表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/17

繋ぎのお話、転生担当者も大変なんだよっ

50,000PV弱、ユニーク9100人達成しました。ありがとうございます!

50,000PVを超えてから落とそうと思っていたのですが、あと200ならいいか、と。


最近、別なお話を完結させたので、その記念を口実に一本落とします。

今回の話は、異世界転生の雫との繋ぎ部のお話です。


ストーリー性は無いのですが、異世界転生の雫も読まれている方には

繋ぎ目が見えていいかも、と。

ごめんなさい、思いつきだけで書きました。


 

 ペチペチ、ペチペチ

 ペチペチ、ペチペチ


「……カミカ、何をしてるの?」

 お菓子の袋とジュースを傍らに置き、両方の人差し指でキーを叩いているカミカ。


「えっとねっ昨日ミランダに言われて、思い出したからお仕事してるんだよっ」

 隣国の王女設定であるカミカは、転生担当者でもあるのだ。


「転生担当者がこんな所でゴロゴロしてていいの?って話ね」


 カミカは、エクセルの表のような物を開いている。

 名前、生前の評価、転生予定、転生先、スキル


 5列の簡易な表が並んでいる。名前と生前の評価だけが入力されている。リアルタイムでシートに埋まっていく名前と評価を横目で見ながら、

「こんなにいっぱい転生する人がいるんだ」

 大変そうだ、と紅茶を口に含む。


「そうだよっ転生担当者も大変なんだからねっ」

 列を全て入力すると、その行はフッと消える。この行を全て消すと仕事が終わりになるんだろう。


「どんどん増えてきてるね!」

 ヨークも画面を覗きこむ。


「まあ、ボクはこう見えてもベテランだからねっ慣れてるんだよっ」


 カミカは転生予定の所に、『9』のキーを押しっぱなしにして後ろ二つのセルに0を埋める。

 そして、それを器用に二本指でコピペしていく。

「無駄に並んだ9の数字と、後ろの0の数字の意味は何なの?」

「一番左のが転生予定時間。単位は年だよっ1で1年だねっ」


「「ちょっ!?」」


 ミランダとヨークの声がハモる。

 ペチ

 999999999999,0,0

 ペチ 

 999999999999,0,0

 ペチ

 999999999999,0,0 


 9999億年先に転生!?

 何その嫌がらせは!?


「何してんの!?この人たち9999億年後まで転生できないの!?」


「そうだよ?」

 何を当然の事を?と不思議そうに首を傾げるカミカ。その両手の人差し指は、『CTRL+C』『CTRL+V』 『↓』『HOME』 と淀みなく動いていた。


「もっと、こう。考えながら決めたりしないの?」


「転生先とか何億コードもあるから別ファイル開くのが面倒なんだよっ」

 まあ、どこに行っても大差ないよね、と言うカミカ。


「次の0,0は?」

 面白そうに尋ねるヨーク。


「転生先ランダムが0でスキルランダムの0だよっ」

 適当すぎる……。


「ついでに転生予定も0をランダムにすれば楽になるんじゃないの?」

「0がランダムだけどねっ」


 じゃあなんで0にしてあげないの!?

 ジト目でカミカを見る。

「0にして、近い時間軸に転生されたら、仕事が大変になるからねっ」


「でも、9999億年後に送ったら、その時が大変になるんじゃないの?」

「その時にはさすがに次の転生担当者になってるからねっ」


 予算をジャブジャブ無駄に使って、足りなくなる頃には他の担当者だ!というような悪い笑顔をしているカミカ。


「私達の時には、もっと真面目に転生させてたじゃない!」

「青い世界にいる時は、こういうの無しで考えるだけで終わってたから楽だったんだよっ」


 今はこっちの世界に居るから、端末操作しないといけないんだよ、と更にお菓子の袋を開けるカミカ。

「太るよ、隣国の王女様」


 えっ?と声を漏らした後、少し自分のお腹まわりを撫で、お菓子をしまうカミカ。


「カミカが太ろうが痩せようが関係無いけど、適当に転生させると可哀想でしょう?」


「んー。ボクの分身を置いておこうかな、そうすればのんびりできるかもしれないねっ」


 お前戻れよ、と遠回しに言ったつもりだったが、分身を置く事になったらしい。


「ギリギリの力を与えて、ボクの下劣さと卑猥さを取り出して分身を作ろうかなっ」


「それが無くなると、こっちのカミカが抜け殻になるんじゃないの?」


 カミカに睨まれて、私は軽口を止めた。腐ってもカミカだ、下手すれば酷い運命を背負わされるかもしれない。


 私はカミカから視線を外し、ろくでもなさそうな分身のカミカが作る世界を空想しながら冷めた紅茶を口に含んだ。

読んでいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ