニューできないんだ……。
「カミカ、ミランダの私への好感度って解る?」
次はミランダ好みにしてコンティニューしたい、とカミカに伝えた。
乙女ゲーっぽい思考だと我ながら思った。
「えっとね、威圧とか、力とか、魔力とかドン引きだったみたいだよっ登場作品間違えてないかって言ってたっ」
「ちょっ、ほら!!ボクの思った通りじゃないか!!。あれ絶対ヤバい人だったよね!?近づきたくない人だったよね!?モブに褒められて育ったから、あれ?本当にかっこいいんじゃないかな?って洗脳されてたよ!!」
「ごめんねっさすがにあれはボクでもお断りだったよっ」
お前が言うな……。
「翼はいいとして、目立たないように。力も龍の鱗も血の涙も威圧感も消しといて……」
「いいの?力が無くなると、ミランダに勝てなくなっちゃうよっ爆薬令嬢の役は、翼主人公の排除だから危険だと思うよっ?」
「……いらない。だって50ポイントを何に振ってもミランダには勝てそうにないし……。実際勝てないんでしょ?だったら力が無くてもいいよ。」
「あはは、わかったよっじゃあ、コンティニューするねっ」
「あ、待って。カミカ」
そっとカミカを呼び止めた。
「次はミランダの好きなタイプに転生ってできる?可愛がられるような。残りの50ポイントを使って、ミランダを魅了できるようになりたい」
「じゃあ、そういう風にしてあげるねっ」
チートのコンティニューを開始します。
間話は終わりです。
次から本編に戻ります。