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主人公との出会いだよっ

制服を身に纏ったカフカが可愛らしい動作をしながら説明している。

なんだろう、可愛いから許せよ、という傲慢なオーラが滲み出てるんだけど……。

「爆薬の威力が魔力の累乗分上昇するよっ魔力カンストでこの役を選んだ人は居ないから威力は未知数だねっ」

「……未知数って、累乗で威力上昇したら、カンスト魔力を全力で使ったらどうなるの?」

どうなるの?

「……バトル漫画の展開っぽくなるよねっ」

「バトル漫画……?」

「怒って惑星を爆発させたりする奴だよっ」


最悪じゃねえか!!


「爆薬令嬢ってさ、その爆発スキルはメリットに見えるけどさ」

「うん、戦う手段で戦う術でメリットだねっ」

繰り返さなくてもいい……。


「……デメリットとか、何かあったりする?」

「あるよっ」


あるんだー。

あるんだわー。


「カミカさん、そのデメリットについて教えて貰える?」

「男性に触られると、暴発して爆発しちゃうよっ」

「うん……。はぁ!?」

「えっちな事を目的に触られると爆発しちゃうよっ」

えっち、にアクセントをおき、上目づかいに恥ずかしそうに言うカミカ。


可愛い仕草だがイラつきが止まらない。


「だから子孫は残せないよっ」

「いや、それはいい」

記憶は無いけど、元男だったせいか、男と付き合いたいと思えない。

パンが無ければケーキを食べればいいじゃない。

男がダメなら女の子とイチャイチャすればいいじゃない。


カエルとカタツムリよりも砂糖とスパイスを選べってマザーグース先生も歌ってたし。

「歌ってないよっ!?」

何で心を読めるんだよ……まあ、いいけどさ


「で、その翼主人公?ってどこにいるの?」

「あれだよ?」


カミカが指差す先を見てみる。


漆黒の身体、翼が生え、目から血の涙を流しながら歩く男がそこに居た。

龍のような鱗がびっしりと生えており、禍々しい呪文が全身に刻まれており、一歩足を進めるごとにズシンズシンと音がしている。


何者だよ!?

「きゃっ、あれはセント伯爵のご子息よ!」

「かっこいいわねっ!」

伯爵のご子息!?何で人の貴族になってるの!?


明らかに人ではない何かが学園に混ざっていた。

「無茶だろ!?学生が集まる中であれだけ浮いてるだろ!?」


どう見ても登場作品を間違えたとしか思えない奴を指さして言うと、

「あはは、そりゃ浮いちゃうよねっ翼があるんだものっ!」

「……」

ドヤァ、と言うカミカにチョップを入れて、とりあえず近づいてみる。


「きゃー、あれはアーバンツ公爵のミランダ様よ!」

「凄いわ、美しいわねっ!得した気分よっ」


モブ貴族令嬢の言葉を無視して、その翼主人公に近づく。


「貴様は何だ……?」

「ご、ごきげんよう?」


これ虐めるのって無理すぎるだろ……。

「容姿カンストか。すさまじい美貌よ。気に入った、貴様は俺の贄に……」

そう言って、私に手を伸ばした瞬間……。


……。


爆発した。


「ウグゥゥゥゥ!!!」


羽が千切れ飛び、苦悶の叫び声をあげながら。

翼主人公という魔王は多重爆発により消し飛んだ。

カンスト魔力の累乗威力である。惑星破壊以上の威力に翼主人公は耐えられなかったようだった。


「……えっ」

「……え?」

カミカは呆然と翼主人公が消滅した後の地面を撫で……少し考えるような仕草をして、にこやかに口を開いた。

「うんっおめでとう、クリアだねっ」

「クリアなの!?」


「これで、翼主人公の転生ポイントをまた吸い上げられるよっありがとうっ」

やれやれ……でもこれでゆるゆる貴族生活か

「あははっこれで終わりじゃないからねっ次に魔王が転生したあたりでまた来るよっ」

「……来るな」


カミカは最後の言葉が聞こえたのか聞こえてないのか、満面の笑みを浮かべて消えていった。





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